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● 『世界のイスラーム建築』のサイトにおける、「イスラームの建築種別」のディヴィジョンの 第 13回は『 水利施設( カナート、ノリア、サビール、チェシュメ )』です。 イスラーム圏は 降雨量の少ない亜熱帯地方に広まったので、生命の源としての水の確保は 為政者に課せられた最重要の課題でした。住民や戦士への飲料水の供給がなければ 都市も聖戦も成立しないし、農業用水が確保されなければ 作物は生育せず、国家の税収入が得られません。したがって 都市も農村も 完全な砂漠では成り立たず、河川や 地下水のあるオアシスに発展しました。それでも夏の乾燥期には 水が不足するので、カナートや 貯水槽や 水車や 給水所など、さまざまな 水利施設が工夫されたのです。 ここをクリック すると「イスラームの建築種別」の ディヴィジョンの『水利施設』の項に跳びます。 ( 2022 /12/ 01 )
● 『古書の愉しみ』の第 56回は、坂本健一 の『 麻謌末(マホメット)』です。 前回の『コーラン經』を翻訳した文学士、坂本蠡舟(れいしゅう)こと 坂本健(本名 健一)は、ムハンマドの伝記である『 麻謌末 (マホメット) 』も書きました。帝大卒業の翌年です。簡素な本ですが、19世紀最後の 1899年 (明治32) の出版で、今から 123年前の本です。 少年向けの「世界歴史譚」全36冊の内の 第6編で、博文館の出版、北 蓮蔵による 見開き挿絵9点を含みます。他の巻では 横山大観、下村観山、中村不折なども挿絵を担当した、偉人・英雄の伝記シリーズで、著者には高山樗牛、上田敏、柳田国男などがいました。 ここをクリック すると「古書の愉しみ」のディヴィジョンの『 麻謌末(マホメット)』のページが 別のウィンドウに開きます。 ( 2022 /11/ 01 )
●● 日本の国力 が、どんどん落ちています。国力を示す指標は、その国の 通貨 の価値です。黒田が 2013年に日銀総裁に就任してから9年の間に、円は5割も弱くなりました。ドル換算で、90円 だったものが、今や 135円 です。外国から物を買うのに(食料や燃料や原材料を買うために)5割も多く支払わねばならなくなりました。日本の製品は、5割も安く買い叩かれます。途上国に同じ10億円を援助しても、感謝される度合いは5割減です。
●● 『 朝日デジタル 』の記事 9月3日 16時00分
●● 1ドルが、ついに 145円に なりました。このまま行けば、日本は破滅します。
![]() ![]() 植木等 著 『夢を食いつづけた男』2018、ちくま文庫 評判の『仏教の大東亜戦争』を読みました。本の帯には 「なぜ 仏教は 国民を ”殺生”に 駆り立てたか」とあります。 著者の鵜飼秀徳 (1974- ) は ジャーナリストであるとともに、浄土宗 正覚寺の住職でもあるそうです。僧職者自身が 仏教界の最大のタブーに挑んだ、勇気ある著作です。たとえば 本の 119ページには、次のように書かれています。 「戦時中の仏教界の軍事支援は、「銃後運動」という間接的支援だけには留まらなかった。「はじめに」でも少し触れたが、宗門が主体的に、強力に戦争に関わった事例が、零(ゼロ)戦をはじめとする 軍用機、あるいは 軍艦の献納だ。仏教者が 殺戮の道具である兵器を造って納めることに、当人たちは何の罪悪感も持っていなかった」 その次のページには、それぞれの教団が国に納めた 戦闘機の種類や台数などの表があります。曹洞宗、日蓮宗、天台宗、浄土宗、臨済宗、西本願寺、四天王寺、真言宗、浄土真宗本願寺 などが こぞって戦闘機を奉納し、真宗大谷派では なんと、軍艦建造のための多額の献金(一期だけでも、現在の金額に換算して25億円以上)を献金したという。日本の仏教が、「宗教」とは言えないところまで腐敗堕落した姿を、完膚なきまでに 調査、記録した書です。 ただ この本の終わり近くには、戦争に協力しなかった 稀な仏教僧侶たちが 紹介されています。その一人が、『スーダラ節』や『無責任一代男』などを歌った歌手・コメディアンの植木等(うえき ひとし 1926-2007)の父親、植木徹誠(てつじょう 1895-1978)です。この「反戦僧侶」について植木等が書いた父親の伝記『夢を食いつづけた男, おやじ徹誠一代記』(1984) も読んで(古い本ですが、知らなかったので)たいへんに 面白く、また感心しました。
