ヒルバト・アルマフジャールの宮殿。 謁見室の床のモザイク画「 生命の樹」。
柘榴(ざくろ)の木の下で、ライオンがガゼルに襲いかかっているシーンが、色石による
モザイクで描かれている。 構図といい、図案化の巧みさといい、のびやかな筆遣いといい、
これはウマイヤ朝絵画の傑作といってよい。 しかし、これは「イスラームの」と
いうよりは、中東のビザンティン文明の延長上にある絵画だと考えるべきである。