84 CHARING CROSS ROAD

『 チャリング・クロス街 84番地 』

神谷武夫

Charing Cross   Charing Cross

『チャリング・クロス街 84番地 』という本を御存知でしょうか。「書物を愛する人のための本」という副題のついた、書簡体小説です(ヘレーン・ハンフ著、江藤淳訳、中公文庫)。第2次大戦後の 1949年、ニューヨークに住む脚本家のヘレーンが、新聞の広告で見つけたロンドンの古書店・マークス社に宛てて、古書を注文する手紙を書きます。誠実な対応をした古書店と、以来 20年にわたる文通が続くことになります。そのマークス古書店の住所が、「チャリング・クロス街 84番地」というわけです。(シャーロック・ホームズの「ベーカー街 221番地」を思い出させますが、古書店が立ち並んだチャーリング・クロス街というのは、日本で言えば 神田神保町 ということになるでしょうか)。
 この実話の、実際にやりとりをした往復書簡集が 1970年にアメリカで出版されると、何の劇的な筋立てもない この小説が ベストセラーとなり、舞台で上演され、さらに 1986年に 同名の映画にもなりました(日本未公開)。アン・バンクロフトがヘレーンを、アンソニー・ホプキンスが マークス古書店の古参店員を演じています。地味な内容ですが、本も映画も、心に沁みる、静かな感銘を与えてくれます。本の好きな人には、 本 か DVD か、どちらかを 読む(見る)ことを お勧めします( アマゾンなどで買えます)。


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