![]() ところで、このHPの「古書の愉しみ」のサイトには、第42回として『原爆体験記』を採りあげて 載せてあります。ところが そのページは、何年も前から、グーグルや ヤフーで検索できなくなっています。いろいろ調べて推測したところ、次の部分のせいだろう とわかりました。 「この 原爆体験記の小冊子が出版されようとした時、原爆を投下して広島と長崎の数十万人の市民(非戦闘員)の命を奪うという「戦争犯罪」を犯したアメリカは、それを、戦争を終わらせるために必要だった と言って正当化し、原爆のもたらす悲惨さを最大限 包み隠そうとしていたため、GHQ(連合国軍総司令部)すなわち日本を占領する「進駐軍」は この小冊子を「反米的」として、すでに印刷・製本が できあがっていたにもかかわらず、これを配布させず、出版禁止処分にしたのでした。」 つまり、アメリカによる原爆投下を「戦争犯罪」と書いていることが、「検閲」の対象となったようです。アメリカ大使館からの圧力でしょうか。 ( 2022 /10/ 17 )
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● 『世界のイスラーム建築』のサイトにおける、「イスラームの建築種別」のディヴィジョンの 第 12回は『 種々の施設(タキーエ、ハマーム、ジャンタル・マンタル )』です。 イスラーム圏に建つ建物を すべてイスラーム建築と呼ぶなら、建築種別は なお多岐にわたります。ここでは、ややマイナーな種々の施設を概観しておきます。 修道場(ハーンカー)のことを トルコ語では テッケと呼びますが、テッケ あるいは、もとのアラビア語の タキーヤ(テキーエ)という呼称は、もっと幅広く用いられました。根本はスーフィーの修行所であっても、それぞれの教団(タリーカ)によって さまざまの機能が 付加されたのです。オスマン朝最大の君主スレイマンは、ダマスクスに シナンの設計で「スレイマンのテッケ」を建てました。これは修道場としてよりも、マッカへの巡礼の出発地における 巡礼宿としての機能が主でした。こうした巡礼宿としてのタキーヤも各地に建てられました。 ここをクリック すると「イスラームの建築種別」の ディヴィジョンの『種々の施設』の項に跳びます。 ( 2022 /10/ 01 )
●● 神谷一博(かずひろ)という人がいて、その人が自分の住所と電話番号を 私のものと同じにして、世の中に公表しているらしい。 一昨日、近くの郵便局の配達課から 私に電話があり、私のところに 神谷一博という人が同居していないかどうか と訊かれました。 そんな人は いないし、知り合いにも いないと答えると、その人宛てに、私の住所で小包が届いているというのです。 郵便局が不審に思い、差出局のほうに連絡をとりました。 差出局が 差出人に問い合わせたところ、受取人の電話番号は こうだから、そこに電話してほしい と言われたらしい。で、連絡を受けたこちらの郵便局が その番号にかけたところ、私の家に かかってきた というわけです。
● 『世界のイスラーム建築』のサイトにおける、「イスラームの建築種別」のディヴィジョンの 第 11回は『 市場(バーザール、スーク、チャルス )』です。 イスラーム圏では モスクの周囲に店舗群が伸びて 市場を形成するのを常とします。市場のことを ペルシア語でバーザール、アラビア語でスーク、トルコ語でチャルシュと言います。バーザールの語は最も広く用いられ、都市近郊の農家の人々が 野菜や果実を広場に持ち寄って開く定期市から、建物に固定された屋内市場にいたるまで バーザールと呼ばれます。スークの語は どちらかというと屋根つきの店舗街をさして用いられることが多いようです。日本の駅前商店街に屋根がかけられると アーケードと呼ばれることが多いですが、スークがその元祖だと言えましょう。日本では 雨を避けるのが主目的であるのに対して、スークでは 日除けが主なので、モロッコでは よしずやテントのような屋根をかけることも多い。 ここをクリック すると「イスラームの建築種別」の ディヴィジョンの『市場』の項に跳びます。 ( 2022 /09/ 01 )
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● 今月は夏休みなので、新しい記事は ありません。 そのかわりに 映画のDVDの紹介をします。 特にテーマはありませんが、バラエティに富んだ映画を6本です。 映画の制作順に並べます。 ( 2022 /08/ 01 ) ![]()
