東海散士著 『佳人之奇遇』初編(巻1-2)の装幀と石版画

佳人之奇遇

東海散士著 『佳人之奇遇』巻1の表紙、博文堂、明治 18年 (1885)
藍色紙表紙の和本、23×15cm、康煕(こうき) 綴じ、題箋貼り付け


佳人之奇遇
東海散士著 『佳人之奇遇』「初編」の見返し(扉)と、
有待楼主人 隈山(わいざん)すなわち 谷 干城(たてき)による「序」
常に、本文は活字だが(活版)、序文は ページごとの木版画で印刷(整版)
表紙の裏(見返し)が扉になっていて、その向かいから いきなり序文
(あるいは本文)が始まる。これが、当時の和本の標準スタイルだった。


********* 巻の1 ***********


佳人之奇遇
『佳人之奇遇』巻1, 石版画「独立閣ヨリ遠眺ノ図」
独立閣は フィラデルフィアのインデペンデント・ホール(独立記念館)



佳人之奇遇
『佳人之奇遇』巻1, 石版画「散士 佳人ト 蹄水ニ邂逅ノ図」
蹄水は デラウェア(川)(左の舟に散士、右の舟に幽蘭と紅蓮)



佳人之奇遇
『佳人之奇遇』巻1, 石版画「愛蘭惨状ノ図」
愛蘭は アイルランド(英国に財地を奪われ、虐げられる)


********* 巻の2 ***********



佳人之奇遇
『佳人之奇遇』巻2, 石版画「清国人 米人に軽侮セラルルノ図」
清国人は 中国人(清の時代)、アメリカ人の暴虐を受ける



佳人之奇遇
『佳人之奇遇』巻2, 石版画「孔子陳蔡ノ 野ニ饑ユルノ図」
(孔子の一行が楚に向かう途次、陳・蔡の国で飢えを忍んだ故事)



佳人之奇遇
『佳人之奇遇』巻2, 石版画「會津城中 烈婦 和歌ヲ遺スノ図」
(この烈婦とは、後に新島襄の妻となる 山本八重子)



時々 左側に書いてあるのは、石版画 (リトグラフ)の制作者名、
小柴英 印行