ENJOIMENT in ANTIQUE BOOKS - LXII

ジュール・ルメートル

『 銀の鐘 』( コントブラン )

François Élie Jules Lematîre:
" Contes Blancs "
1924, Boivin & Cie, Éditeurs, Paris
1952, Catholic Digest, Tokyo



神谷武夫

Contes Blancs

『 銀の鐘 』 ジュール・ルメートル 著、深尾須磨子 訳
昭和27 (1952) 年、カトリック・ダイジェスト
"CONTES BLANCS" par François Élie Jules Lematîre
Illustré par Henry Morin, 1924, Boivin


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 この「古書の愉しみ」はインド建築やイスラーム建築の古書を紹介することを目的に出発したのですが、次第に建築書ではない、趣味的な「挿絵本」をも「愛書家」として 採りあげるようになりました。そのほとんどはヨーロッパの、日本にはあまり無い「革製本」をした豪華本でした。日本における「挿絵本」も採りあげよう と思っていましたが、江戸時代から明治時代には和本の挿絵本が出版されていたものの、私の書架にあるのは 殆どが洋書なので、和本で採りあげたのは わずかに『佳人之奇遇』と『天心全集』だけでした。和本のコレクションまでする余裕はなかったのです。日本における西洋風の挿絵本も 少数ながらあったでしょうが、そうした情報を もちあわせません。やっと手に入ったのが『 銀の鐘 』という、「絵物語」風の本だったのですが、それは 日本で出版されたとはいえ、フランスの挿絵本の翻訳本でした。著者の ジュール・ルメートルについて、時々検索していた結果、見つけたものです。ここから派生する、私の「古書探訪」の一例を語り、挿絵本の豊富な図版を掲げて 愉しんでもらうこととします。 ( 2026 /04/ 01 )



発端

ホメーロス   ホメーロス

『世界文学大系』第1巻 『ホメーロス』、筑摩書房、1961年
『筑摩世界文学大系』第2巻、『ホメーロス』、筑摩書房、1975年
どちらにも 巻末の 解説の代わりに、ジュール・ルメートルの短編、
井上究一郎訳の「オデュッセイアの余白に、セイレーン」があります。

 私の若い頃は「文学全集」ばやりで、出版各社が こぞって 各種の「文学全集」を出版していました。「世界文学全集」として 最も充実し、かつ定評があったのは、筑摩書房の『世界文学大系』でした。そこには「 アレクサンドル・ゲルツエンと ロシアの風景」のサイトで紹介した『過去と思索』上下2冊も入っていました。私は大学を卒業した年は 就職もせずに、毎日 本を読んでいましたが、まず西洋の文学、思想を系統的に読んでいこうとしたので、その初期に この文学全集の第1巻である「ホメーロス」の巻の『オデュッセイア』(高津春繁訳)を読んだのです。

 その巻末に、渡辺一夫が 解説の代わりに選んだと言う、「オデュッセイアの余白に、セイレーン」という、5ページの短編小説が付されていました。セイレーンというのは ギリシア神話の「海の精」で、通常「人魚」の姿に描かれます。オデュッセイアがトロイア戦争で勝利し、艦船でアテナイに帰還する途上、海から セイレーンたちの、蜜のように甘い呼び声が聞こえ、その あまりの魅惑的な歌声につられて 海に飛び込むと、セイレーンたちに捕まって 食べられてしまうのです。それを知ったオデュッセイアは、船員たちに強力な 蝋(ろう)の耳栓を使わせて その歌声を聴かないようにさせ、そして自分の体と手足を 太いロープでマストに縛りつけさせて、やっとの思いで この難所を通過する経過が、訳書の 第12巻に書かれています(p.376-7)。

セイレーン    スターバックス

(左)紀元前 330年頃の セイレ-ン像、アテネ国立考古学博物館蔵(From Wikipedia)
翼のある天使のような姿に描かれることが多かった。
(右)コーヒーの スターバックスの ロゴは、 ギリシャ神話の セイレーン を モチーフとしている。
スターバックスの名称は、メルヴィルの小説『白鯨』に登場する航海士の
名前に由来しますが、ロゴのセイレーンは、ギリシャ神話に登場する
2本の尾を持つ人魚(セイレーン)で、人々がセイレーンに誘われて コーヒーを
買うだろう、という期待が込められている、とのことです。
( なお、これを英語にしたのが、「警報音」を意味する「サイレン」です。)

 『世界文学大系』は 1958年に刊行を開始し、10年をかけて 1969年に全 96巻 +別巻2巻で完結しました。筑摩書房は その2年後に これを多少 改訂し、全巻内容も見直して、1971年に『筑摩世界文学大系』として再刊行を開始し、全89冊で 1998年に完結させました。ホメーロスの巻は 後者では 第2巻となりましたが、内容は全く同じです。たいていの市の中央図書館には、どちらかの全集が あることでしょう。

 この 付録のような短編は「オデュッセイアの余白に」とあるように、ジュール・ルメートルという作家が『オデュッセイア』の中の「セイレーン」の逸話に想像力を働かせて 展開させ、一個の物語を作ったのです。それは、エウポリオンという船員が、英雄のオデュッセウスが それほどまでに恐れる 魅惑的な呼び声であるなら、たとえ わが身がどうなろうと 聞いてみたいものだと、自分の耳栓をはずして 聞いてしまうのです。すると たちまちセイレーンの熱烈な誘惑に屈して、海に飛び込んでしまいます。セイレーンたちに捕まって食べられようとする刹那、レウコテアーという名前のセイレーンに助けられ、男と人魚の二人で生活を共にするようになります。その結果 どのように 話が進展するのかは、読んでの お楽しみです。