● 『 終電車 』1980年(仏)監督・脚本:フランスワ・トリュフォ (1932-84),主演:カトリーヌ・ドヌーヴ、ジェラール・ドパルデュー、ハインツ・ベンネント ![]()
●『 東京裁判 』1983年(日)監督:小林正樹 (1916-96),ナレーター:佐藤慶,音楽:武満徹,企画・製作:講談社,2018年 デジタルリマスター版、DVD2枚組 ![]()
●『 雲南の少女、ルオマの初恋 』 2002年(中国)監督:章家瑞 チアン・チアルイ (1958- ),主演:李敏 リー・ミン、ヤン・チーカン ![]()
●『 Tomorrow パーマネントライフを探して 』2015年(仏) 製作・監督:シリル・ディオン (1978- ) 共同制作:メラニー・ロラン、(ドキュメンタリー) ![]()
●『 彼らが本気で編むときは、』2017年(日) 監督・脚本:荻上直子, 1972- ),主演: 生田斗真、柿原りんか,桐谷健太 ![]()
●『 沖縄 うりずんの雨 』2019
年(日) 監督:ジャン・ユンカーマン (1952- )
( 2022 /08/ 01 )
● 『世界のイスラーム建築』のサイトにおける、「イスラームの建築種別」のディヴィジョンの 第 10回は『 公共施設 複合体(キュリエ)』です。 イスラーム圏においては、住民の福祉のための公共施設の建設が 中世から盛んでした。学院や病院、公衆浴場や隊商宿、市場や救貧院、水路や給水所など、市民が社会生活を営むうえで不可欠の施設が、他のどんな文明よりも 多く見られます。キリスト教では 教会が学校や病院を併設することがありましたが、イスラームには教会制度がないので、モスクが そうした施設の出資者となることはありません。では 何が かくも多くの施設を可能にさせたかというと、それは ワクフ と呼ばれる 寄進制度 です。王侯貴族に限らず、個人の資産のある人なら誰でも、その私財や収益を 慈善的目的に用いるために 一種の財団を設立し、私権を永久に停止、放棄することができました。 ここをクリック すると「イスラームの建築種別」の ディヴィジョンの『公共施設 複合体』の項が、別のウィンドウに出ます。 ( 2022 /07/ 01 )
●● ウクライナ 頑張れ! ●● ゼレンスキー大統領 頑張れ!
この事変は、プーチンの死をもって終わるほかない ような気がします。
というのは、日本政府は「力による一方的な現状変更を許さない」と、いつも言っていますが、かつて中国や朝鮮で 大々的にそれをしたのは 日本です。 ロシアがウクライナでやっているような、中国・朝鮮民衆への大殺戮・虐殺もしました。 それについての謝罪の心をもたず、戦前の日本の行為を正当化しようとする日本政府・自民党の姿勢・意識は、現在のロシアと似たようなものです。
● 『古書の愉しみ』の第55回は、大川周明 の『 回教概論 』と『 古蘭 (コーラン)』です。日本で最初にイスラーム教の詳しい概説書を書いたのは、大アジア主義者で、大正、昭和時代における右翼の巨頭、大川周明だと聞いたら、誰でも意外に思うことでしょう。大川周明 (1886-1957) というのは、前回の「古書の愉しみ」で書いた東海散士(柴四朗)と 思想的、政治的に目指したところが似ていますが、年代的には 散士よりも35年ほど後の人で、東海散士が明治を体現したような人であるのに対し、大川周明は 大正時代から昭和戦前に多岐な活動をし、影響力の大きな著作をした人でした。「東京裁判」を生き延びた戦後の晩年には、若き日の志向を再燃させて イスラーム研究にうちこんだのです。 ここをクリック すると「古書の愉しみ」のディヴィジョンの「『回教概論』と『古蘭』」のページが 別のウィンドウに開きます。 ( 2022 /06/ 01 )
![]() ● 私はテレビを見ませんし、テレビ受像機も持っていませんが、フジテレビというのは、視聴率のために ずいぶんと いかがわしいこともするTV局だという噂は よく聞きます。今回、それを実際に体験しました。 ● 昨年(2021年)の 9月6日に、テレビ番組の制作をしているという、トリックスターの川中子という人から メールが来ました。 「この度、弊社にて BSフジ『日本史の新常識7』という番組を制作しており その中で今回、杉本鉞子を取り上げることとなりまして、 神谷さまのサイト内の 杉本鉞子『武士道』の画像をお借りしたく思いご連絡させていただきました。 http://www.kamit.jp/15_kosho/28_etsu/etsu.htm こちらを テレビ番組で使用させていただくことは 可能でしょうか?」 と問われたので、 「可能です。」 