ピエール・ロチ著、モーリス・ラロ画『アンコール詣で』の本扉。
『アンコール詣で』のタイトルの下に、表紙にはない もう一作『死と哀憐の書』の
タイトルが 書かれている。


『アンコール詣で』の 第 1ページ(p.1)
このページにのみ、上段に 二色刷りの ポシュワール挿絵があるが、
他の挿絵はすべて1ページ大で、7点ある。
1ページ大でない、こうした挿絵は、仏語でキュ・ド・ランプ(culs-de-lampe)という。
本来は建築用語で、アーチを受ける 壁面の突起状の 受け飾り をいう。


『クレール伯母逝く』の 第 1ページ(p.207)
『死と哀憐の書』は 10編の短編から成り、各編の 最初のページの上段に小挿絵が
つけられている。1ページ大の ポシュワール挿絵は 6点なので、約2編に1点と
ということになる。邦訳版『アンコール詣で』(佐藤輝夫訳、中公文庫)では、
その中の 1編、この『クレール伯母逝く』が 併載されている。