ホメーロス

『 筑摩世界文学大系 』第2巻、『 ホメーロス 』1975年、p.468
「オデュッセイアの余白に、セイレーン」3段組み5ページの 最初の1段

 ウィキペディアによれば、レウコティア(Leucotia)というのは ギリシャ語に由来する「白」や「純粋」を意味する言葉で、ギリシャ神話におけるレウコシアはセイレーンの一人であり、川の神アケロスの娘であり、ミューズの子でもあった ということです。一方、エウポリオンというのはギリシア神話に登場するアキレウスとヘレネーの間に生まれた有翼の息子の名前だったということですが、この物語では、人間の男の名前に使われています。

 私はこの物語が たいへん気に入り、聞きなれない名前の作者の ジュール・ルメートル とは、どんな文学者だろうかと思いましたが、当時は まだパソコンもインターネットも無かった時代です。私は ただ この物語を本からコピーして、たまに そのコピーを人にあげたりしていました。




ジュールルメートル

François Élie Jules Lematîre(1853 -1914)

  フランスワ・エリー・ジュール・ルメートルは 19世紀後半から 20世紀初めにかけて活躍した、フランスの印象批評を代表する批評家、詩人、小説家で、1853年にヴェネシーに生まれ、 1914年にタヴェール で没しました。有名な雑誌『両世界評論』の 劇評を長く担当しました。日本では 戦前に、白水社から『作家論』(仏蘭西文藝思想叢書 3) が 翻訳・刊行されたことがあります。

 Wikipediaによると、彼はエコール・ノルマル・シュペリウール(高等師範学校)で学び、グルノーブルで大学教授を務めましたが、1884年に教職を離れて ジャーナリズムと文学に転身し、作家、演劇評論家となって、第三共和政期のフランス民族主義の象徴的存在だったそうです。ドレフュス事件では、後述のアナトール・フランスが正義と人権のために ドレフュス擁護派として闘ったのとは反対に、反ドレフュス同盟の「フランス祖国連盟」 (Ligue de la patrie francaise)の設立に参加し、後に会長になりました。その点では、私にとっては 好ましからぬ人物だと、後に分かりましたが、ともかく「オデュッセイアの余白に、セイレーン」に すっかり はまってしまっていたのです。

 しかし、その会には画家の ドガや ルヌワール、作家のジュール・ヴェルヌ、詩人のジョゼ・マリア・デ・エレディアなども参加していたそうですから、作家の作品と政治的信条とは 別物だ と言わざるを得ません。彼は 1895 年にアカデミー・フランセーズの会員に選出されました。日本の学士院と芸術院を合わせたようなものですが、日本の学士院と芸術院の会員数は150人と120人と あわせて270人になりますが、アカデミー・フランセーズは定員 40人ですから、はるかに権威のあるエリートだと言えます。

肖像    肖像

ジュール・ルメートルの肖像(木口木版 From website)
ミリアム・ハリーが書いた『 ジュール・ルメートルの生涯』1946, フラマリオン

 とはいえ、ウィキペディアには、

「ジュール・ルメートル氏の詩作は出版当時ほとんど注目されず、今日では忘れ去られています。彼の小説もまた大きな話題を呼ぶことはなく、戯曲も常に好意的に受け入れられたものの、成功を収めることは稀だった。しかし、文学批評家や演劇批評家としての彼の作品は、その評判を確立しています。活気あふれる作家であり、彼は卓越した頭脳と豊かな文体を分析に駆使しています。彼は読者を楽しませ、しばしば魅了しますが、説得に成功することはほとんどありません。常にアイデアを遊び、気まぐれに身を任せ、あまりにも絶対的な意見を表明することを避け、彼自身は自分の判断に最小限の重要性しか置いていないように見える」

と、ずいぶん低い評価がなされ、日本では ほとんど知られていません。

 私が「愛書家」になり始めたのは 、『 ホメーロス 』の巻を読んだ四半世紀後の、ジョルジュ・ペローとシャルル・シピエ共著の "History of Art in Phrygia, Lydia, Caria, and Lycia" (フリュギア、リュディア、カリア、リュキアの美術の歴史 )をイギリスの古書店からネットで取り寄せた 2000年頃からで、深入りし始めたのは、岡倉天心の" The Ideals of the East "(東洋の理想)をイギリスの古書店から買った 2004年頃からです。
 一方、「挿絵本」というジャンルに惹かれていったのは、メーテルリンクの " L'Oiseau Bleu "(青い鳥)を アンドレ・マルチの挿絵本で、フランスの古書店からネットで買った 2010年頃からです。
 そこに深入りするにつれて、ジュール・ルメートル の「オデュッセイアの余白に、セイレーン」の 挿絵本は ないものかと ネットで探しましたが、見あたりません。挿絵本にするには ちょうど良い長さの短編小説なので、いっそ 誰か 日本の挿絵画家で、この物語を「挿絵本」にしてくれないものかと 思い始めましたが、日本には「挿絵画家」は 少なからずいても、「挿絵本」の情報は あまり ありません。挿絵本と言うのは 少部数で作られることが多いので、それぞれの関係者にしか 知られないのでしょう。

 さて ジュール・ルメートルは 、古典文学作品から切り取った一部をテーマにして、学識的ながら 抒情的な短編小説(コント)を創ることが好きで、同好の士を集めて『 古書の余白に 』(En marge des vieux livres)と題する本を編纂し、1905年に第1集、翌年に第2集を出版しました。 その第1集に 彼自身は、「オデュッセイアの余白に、セイレーン」のほかに「『黄金伝説』の余白に」と、「『聖書』の余白に、七人の眠り子」を収録しましたが、同好の士とは、ジャック・マリー・カヴェニャックと、ユジェーヌ・ゴドフルワで、その3人が3篇づつ書いた、共著となっています。