と、メールで返事をしました。 ● しかし、どの画像を、どのような条件で、どのように使いたい という連絡が来ると思っていましたが、いつまで経っても 何も来ないので、結局 使うのをやめたのだろうと思っていました。 ところが、それから半年後の 2022年(つまり今年)、3月17日に、トリックスターの吉留という人から突然 次のようなメールが来たので、たいへん驚きました。 「番組制作会社トリックスターの吉留(ヨシドメ)と申します。今回、BSフジ「日本史の新常識 第7弾」が4月16日(土)に再放送が決定致しました。前回の放送で神谷様から提供して頂いた武士の娘の画像を再度使用したくご連絡致しました。再放送の際に、申請の手続きなど必要になりますでしょうか。」 ● 翌日私は、何がなんだか わからないので、ともかく
「どういう使い方をしたのかわかりません。 とだけ、返事をしました。 というのは、本の場合でも ウェブの場合でも、通常、無断で使用されても、出典さえ書いてあれば、容認することにしているからです。 ● 5日後の3月22日になって、トリックスターの吉留からメールが来ました。
「前任者(川中子)に神谷様との画像提供に関するメールを確認致しました。画像の使用許可は頂いておりましたが、出典表記の確認の際、神谷様からご返信がなかったので、出典表記を無しで放送を致しました。
また画像の使用方法としましては BSフジ スペシャル番組「日本の新常識 第7弾」の番組MCである歴史学者 河合敦先生が海外で活躍した日本人として杉本鉞子様を紹介したく番組で取り上げさせて頂きました。 ● 私に使用許可をもらったとか、画像を提供してもらった、などと デタラメを言い、いったい、いつの放送で使ったのかさえ 書いてありません。 やむなく翌3月23日に、次のような返事をしました。
「私は、トリックスターの川中子さんから、
「神谷さまのサイト内の杉本鉞子『武士道』の画像をお借りしたく思いご連絡させていただきました。
http://www.kamit.jp/15_kosho/28_etsu/etsu.htm
こちらをテレビ番組で使用させていただくことは可能でしょうか?」
と訊かれて、「可能です。」と答えましたが、何かを許可した覚えは、まったくありません。 ● すると3月24日、今度はトリックスターの宮麻美(みや あさみ)という人から、次のようなメールが来ました
「私、番組制作会社(株)トリックスターの宮と申します。弊社の川中子、吉留の両名より画像使用に至るまでの経緯報告を受けご連絡をさせて頂きました。 ● これは「著作権の侵害」です。犯罪行為 です。たとえ下請けの会社が製作したとしても、放送責任は、制作依頼と内容チェックをして 放送した テレビ局にあります。同日の 私の返事は、 「BSフジという会社の、本件に関する責任者と担当者の連絡先(名前、住所、電話番号)をお知らせください。」 ● それから4日たった3月28日に(じっくり フジTVと相談していたのでしょう)トリックスターの宮からメールが来ました。
「 先日ご連絡頂きました放送局の責任者の名前や連絡先を提示する件ですが、当企画は放送局より業務委託を受けている弊社(トリック スター)の制作物であるとことから、弊社が神谷様へ誠意をもってご対応をさせて頂く次第でございます。 ● それから10日以上経っても、何の連絡もありません。フジテレビというのは、いつも こういう番組作りをしているのでしょう。誤った放送をすれば、全て下請けの会社の責任にして、自らは何の責任もとらず、謝罪もせずに、知らぬ顔をしているのでしょう。ちょうど 政治家が悪いことをしても、すべて秘書がやったことで、自分は何も知らないと、ほおかぶりするのと同じです。フジTVは、娯楽番組だけでなく、報道番組でも同様のことをやっていると思われます。フジTVの報道番組など、絶対に 信用してはいけません。 ( 2022 /04/ 08 )
● 『世界のイスラーム建築』のサイトにおける、「イスラームの建築種別」のディヴィジョンの 第8回は、『 浴場(ハンマーム) 』です。 イスラームの都市や建築に欠かせない要素に、浴場があります。身体の清潔を重んじたイスラームでは、とりわけ礼拝の前に体を浄めるべきことを『クルアーン』は繰り返し説いていて、それは モスクの中庭の 浄めの泉 となりました。浴場の施設は、ムスリムが征服していった 古代ローマ領地の各地に見出し、その方式を採り入れたと考えられます。大規模なもののほかに、色ガラスを嵌めたトップライトがちりばめられた小規模なドーム屋根の並ぶ ハンマーム は、スペインからインドまで、ハンガリーから中国まで いたる所にあり、イスラーム諸国では 今も銭湯として使われています。 ここをクリック すると「イスラームの建築種別」の ディヴィジョンの『浴場』の項が、別のウィンドウに出ます。 ( 2022 /04/ 01 ) ![]()
