
東海散士 著 『佳人之奇遇』巻7の表紙 博文堂, 明治 20年 (1887)
藍色紙表紙の和本、23×15cm、康煕(こうき) 綴じ、題箋貼り付け
東海散士著 『佳人之奇遇』巻7の、清国志士 鈕叔平の「百字引」(序)と、
見返しに「第四編」の扉紙が貼ってある(巻7,8用)
序文は活字ではなく、ページごとに彫った木版画(整版)
********* 巻の7 ***********
『佳人之奇遇』巻7, 石版画「紅蓮 骨数斗夫人ト論辨スノ図」
骨数斗はコースートで、ハンガリーの志士 コシュート・ラヨシュの娘。
散士は 明治 20年にイタリアのトリノで、84歳になるコシュート・ラヨシュ
(1802-94) を訪問している。英語で ルイス・コシュート
『佳人之奇遇』巻7, 石版画「亜刺飛侯ト幽将軍ト會合ノ図」
亜刺飛は アラビー(エジプトの軍人 アフマド・アル・アラービー・パシャ)
『佳人之奇遇』巻7, 石版画「蘇丹地方略図」
蘇丹とはスーダンで、ここではエジプト全体の地形を示している。
********** 巻の8 **********
『佳人之奇遇』巻8, 石版画「墺國女皇 匈國議院ニ臨ノ図」
墺國は オーストリア、匈國は ハンガリー。
女皇マリア・テレジアが幼児を抱えて、議会で国民の助力を乞う。
『佳人之奇遇』巻8, 石版画「滅廷日苦 逃走ノ図」
滅廷日苦は メッテルニヒ
『佳人之奇遇』巻8, 石版画「匈國ノ将士 憤恚之図」
憤恚(ふんい)とは、憤怒すること。
大将ゲルゲィの裏切りによって、ハンガリーはロシア・オーストリア同盟軍に敗れる。
時々 左側に書いてあるのは、石版画
(リトグラフ)の工房名、
東京都神田區 東松下町拾六番地 小柴英侍 石版印行
(巻7では「小柴英待」、巻8では「小柴英侍」となっている)