● 第1集には、次の9編が収録されています。

1. En marge de l’Odyssee, Les Sirenes (『オデュッセイア』の余白に)
  著者:Jules Lemaitre
2. En marge de Joinville        ( ジュワンヴィルの余白に)
  著者:Jacques Marie Cavaignac
3. En marge du Decameron      (『デカメロン』の余白に)
  著者:Eugene Godefroy
4. En marge de Pantagruel        (『パンタグリュエル』の余白に)
  著者:Eugene Godefroy      
5. En marge de la Legende doree    (『黄金伝説』の余白に)
  著者:Jules Lemaitre
6. En marge des Mille et une Nuits   (『千夜一夜物語』の余白に)
  著者:Jacques Marie Cavaignac
7. En marge de Don Quichotte     (『ドン・キホーテ』の余白に)
  著者:Eugene Godefroy
8. En marge de la Bible          (『聖書』の余白に、七人の眠り子)
  著者:Jules Lemaitre
9. En marge de l’Eneide         (『アエネーイス』の余白に)
  著者:Jacques Marie Cavaignac

Sirene   Sirene
『古書の余白に』(En Marge des View Livres) の第1集の表紙と 扉
Edite par Ancienne Librairie Furne Boivin & Cie, 1935


● 第2集は 次の 14 編ですが、それぞれの著者名は無いので、共著ではなく、ジュール・ルメートルが一人で全部書いたようです。内容も 物語(コント)ではなく、古書や人物などを題材にした 短篇の随筆から成っています。

1. En marge des Evangiles       (『福音書』の余白に)
2. En marge du Ramayana        (『ラーマーヤナ』の余白に)
3. En marge de l’Eneide         (『アエネーイス』の余白に)
4. En marge des chansons de gestes  (『武勲詩』の余白に)
5. En marge de Villehardouin       ( ヴィルアルドゥアンの余白に)
6. En marge de Joinville         ( ジュワンヴィルの余白に)
7. En marge du Decameron       (『デカメロン』の余白に)
8. En marge de Pantagruel        (『パンタグリュエル』の余白に)
9. En marge de Don Quichotte       (『ドン・キホーテ』の余白に)
10. En marge de Madame de Sevigne  ( セヴィニエ夫人の余白に)
11. En marge de La Fontaine      ( ラ・フォンテーヌの余白に)
12. En marge des Fables de Fenelon  ( フェヌロン寓話の余白に)
13. En marge de Saint-Simon      ( サン=シモンの余白に)
14. En marge des proclamations du general Bonaparte
                     ( ボナパルト将軍の布告の余白に) 

これら2冊に収められた 物語や随想を代表する作品が、ジュール・ルメートルの「『オデュッセイア』の余白に、セイレーン」であるのは 間違いありません。

Sirene   Sirene

(左)『オデュッセイアの余白に』(En Marge de l'Odyssée) の扉
(右)『セイレーン』(La Sirène) の最初のページ、
フランス語では「スィレーヌ」と言う。
 

● フランス語が読める人のために、ジュール・ルメートルの
「オデュッセイアの余白に、セイレーン」のフランス語の原文を、
ウェブサイトから転載しておきますので、こちらをクリック して
お読みください。(ただし、アクサンが 失われています。)



 インターネットの時代になってから、折りにふれて ジュール・ルメートルの本がないものかと 検索していましたが、なかなか情報がありません。それが 近年になって、彼の書いた物語集が1冊、邦訳されて 日本で出版されていたことを知ったのです。しかも 名前を聞き知る、大正時代の 深尾須磨子が翻訳した『 銀の鐘 』という、児童向けの物語集の 挿絵本だというのです。日本にも そんな挿絵本があったのかと感慨にふけり、1冊を手に入れました。今回の「古書の愉しみ」で主に紹介するのは、この本です。内容は、「クリスマスの物語集」だと言えます。どのような挿絵本かというのを、一話ごとに、挿絵のある 見開き2ページずつスキャンして、この下に詳しく紹介します。

 でも、これは「挿絵本」というよりは、「絵本」と挿絵本との中間の「絵物語」というべきかもしれません。 平安時代の絵巻物(源氏物語絵巻など)を源流として、1930年代から盛んになった、日本の児童書の「絵物語」の本に似ていますし、出版社も そのつもりで 出したのだと思われます。しかし、後に この本の原書、 "CONTES BLANCS" (「コント・ブラン」)を知って、これは 純然たる、フランスの「挿絵本」だったと 知ることになりますが。






銀の鐘

(『 CONTES BLANCS 』の 邦訳書 )
ジュール・ルメートル 著、深尾 須磨子 訳
アンリ・モラン 挿絵、18.5×12.5cm、211pp. 250円
昭和27 (1952) 年、カトリック・ダイジェスト東京支社 発行

銀の鐘  銀の鐘

『銀の鐘』 表紙(アンリ・モラン 絵)
ハードカバー、クォーター・クロス装
表紙の文字は すべて金文字 箔押し
表紙の絵は「大男と小男」原題は "Les Amoureux de
la Princesse Mimi"(王女・ミミの恋人たち)


銀の鐘   銀の鐘

『銀の鐘』 ジュール・ルメートル著、アンリ・モランの口絵と 扉
口絵は「白い教会」: 暖炉に当たっているピエロが、姉のシュゾンに
クリスマスの「真夜中の礼拝(ミサ)」とは どんなものかを、訊いている。

銀の鐘

『銀の鐘』 ジュール・ルメートル著、深尾須磨子訳、目次(余白を小さくして)


