ギュスターヴ・ル・ボンの『インドの文明』1887年の 版元装幀の革装本(フル・レザー)。
前回の、アルチュール・ランボー『全詩編』との大きさの比較。
見返しには、細かい櫛目模様の、かなり派手なマーブル紙を使っている。
裏表紙と、豊富に金を使った装飾の詳細拡大
6センチもの厚さの本の 三方小口が全部 本金(ほんきん)で仕上げられているので、
29 × 20 cm、厚さ 6 cmの堂々たる本で、重さが 3.2キロもある。
シャグラン革装の上に 金を多量に使った、豪華絢爛な造本である。
公的出版物とは書いてない。
絵は、ヴィジャヤナガラ様式の、果てしなく彫刻された柱。
(ヴェロールの ジャラカンテーシュワラ寺院内、カリャーナ・マンダパの柱)
いかに豪壮な本であるかが わかる。
まばゆいばかりである。 120年を閲(けみ)しても、背の上下端の革が擦れて
表面が少し剥げている以外、製本は堅固である。
内部の汚れも少ないのは、三方金で保護されていたためだろう。