ジェイムズ・ファーガスンの『図説・建築ハンドブック』第2版、
上下巻、自家装幀の背と表紙 (1859)。
ハーフ・レザーで、背と角は赤茶色のモロッコ革、
平は硬質ボール紙の上に特殊布、革の端部には、凝った模様の金線。
背表紙は いかにも古典的な意匠で、5本のバンドで6段に区画され、
タイトルと飾り模様が金の箔押し、バンドも金線で飾られている。
三方の小口はカットされた上に、金ではなく、赤橙色が 滑らかに載せられている。
すべてを赤色で統一しようという意図で、見返しは焦茶色の無地紙である。
三方カットなので、本の大きさが、初版に比べて5ミリずつ小さくなっている。


『図説・建築ハンドブック』第2版、上巻の扉と その向かいの口絵(フロンティスピース)
(木口木版、左はフランス、ル-アンのサントゥアン聖堂、右はノルウェー、
ウルネスの木造聖堂)初版とは この2ページが違うのみで、あとは全く同じ。
ただし、なぜか 第2版の下巻には、扉もフロンティスピースもない。


『図説・建築ハンドブック』 第2版、下巻の 772-3 ページ
図面もすべて木口木版である(フィレンツェの サンタ・マリア・デル・フィオ-レ大聖堂)


背の上下には花切れを入れ、モロッコ革の背を寝かせて被せている。
そのおかげで、150年以上前の製本なのに、まったく崩れていない。