全部で 10編の「クリスマス物語」が収められていて、各話に3点ずつ、アンリ・モランによる線画の挿絵が添えられているので、全部で30点にもなります。各話から1点の挿絵を選び、その絵のある見開きページをスキャンして、以下に展観します。


銀の鐘

『銀の鐘』 ジュール・ルメートル著、深尾須磨子訳
「大きな靴」の、挿絵のあるページ、p.10-11
原題は "Les Grands Souliers"
天使が少女にプレゼントを持ってくると、その靴が大きいのに驚く

銀の鐘

『銀の鐘』 ジュール・ルメートル著、深尾須磨子訳
「銀の鐘」の、挿絵のあるページ、p.26-7
原題は 単に "La Cloche " 「鐘」
コランタン神父が、鐘を買う金を失って帰り、女中と会う。

銀の鐘

『銀の鐘』 ジュール・ルメートル著、深尾須磨子訳
「大男と小男」の、挿絵のあるページ、p.50-1
原題は "Les Amoureux de la Princesse Mimi" 「王女・ミミの恋人たち」
王女・ミミへの求婚者である 隣国の大男の王子が 思案している。

銀の鐘

『銀の鐘』 ジュール・ルメートル著、深尾須磨子訳
アンリ・モランの 唯一の カラー挿絵のある「マリアと天使」のページ、p.74-5
原題は "La Vierge aux Anges " 「聖母と天使たち」
聖母マリアが、大工の夫 ヨセフのところに、でしゃばりな小さな天使を伴って やって来る。

銀の鐘

『銀の鐘』 ジュール・ルメートル著、深尾須磨子訳
「ヘロデの娘」の、挿絵のあるページ、p.93-4
原題は "Lilith" 「リリット」
ローマ皇帝 ヘロデ王と、その娘の 王女リリット

銀の鐘

『銀の鐘』 ジュール・ルメートル著、深尾須磨子訳
「白い教会」の、挿絵のあるページ、p.118-9
原題は "La Chapelle Blanche" 「白い聖堂」
「真夜中のミサ」を見に行こうと、吹雪の中を歩いてゆく ピエロ

銀の鐘

『銀の鐘』 ジュール・ルメートル著、深尾須磨子訳
「白兎と四つ葉の苜蓿」の、挿絵のあるページ、p.136-7
原題は "Le Lapin Blanc et les Trefles a Quatre Feuilles"
「白兎と四つ葉のクローバー」
森の女神が 心優しい農夫の男を、四つ葉のクローバーの野原に 連れて行く。

銀の鐘

『銀の鐘』 ジュール・ルメートル著、深尾須磨子訳
「動物の天国」の、挿絵のあるページ、p.138-9
原題は "Le salut des Betes" 「家畜たちの救い」
おばあさんの セフォラは、ベツレヘムの村で 一群れの山羊を飼っている。

銀の鐘

『銀の鐘』 ジュール・ルメートル著、深尾須磨子訳
「バグダッドの王子」の、挿絵のあるページ、p.164-5
原題は "Charité" 「慈善」
オルミュ神の審判を受ける、バグダッドの老王子・トゥリリ。

銀の鐘

『銀の鐘』 ジュール・ルメートル著、深尾須磨子訳
「メリーの友情」の、挿絵のあるページ、p.204-5
原題は 単に "Melie" 「メリー」
裕福な家の令嬢と、彼女を慕う 貧しい娘のメリーとは、生涯の親友となる




深尾 須磨子
(1888-1974、本名は 荻野志げの)

 この本を見つけた時、訳者が深尾 須磨子(ふかお すまこ)だと知って、大正時代の本かと思ってしまいましたが、しばらくしてから、深尾 須磨子と2歳違いの松井 須磨子(1886-1919)とを混同していたことがわかりました。どちらも名前は知っていましたが、実際にどういうことをした女性かは 詳しく知らなかったのです。新劇大女優の松井 須磨子は、愛する夫(愛人)の 島村 抱月(しまむら ほうげつ)の病死のあとを追って、2ヵ月後の大正8 (1919) 年に後追い自殺をしてしまったので、女優として活躍したのは大正時代でしたが、深尾 須磨子が文学者として幾多の本を出したり、平和運動に身を挺したのは 主に昭和時代でした。この『銀の鐘』も、昭和 27(1952) 年、64歳の時の出版です。と言っても、今から 74年も前の古書になります。

 深尾 須磨子は松井 須磨子ほど有名ではありませんが、それでも詩人の夫、深尾正と死別したあと、1925年(大正14年)に 37歳で 単身フランスへ渡ったのを手始めに、数回にわたる長期のフランス滞在をし、名高いコレットに 文学を学んだ上に、マルセル・モイーズに 直にフルートを師事した「モダン・ガール」として名をはせ、戦前はムッソリーニに心酔するファシストだったのが、戦後は一転して平和運動や女性運動に献身するという 波乱の生涯を送った 詩人、小説家、評論家です。

深尾須磨子   深尾須磨子

若き日の深尾須磨子(ウィキペディアより)
『マダム・Xの春、深尾須磨子作品抄』1988、小沢書店

 深尾 須磨子が児童向けの 絵入り本として ジュール・ルメートルの『コント・ブラン』という挿絵本を翻訳して、1952年に『銀の鐘』という邦題で出版したということは あまり知られていず、ネットでさがしても出てこず、彼女の たいていの経歴にも書かれていません。そして このキリスト教賛歌のような短編集を 最初のフランス滞在中に見つけて買うと 愛読書とし、ついには翻訳して、カトリックの雑誌社から出版までしたというのは、ネットに見る経歴には書いてありませんが、彼女はクリスチャンだったのかもしれません。

