● こうして(第2章と第3章の)2つの章で見た モスク建築の原理と性格というものは、実は 宗教建築に限らず、広くイスラーム建築全般に共通するものである。 宗教建築と世俗建築との間に ほとんど差異がないからこそ、イスラーム建築という呼称は、宗教建築としてのモスク以外に、さまざまな種類の建築までを包含するのである。では、イスラーム建築には どのような建築種別があるのだろうか。それを第4章で扱い、それらの集合形態や都市計画にいたるまでを たどっていくことにする。
● この章は 第1章と同じように、見開き2ページを一項目とし、左ページに本文を、右ページに写真を配した。なるべく写真をたっぷり 容れたいが、第1章なみに フルに写真をいれたのでは 本全体があまりに窮屈になるので、この章では 左はノドまで使い、右は写真を裁ち落としにしたが、上下には通常の余白をいれることにした。