日経マグロウヒル社の 『日経アーキテクチュア 』 1988年2月22日号
248〜253ページ 「 クロイスター(小川邸)」 神谷武夫設計事務所



CLOISTERS IN NAGOYA

『 日経アーキテクチュア 』

1988年2月2日号、247〜253ページ
クロイスター
神谷武夫

この記事は、『神谷武夫の建築作品』のサイトにおいて
『 クロイスター(小川邸)』として 掲載してありますので、
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クロイスター(小川邸)のメンテナンスは、工事監理を手伝ってくれた、名古屋の
牛田信彦さん(クリエイティブサン)が、ずっと やってくれています。





1987年の 第6回「SDレビュー」で『 クロイスター(小川邸)』の
計画案が 入選した時の、模型写真と説明文を 再録しておきます。



かつて "International Style" と名付けられた建築様式は、実は "Cosmopolitan Architecture" と呼ばれるのが ふさわしかった。なぜなら、そのスタイルは 世界中のすべての伝統や風土の差異を 捨象して、西欧で発展した形態をもって 一律に埋め尽くそうと したからである。"Cosmopolitn" に対する "International" とは、各地域の "Nationality" を認めた上での 相互関係を言う。従って、世界各地の建築の 固有性を尊重し、その上で それらの原理や様式が ぶつかりあ合ったところに生まれる建築を真の "International Architecture" と呼ぶなら、それこそが 私の建築の目ざす地点である。
この住宅は 日本の生活様式と、ロマネスクの修道院、モロッコの パティオ形式とが 切り結ぶことによって成立した。それを可能にさせたのは、この家の主婦が 家事(特に台所仕事)を孤立させず、子供たちの活動(遊びと学習)に 絶えず接していたいという 機能的な要求、および この家の主人が 南面採光の部屋を好まず、柔らかい落ち着いた光線の室内を好む、という心理的な要求であった。