 深尾 須磨子が詩を師事したのは与謝野晶子で、戦後は詩人として大成し、晶子を偲んで その功績を綴った『君死に給たまふことなかれ』を 1949年に書いています。 フランスではコレット女史に文学を学んで、親しく付き合いました。コレットの代表作のひとつの『ジジ』 (1944) がブロードウェイで舞台化された時には、コレットがオーディションに 自ら立会い、主演に 無名だった オードリー・ヘプバーンを抜擢した というのは有名な話です。須磨子は コレットの作品を最初に邦訳しました。44歳で2度目の滞仏から帰国したあと、『マダム・Xの春』で 48歳独身女性の恋愛観を描いたのが、小説の 代表作でしょうか(出版は 死後の 1988年)。



 『銀の鐘』を出版したのは、カトリック・ダイジェスト東京支社という名の出版社 (?) だと 奥付にあります。『カトリック・ダイジェスト』(Catholic Digest) というのは、アメリカのローマン・カトリック信徒向けの月刊誌で、1936年に創刊され、2001年の時点で40万部を発行し、270万人の読者がいたとされますから、たいしたものですが、紙の雑誌は 2020年に終刊となり、今はウェブ版で継続しています。
 日本版の『カトリック・ダイジェスト』は、東京の 小峰書店が版元となり、1948年に始めて、1953年まで続いたそうです。編集長を務めたのは、後に還俗、帰化して星井巌となる、上智大学教授のヘルツォーク神父です。そして 大学を出たばかりの 遠藤周作が編集補助にあたり、休刊直前の短い期間は、ヘルツォークの後を受けて2代目の編集長となったそうですから、『 銀の鐘 』 の出版は 遠藤周作編集長時代だったのかもしれません。






コント・ブラン

(CONTES BLANCS)

Jules LematîreHenry Morin


(ホワイト・テイルズ、無垢の物語集)
Jules Lematîre ジュール・ルメートル 著, 1924年
Henry Morin アンリ・モラン 挿絵, 天金、ブワヴァン書房、パリ

無垢の物語集

  "CONTES BLANCS" François Élie Jules Lematîre
Illustré par Henry Morin, 29 x 24 cm, 160 pp. 1924
Ancienne Librairie Furne Bovin & Cie, Editeurs, Paris

 さて『銀の鐘』の原書を見ることにしましょう。訳者の深尾須磨子が『銀の鐘』という邦題にした ジュール・ルメートルの本の原題は「 コント・ブラン(Contes Mlancs)」というものです。文字どおりの意味は「白い物語集」ですが、「白い」というのは 色彩から敷衍して、「穢れのない」とか「清純な」という意味も表しますので、クリスマスに関する、(クリスチャンにとっては)美しく 心温まるような「お話」を集めた本書は、「無垢の物語集」とか「清純な物語集」と 訳すこともできます。そうした原題とは離れて、中の1編の題名を採って『銀の鐘』という表題にした深尾須磨子 は「訳者のことば」の中で、原題は「清らかな物語」の意味だと 書いています。英訳版の題名は "White Tales" (ホワイト・テイルズ)とするのが通常のようです。

 ただ、深尾が全体の表題とした1編というのは 単に "La cloche" (鐘)という題なのに、物語の内容を鑑みて『銀の鐘』としました。そのほうが読者を惹きつけると考えたのでしょうが、そのかわりに 原題 "Contes Blancs" とは ますます離れてしまい、原書を知っている人は、これが その翻訳書だとは 気が付かないかもしれません。

 上に展観したような 多数のモノクロの挿絵が挿入されたこの書の原書は、さらに アンリ・モラン (1873 -1961) による オールテクスト(ページ大)の彩色画が8葉も入った、豪華な大型挿絵本です。日本の訳書は、廉価な児童書とするために、そのうちの3点の彩色画のみを、表紙と口絵と「マリアと天使」の章の挿絵に、縮小複写印刷しました。原書を知らない読者には、30点もの線画の 写実的な挿絵の入ったこの書は、十分に満足できる出来栄えだったでことでしょうが、ここでは 原書の豪華さを示すために、そのうち 訳書になくて、原書にある、特に優れた彩色挿絵3点と 表紙絵を、大きく下に掲げておきます。
 アンリ・モラン は パリ美術学校(エコル・デ・ボザール)出身の、実に達者な アカデミックな画家です。特に児童書のイラストで名をあげましたが、壮年期以後は 宗教画に打ち込んだようです。

無垢の物語集

『 コント・ブラン(無垢の物語集)』 ジュール・ルメートル著、表紙
アンリ・モラン の挿画8葉入,1924年、天金、160pp. ブワヴァン書房
  "CONTES BLANCS" Jules Lematîre, 1924
Illustré par Henry Morin, 29 x 24 cm, 160 pp.
Ancienne Librairie Furne Bovin & Cie, Editeurs, Paris


扉

『 コント・ブラン(無垢の物語集)』本扉
"CONTES BLANCS" Jules Lematîre,
Illustré par Henry Morin, 29 x 24 cm, 160 pp.
Ancienne Librairie Furne: Bovin & Cie, Editeurs, Paris
ジュール・ルメートル著、アンリ・モラン 画
ヴィア・ロマーナ(Via Romana)編

 上に紹介した 深尾須磨子訳の本は、 全訳ではありません。以下に、各物語の邦訳題名と原題、その字義とを掲げます。全 14編のうち、ページ数の制約から 訳者の好みで選んだのか、10編だけが翻訳されています。本の原題は『CONTES BLANCS』ですから、字義通りの訳は『白い物語』になりますが、英訳の「ホワイト テイルズ」(White Tales)がよいと考える人もいます。

