7 岡倉覚三(天心)の英文著作『茶の本』の英国初版 | 神谷武夫 


     『茶の本』

英国初版、『茶の本』 布装の表紙
エディンバラ、T・N・ファウリス(ファウルズ)社、1919年
The publisher, Thomas Noble Foulis, born and raised in Edinburgh
英・米ではファウルズと発音するが、スコットランドではファウリスと発音
するらしい。今から 95年前の、1919年に出版された。
(米国初版の 13年後、独語版がインゼル社から出版されたのと同年になる。)
21cm × 12cm × 1.8cm、140ページ、重さ 300 グラム
絵は「風に揺れる竹」大英博物館蔵(88ページに全図がある)


『 茶の本』

英国版『茶の本』のジャケット T・N・ファウリス)社、1919年
背の部分が やけて、色が濃くなっている。平には、別に印刷した複製画がが貼りつけてある。『日本の覚醒』のジャケットよりは ずっと厚い丈夫な紙なので、破れにくい。愛書家の増加につれて、ジャケットは 次第に装飾的になっていった。それでもまだ このジャケットでは、背に タイトルよりも大きく 定価(7シリング 6ペンス)を書いているから、店頭用の保護ジャケットから 後のものへの過渡期であったのだろう。したがって、英国版 "The Book of Tea" の、これほどきれいに保存されたジャケットは珍しい。100年前の 7シリング 6ペンスというのは、今の日本の貨幣価値にすると、1万円〜1.5 万円というところだろうか。私の 私家版『イスラーム建築 』よりも高価な豪華本 ということになるが、そうは見えない。絵は 「ハスとシラサギ Lotus and White Heron」108ページにも同図が貼りこまれている。たぶん大英博物館所蔵と思うが、画家名が書いてない。 ご存知の方がいたら、ご教示ください。


『 茶の本』

米国初版との大きさの比較(ジャケット付)



『 茶の本』
三つの布装本の、大きさとデザインの比較(ジャケットなし)
『茶の本』 英国版 1919、『茶の本』米国初版 1906、私家版『イスラーム建築』2014



『 茶の本』

『茶の本』 の本扉と フロンティスピース
カラーの図版を貼りこんだプレートは2枚。 この絵は光琳 (?) の「彩色された石」
ここには「芸術と 文化と 単純生活の日本的和合」という、
版元による副題が書かれている。


『 茶の本』

『茶の本』第1章「人間主義茶の一椀」の挿絵 
こうした生け花の挿図が6点ある。


『 茶の本』

『茶の本』 第2章「茶の流派 の図版 達磨大師像 大英博物館
モノクロ図版のプレートは4枚。


『 茶の本』

『茶の本』第3章「道教と禅」の図版 酢を味見する三聖人(釈迦と 孔子と 老子)


『 茶の本』

「付録」に付けられた図版 茶器の写真プレートは2枚
ここは 唐津焼き、萩焼き、舟形の花器
付録には茶室の平面図の挿図もある。