『 受胎告知 』初版

矢代幸雄 著、昭和2年(1927)、警醒社書店
今から 90年も前の立派な本で、警醒社書店という
キリスト教関係の出版社から 小部数で出ました。

『受胎告知』    『受胎告知』

『受胎告知』 初版、昭和2年(1927)、警醒社書店(ウェブサイトより)
箱の絵は『貧しき者の聖書』からの木版画挿絵がとられているが、本体は
表表紙、裏表紙とも レオナルドの組紐紋様が金の箔押しで 飾られた。

 上図は、ずっと以前に 初版の警醒社書店版を ウェブサイトでさがして、図版を借用したものです。 ところが、ずっと後に 初版をウェブの古書店に見つけたので 取り寄せましたら(下図)、驚いたことに、箱と、本体の背表紙のデザインが、上図と 違っていました。同じ昭和2年の初版ながら、警醒社版には2種類の装幀があったようです。


『受胎告知』    『受胎告知』

今から100年近く前の本ですが、箱もしっかりしています。しかし背は ヤケがひどく、タイトルの「受胎告知」と 幸雄著の「著」、それに出版社名が、朱色だったので 色あせて消えてしまい、副題の「宗教藝術の研究」だけが 黒字なので くっきり残っています。紙は 昔の赤みがかったボール紙なので、レオナルドの組み紐模様も 十分には浮き立たちません。


『受胎告知』   『受胎告知』

本体の表紙は、金の箔押し技術が低かったようで、1/4 ぐらいが 剥がれてしまいました。裏表紙では もっとひどく、3/4 ぐらいが 剥がれています。背表紙には タイトルの金文字が残っているので、表紙ともども、光の当て方によって光ります。