CONTES BLANCS et autres histoires de Noël
無垢の物語集( クリスマスの物語)


深尾須磨子の邦訳書の 各話の題名と、その原題及び 直訳
(破線の話は 邦訳されなかったもの)

 「大きな靴」      Les grands souliers          大きな靴
 「銀の鐘」       La cloche                鐘
 「大男と小男」     Les amoureux de la Princesse Mimi 王女・ミミの恋人たち
 「マリアと天使」    La Vierge aux anges          聖母と天使たち
 「ヘロデの娘」     Lilith                リリット
 「白い教会」      La chapelle blanche         白い聖堂
 「白兎と四つ葉の苜蓿」 Le lapin blanc et les trefles      白兎と 四つ葉のクローバー
 「動物の天国」     Le salut des betes          家畜たちの救い
 「バグダッドの王子」  Charité               慈善
 「メリーの友情」    Melie                メリー
  ーーーーーー     Les idées de Liette         リエットの考え
  ーーーーーー     L'imagier               彫刻師
  ーーーーーー     Le veu de Vivien          ヴィヴィアンの誓い
  ーーーーーー     Saint Jean et la duchesse Anne   聖ヨハネと アンヌ公爵夫人


無垢の物語集

"Contes Blancs" 1924,sample page
ジュール・ルメートル著、アンリ・モラン挿絵『無垢の物語集』の,
翻訳されなかった話「リエットの考え」のトップ・ページ
全ページが (彩色挿絵も含め)こうした枠付きのレイアウトである。

鐘

"Contes Blancs" 1924, 'La Cloche'
ジュール・ルメートル著、アンリ・モラン挿絵
「鐘」の挿絵
銀の鐘を買う金を失ったコランタン神父を、聖母が抱いている。

大男と小男

"Contes Blancs" 1924, 'Les amoureux de la Princesse Mimi'
ジュール・ルメートル著、アンリ・モラン挿絵
「大男と小男(王女・リリットの恋人たち)」の挿絵
王女リリットの隣に、求婚者の小男の王子(黒い服)と,
花を捧げる大男の王子が 立っている。

バグダッドの王子

"Contes Blancs" 1924, 'Charité'
ジュール・ルメートル著、アンリ・モラン挿絵
「バグダッドの王子(慈善)」の挿絵(ウェブサイトより)
バグダッドの老王子・トゥリリは 大通りで 10歳ぐらいの見苦しい少年に
出くわし、彼の家族の 苦しい生活を知って、金貨を1枚与える。

白兎と四葉の苜蓿

"Contes Blancs" 1924、Le lapin blanc et les trefles
ジュール・ルメートル著、アンリ・モラン挿絵
「白兎と四葉の苜蓿(クローヴァー)」
若い農夫が森へ たきぎ拾いに行くと、森の女神が、子うさぎに
四つ葉のクローバーだけを食べさせて、大切に育てるようにと言う。
(そのおかげで、王女と結ばれ、王子になる)
この絵を拡大しないと 分かりにくいが、若者は腕に白兎を抱いている。





CONTES BLANCS(コント・ブラン)

Jules LematîreBlanche Odin

ジュール・ルメートル 著 + ブランシュ・オダン 絵
23.8 x 7.3 cm, 69 pp. オクターブ・ユザンヌ社, パリ、1900年


 ジュール・ルメートルは、同じ題名の短編集を、24年前の 1900年に出版しています。『白の物語』と題する、「白」をキーワードにした3つの物語集で、
     「鐘」    (Cloche)
     「白い聖堂」 (La Chapelle Blanc)
     「白い結婚式」(Mariage Blanc)    
の3編を収めています。その内「鐘」と「白い聖堂」は 24年後の『 コント・ブラン 』に再録することになるのですが、こちらの古い方は 絵の多い「画集」のような体裁なので(全体のページ数も半分以下なので)、ジュール・ルメートルによる本文は 少ないのです。ルメートルよりも、画家のブランシュ・オダンの方が 主役の本だ と言えるでしょう。

コント・ブラン    オダン
      『 CONTES BLANCS 』(コント・ブラン)の装幀と、
           ブランシュ・オダン (From Wikipedia)

コント・ブラン   コント・ブラン

ジュール・ルメートル著 『 CONTES BLANCS 』(コント・ブラン)
ブランシュ・オダンの絵による表紙(ブロシェ版)と、ページ・サンプル

 ジュール・ルメートルに依頼された、当時 35歳のブランシュ・オダン(Blanche Odin, 1865 -1957)による手描き水彩イラストが 74ページに わたって収められています。ブランシュ・オダンは、水彩画、特に様々な花々を描いた静物画を手がけたことで知られる画家で、彼女の水彩画が 69点挿入された本書は、挿絵本と言うよりは、ブランシュ・オダンの「水彩画集」と言った方が近いかもしれません。1900年に、独立愛書家協会のために 200部 限定で出版され、他に特別装丁本が 10部つくられたようです。しかもそれぞれの絵は「ポシュワール」技法にも似て、ブランシュの監督のもとに 職人が手彩色をしていった「版画集」にも近いものでした。
 オダン本人がすべてを塗るのではなく、彼女の指導のもとに、一枚一枚、専門の彩色職人(カラーリスト)たちが、オダンの原画を手本に、工房で一色ずつ、筆や刷毛で色を乗せていくのです。限定 210部というのは、当時の高級美術本としては、「手作業で管理できる限界」の数だったと言えるでしょう。

