準備書面ー4

事件番号  令和2年(ハ)第11887号
      水道料金返還及び慰謝料請求事件
原告    神谷武夫
被告    小池百合子 外2名

                                  2020年9月19日
東京 簡易裁判所民事第5室御中
                                  原告 神谷武夫


答弁書に対する論駁

 原告は法律家ではないので、法律全般に対する知識はありませんので、この準備書面における言葉遣いは、厳密な法律用語の駆使ではなく、常識的な市民感覚としての言葉遣いになることをお断りしておきます。  公務員の言動のどこまでが公務で、どこからが私的行為であるかの線引きをすることは、なかなか困難です。公務員が市民と対話しているときに、「こんなことも分からないのか、バカ野郎!」と言ったり、その市民を 証拠もなく泥棒扱いしたりすれば、これらは全面的な「公務」ではなく、公務員でありながら 個人としての名誉棄損や侮辱的な行為をしたと言えます。しかし純粋な個人関係としての行為ではなく、あくまでも公務員と市民との間の出来事になりますので、公務と私的行為の混在した局面です。「公務員としての役割を背負った個人」とでも言うほかありません。

電話のやりとりの記録  「答弁書」には、訴状にある 原告と水道局との電話のやりとりの内容を、否認したり訂正したりする箇所が散見しますが、原告の自宅の電話機はパナソニック製で、全ての通話が録音される機種ですから、水道局北営業所の 武田某(被告-4)と、勝健輔(被告-3)と原告との間の通話は、すべて録音されています。それにもとづいて、答弁書の虚偽の主張を指摘します。
(その電話の「通話録音」は、次回の口頭弁論において「証拠」として提出します。)

甲14号証

甲14号証 通話録音(2020年5月30日)

A. 事件の発端となった、被告-4武田の発言(2019年12月20日)が、答弁書では、「おそらくご使用になったと思うのですが」と柔らかく言ったように主張していますが、録音に基づいて正確に記すと、次の通りです(甲14号証の最後のページ、当該発言を太字にしています)。
 武田が「ま、結果的に1年たってもね、特にそのメーターに異常が見られるとか、そういうことはなかったんでね。」と言ったのに対して、
原告が「だから、私の使い方にも異常はないだろうが?」と抗議すると、
武田「だから、使ったんじゃないですか、そうやって!」と、語気鋭く 原告を犯人と決めつけます。
原告は驚き、「そういうことを言うんだな、あんたは!」と武田を非難したところ、
武田は謝りもせず、前言を取り消しもせず、傲然たる態度を崩しません。何らその根拠、証拠を示さずに、原告を詐欺師扱いしているのです。これが、名誉棄損的、侮辱的発言というものです。そうでなければ、原告が、訴訟を起こすほどに 怒るわけがありません。

 この1年2ヵ月前の(2018年10月16日の)原告と武田の話し合いの結論というのは、訴状にあるとおり、武田が、「水道メーターや、原告の水道使用状態を 毎月じっくりと調べ、また相談にくる」というものでした。しかし武田は、答弁書にあるとおり「平成31年3月まで」、つまり5ヵ月くらい、水道メーターを見に来たにすぎません(マンションの管理人さんの言ったこと(5〜6回来ていたという)に ほぼ一致しています)。その後の9ヵ月は 何もせず、原告のところに報告にも 相談にも来ずに 知らん顔していたので、この日、原告のほうから 武田に電話をしたものです。 原告はメーターの異常を疑っていますが、武田はメーターの検査もせずに、ただ、原告を犯人と決めつけているのです。

B. 「答弁書」では、「被告勝健輔は水道局長からの指示は受けていない」と主張していますが、12月27日に原告に電話してきた勝は、「こういうお手紙をもらった以上、」と、原告に言っています。これは、水道局長から勝への電話連絡がない限り、勝の知り得ない情報です。原告が水道局長の中嶋正宏に送った手紙が配達されたのは、その前日の12月26日ですから(甲3号証)。
おそらく局長は手紙を見て驚き、北営業所の所長である勝に電話をして、事実を調べて報告せよと、指示したことでしょう(当然のことです)。これによって、勝は原告に電話をしてきたのでしょうし、また1月6日に電話してきたときには「事実確認」をしたい、と原告に言ったのです(「事実」は、部下の武田が全部知っているのに)。

水道料金の返還について
原告の身に覚えのない高額の水道料金は、2018年10月分 6,248円と、6月分 5,477円と、2020年2月分 5,579円の3回です。このうち自動引き落しされてしまった 2018年10月分と6月分をまず原告に払い戻して、きちんとした調査をした上で、納得のいく料金を請求してほしい、というのが、今回の訴訟の前半部分です。

たしかに原告は、訴状提出時には 公務員の公務と私的行為の境界を曖昧に認識していたと思います。訴状提出時の裁判所の受付の方の話によって理解が深まり、書記官からの2回の問い合わせによって、原告は、「この訴訟の被告は、4人の個人です」と最終的に確認し、準備書面(1)によって補正をしました。この状態で見れば、答弁書の主張のように、被告らが個人的に水道料金の返還をするというのは適切ではない、ということになります。したがって 水道料金返還要求の相手に関しては、ちょうど この裁判への「補助参加」をした 東京都水道局に変更したいと思います(可能であれば)。もともと訴状でも、被告らが個人で支払うのではなく、水道局に対して 返還の指示をしてほしい との意図でした。

慰謝料請求について 今度の「答弁書」を読んで、被告-4武田が、「おそらくご使用になったと思うのですが」と言ったにすぎないと 嘘を言ったのだということがわかりました。水道局長と都知事は、半ばそれを信じたのかもしれません。しかし、それ以上の調査をせずに、部下の不始末を処理せず、原告を犯人(詐欺師)扱いしたままにしておいたのは、上級管理者たる水道局長であった被告-2と、 東京都知事であった被告-1と、北営業所長であった被告-3が、被告-4と共謀して、原告を犯人(詐欺師)扱いしたと見なされます。
 そして、それによってもたらされた、原告の精神的苦痛に対する慰謝料を求めるものですが、それを都民の税金で支払ってもらうつもりはないので、請求の相手は、あくまで4人の被告個人としたわけです。(水道局長も東京都知事も、原告からの2回にわたる、手紙および 北営業所への葉書の写しを受け取った時に、当然 部下に、その内容を調査して報告せよと命じ、被告-3、4とも協議していたはずですから)。
                                       以上