 そして、本書全体のプロデューサーとして指揮を取ったのが、文筆家にして、生涯にわたって「美しい書物」を追求し続けたオクターヴ・ユザンヌ(Octave Uzanne, 1851 -1931)という稀代の「愛書狂」で、作家、出版者、ジャーナリストでもありました。それが手間暇 惜しまずに作った 超豪華本ですから、限定 250部という部数は 限界だったでしょう。

コント・ブラン

  ジュール・ルメートル著『 CONTES BLANCS 』(コント・ブラン)
ブランシュ・オダンの絵のある 「白い結婚式」(ウェブサイトより)

 ブランシュ・オダンは、パリのエコル・デ・ボザールが女性の入学を禁じていた時代に、水彩画家マドレーヌ・ルメールに師事して、1902年にパリにアトリエを開設して 成功を収め、同世代で最も優れた水彩画家の一人と 見なされたようです。 晩年の 1938年に 48点の水彩画をバニェ−ル・ド・ビゴール市の サリエ美術館に寄贈したことから、2017年に オダンの没後 60周年を記念して、展覧会「オダン没後 60周年記念展」を サリエ美術館が開き、復刻版を出版しています。

コント・ブラン

  ジュール・ルメートル著『 CONTES BLANCS 』(コント・ブラン)
ブランシュ・オダンの絵のある「白い聖堂」

 24年後のアンリ・モランによる 同名の挿絵本とは、同じように大型のアーティスティックな書ではあっても、ずいぶん異なった印象と画風の本でした





DIX CONTES (ディ・コント)

Jules Lematître『 10の物語 』

ジュール・ルメートル 著、296 pp. 1890年
H. レセーヌ & H. ウダン社 (H.Lecene et H.Oudin)


 ジュール・ルメートルは、さらに10年前の 1890年に、"Dix Contes"(ディ・コント:10の物語)という挿絵本を出版していました。ルメートル 37歳の時です。『Dix Contes』は 1890年にパリの H. レセーヌ & H. ウダン社(H. Lecene et H. Oudin)からの出版です。1894年版では、アール・ヌヴォの先駆者と言われる美術家、ウジェーヌ・グラッセ(Eugene Grasset)が表紙デザインをしました。
 発行部数は 1,300部といいますが、その内50部を特製版とし、25部は中国紙、25部は日本の局紙に印刷と あります。 挿絵は全部 単色で、リュック・オリヴィエ・メルソン、ジョルジュ・クレラン、F.H.リュカ、コルニリエ、ルヴィの5人が描きました。こうして見ると、3冊とも 同じルメートルの書いた物語に基づきながら、ずいぶん違った作風の挿絵本になりました。

十物語  十物語

           ジュール・ルメートル著『 DIX CONTES 』(ディ・コント)の
        金を使った豪華な外装と 扉、ウジェーヌ・グラッセのデザイン、241pp.

(”Gallica"のサイトで全ページが見られます。)



● 10話の表題と、その挿絵画家は、次の通り:

1. 「慈善」Charité
   ルヴィ(Loevy)挿絵

2. エレ」Hellé
   ジョルジュ・クレラン(George Clairin)挿絵

3. 「ミュラ」Myrrha
   コルニリエ(Cornillier)挿絵

4. 「王女・リリット」La Princesse Lilith
   F.H.リュカ(F.-H. Lucas)挿絵

5. 「彫刻師」L'Imagier
   リュック・オリヴィエ・メルソン(Luc-Olivier-Merson)挿絵
6. 「ミミ」 Les amoureux de la Princesse Mimi
   ルヴィ(Loevy)挿絵

7. 「モンセルネの ソフィー」Sophie de Montcennay
   F.H.リュカ(F.-H. Lucas)挿絵

8. 「メリー 」Mélie
   F.H.リュカ(F.-H. Lucas)挿絵

9. 「ケピとコルネット 」Képis et Cornettes
   ジョルジュ・クレラン(George Clairi)挿絵

10. 「白い聖堂」 La Chapelle Blanche
   ルヴィ(Loevy)挿絵

ということなので、10話のうち 6話が、『コント・ブラン』まで引き継がれているのだと分かります。


10の物語   10の物語

『10の物語』の、「慈善」の扉と、最初のページ(ウェブサイトより)


10の物語   10の物語

『10の物語』の、「王女・ミミの恋人たち」の扉と、挿絵のあるページ


10の物語   10の物語

『10の物語』の、「モンセルネの ソフィー」の最初のペ−ジと、「彫刻師」の挿絵

 挿絵は すべて精緻な「木口木版」で、リュック=オリヴィエ・メルソンやジョルジュ・クレランらの画家が描いた原画を、レヴェイ(Leveille)やリュフェ(Ruffe)といった、当代随一の「彫版師」たちが木版に刻みました。部数は1,300部だkozumiyakumoったと言います。図版は全部単色だったので、ページ数は多くとも、手ごろな価格だったのかもしれません。

( 2026 /04/ 01 )




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© TAKEO KAMIYA 禁無断転載
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ABC: Petits Contes by Jules Lemaitre

ABC Petits Contes
Jules Lematire
出版社 : Tredition Classics、ハードカバー ¥4,074
ボードブック 中古商品 - 可 ¥2,080 非常に良い ¥4,780
発売日 :2012/11/21  本の長さ : 76ページ 配送料 \1,199
商品の重量 : 204 g  寸法: 13.8 x 1 x 20.9 cm

Sirene   Sirene
『ABC 小咄集』(ABC Petits Contes) の表紙
 

  https://www.gutenberg.org/cache/epub/30117/pg30117-images.html
  に、すべての話と絵があります。こちらをクリック して お読みください。

Cette oeuvre (edition relie) fait partie de la serie TREDITION CLASSICS. La maison d'edition tredition, basee a Hambourg, a publie dans la serie TREDITION CLASSICS des ouvrages anciens de plus de deux millenaires. Ils etaient pour la plupart epuises ou uniquement disponible chez les bouquinistes. La serie est destinee a preserver la litterature et a promouvoir la culture. Avec sa serie TREDITION CLASSICS, tredition a comme but de mettre a disposition des milliers de classiques de la litterature mondiale dans differentes langues et de les diffuser dans le monde entier.

 ジュール・ルメートルは子供がとても好きだった。彼自身も、 グルノーブルで教師をしていた少女、マドレーヌは、 一ヶ月経っても、彼は決して自分を慰めることはなかった。
 その後、彼は複数の名付け親となり、とても魅力的な存在となりました。みんな 彼の名付け娘たちのために書かれた魅力的な物語を知っている。 「リエットの考え」や「王女「バグダッドから来たあの変わった女の子」、そして ペローの『物語』『白ウサギ』『四つ葉のクローバー』の余白 葉っぱ。
 パリのアルトワ通りにある彼の大きなアトリエで、金で縁取られていた 貴重な結びつきに青ざめたジュール・ルメートルは、受け取ることに喜びを感じた 子供たちはケーキやお菓子を詰め込み、 彼の図書館から持ち出した謎の箱で、それが広がった カーペットは最も予想外のおもちゃで、ほとんど集められました 本と同じくらいの愛。
こうして彼は「アルファベットの本」を書くことになったのです。彼が書き始めた 1913年の夏、ロヤンにかなり長い間滞在しました。彼はいくつか探しました 被験者たちは小さな足取りで歩く――彼はすでに 息を呑むように、松と海の間で、夕方には彼のことを語った。 物語を「試してみる」ために、アフリカの甥たちに、一緒に笑い合う、あるいは 無関心なままだったことに失望しながら言った。「皮肉なことに あまりにも多すぎる要するに!原始的な人々のように、子供たちは霊を嫌う そして細部を愛し、シンプルに増幅しよう!」
 そして翌日、彼はまた物語を始めるだろう。
 彼の最後の喜びの一つは、1914年5月に医師が 発明的な仕事を禁じ、自分自身をコピーすること、そして ますます小さく無形な子ども向けの物語を書いていく。
 彼は7月末にタヴェールで校正刷りを受け取った。
 すでに言葉の盲目が彼を圧倒していた。彼は物悲しげに そして胸が張り裂けるような笑みを浮かべてこう言います。「また読み方を学ぶつもりです 自分のアルファベットで!」
 数日後に戦争が勃発し、ジュール・ルメートルは 心臓発作が彼を奪い去るはずだった。しかし、彼は考えた 証明の訂正を勧告し、過度な良心をもって、 すべての物語が完全にはそうではないことを指摘してくれました 想像力に富んだが、時折アンデルセンに触発されたこともある。 フロリアン、そして牡羊座に関してはカノン・シュミットも。
 戦争によりアルファベットの出版は中断されました。今日、 ヨブ記が示すように、マメの家だけが子供たちにこれを提供します 彼らの偉大な友人の最後の本であり、最後まで彼の記憶を守り続けてきた。 優しく子供っぽい魂。
    ミリアム・ハリー。 ヌイイ、1919年5月8日。

Sirene
『ABC 小咄集』(ABC Petits Contes) の扉

 "ABC: Petits Contes" by Jules Lemaitre is a collection of children's stories likely written in the early 20th century. The book serves as a delightful introduction to various animals and morals crafted for young readers, showcasing the author's affection for children and storytelling. It combines whimsy, humor, and life lessons, making it a suitable read for families and educators alike. The collection features a series of enchanting tales centered around animals, each imbued with simple yet meaningful lessons. For instance, stories like "The Ugly Duckling" highlight themes of self-acceptance, while "The Little Mouse and the Big Cheese" illustrates the consequences of greed. Each narrative is succinct and engaging, often incorporating playful dialogue and vivid imagery that draw children into the whimsical world Lemaitre creates. The stories foster both imagination and moral understanding, making them timeless in their appeal and educational value. (This is an automatically generated summary.)

 この本には美味しい短編小説が収録されています。あらゆる年齢の子どもたちに読み聞かせをすることが理想的であり、創造性や世界のことへの興味を促します。この本は、当時Wという文字が存在しなかった20世紀初頭のフランス語アルファベットに基づいて構成されています。したがって、各物語のタイトルは参照語詞や文字が付けられています。したがって、フランス語から翻訳されたため、両言語でこれらのキーワード間の完全な対応を維持することは不可能でした。このため、フランス語版は参考として保管されました。

 物語の物語:ドンキー(アネ)、ヒツジ(ベリエ)、アヒル(カナール)、トンボ(デモアゼル)、カタツムリ(エスカルゴ)、アリ(フルミ)、ケーキ(ガトー)、ツバメ(ヒロンデル)、トキ(トキ)、おもちゃ(ジュエ)、カンガルー(カングル)、オオカミ(ループ)、スズメ(モワノー)、雪(ネイジュ)、耳(オレイユ)、ピー(ポワ)、尾(キュー)、ナイチンゲール(ロシニョール)、パイン(サパン)、トルチュイズ(トルチュー)、ユニバース(ユニバー)、バイオレット(バイオレット)、ザビエル(ザビエル)、イヴォンヌ(イヴォンヌ)、ゼロ(ゼロ)。
 著者はジュール・ルメートルで、ハンス・クリスチャン・アンデルセンやフロリアンのテキストも使用されています。

 最初の出版物は1919年に「ABC Petites Contes」という名前で発表されました。