●● ピアニストの 原 智恵子 (1914 -2001) と言っても、知る人はあまり多くないでしょう。私も ほとんどまったく知りませんでした。彼女は天才的ピアニストと謳われて13歳でフランスにわたり、パリ音楽学校のピアノ科を首席で卒業し、1937年に日本人として初めてショパン国際ピアノコンクールに出場して「特別聴衆賞」を受賞、ヨーロッパと日本で多くのリサイタルを行いました。しかし日本の音楽界からは無視され、締め出されて、もっぱらヨーロッパで活躍。中年になって、カザルスと並ぶ世界有数のチェリスト、ガスパール・カサド と結婚、「デュオ・カサド」として世界中を演奏旅行しました。
● 今回の「古書の愉しみ」第 54回は、初めて「和本」を採り上げます。手彫りの「木活字」(もっかつじ)で 和紙に印刷し、糸で「和綴じ」にした、今から 130年以上前の、明治時代の本です。しかも、見開きの細密な 石版画(リトグラフ)が 全部で 40枚も挿入された「挿絵本」でもあります。木活字の書体も美しく、主に 西洋古書を紹介してきた「愛書家」にとっても、なかなかに 魅力的な古書です。ずいぶん長い章になりましたが、 ここをクリック すると「古書の愉しみ」のディヴィジョンの『 佳人之奇遇 』のページが、別のウィンドウに開きます。 ( 2022 /03/ 01 )
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● 『世界のイスラーム建築』のサイトにおける、「イスラームの建築種別」のディヴィジョンの 第7回は、『 隊商宿(キャラバンサライ、ハーン) 』です。 かつて シルクロードに代表される交易路が、イスラーム圏各地を 網の目のように結んでいました。鉄道のできる以前、大量の荷を積んで長途の旅に耐える動物は、まずラクダ、そしてラバ、馬でした。盗賊団から身を守るために、護衛つきの 数十頭から数百頭の隊伍を組んだ隊商(キャラバン)は 一日に平均 30キロを行進します。町と町の間には、彼らが安全に宿泊できるよう、30キロおきに 隊商宿(キャラバンサライ)が必要でした。また、終着点の都市内のものは、「ワカーラ」や「フンドゥク」とも 呼ばれました。 ここをクリック すると「イスラームの建築種別」の ディヴィジョンの『隊商宿』のページが、別のウィンドウに開きます。 ( 2022 /02/ 01 ) 新型コロナ感染者の死者も、1日で 322人となりました。
狂言 「鉢叩(はちたたき)」より ( 2022 /02/ 23 )
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今年は 大晦日の夜から バッハの『フーガの技法』を聴きながら
● 年の初めは 新しい記事の代りに、映画のDVDの紹介です。 今回は 異色の内容の映画を6本。 制作年度順に並べます。 ( 2022 /01/ 01 ) ![]()
●『ブラック・ムーン』1975年(仏・伊)監督・脚本:ルイ・マル (1932-95) ,主演:キャスリン・ハリスン、ジョー・ダレッサンドロ、テレーズ・ギーズ ![]()
●『 コーリャ 愛のプラハ 』(チェコ)1996年,監督:ヤン・スヴェラーク(1965- ),主演・脚本:ズデニェク・スヴェラーク,原案:パヴェル・タウセック ![]()
●『 アフガン零年 』(アフガニスタン・日本・アイルランド)2003年,監督・脚本:セディク・パルマク Siddiq Barmak,主演:マリナ・ゴルバハーリ ![]()
●『 潜水服は蝶の夢を見る 』2007年(仏) 監督:ジュリアン・シュナーベル (1951- ) 主演:マチュー・アマルリック、エマニュエル・セニエ、マリ=ジョゼ・クローズ、原作:ジャン=ドミニック・ボービー『 潜水服は蝶の夢を見る 』(1998 講談社) ![]()
●『 92才のパリジェンヌ 』2015年(仏) 監督・脚本:パスカル・プザドゥー (1970- ) 主演:サンドリーヌ・ボネール、マルト・ヴィラロンガ、原作:ノエル・シャトレ ( 2022 /01/ 01 )
● 『世界のイスラーム建築』のサイトにおける、「イスラームの建築種別」のディヴィジョンの 第6回は、前回の『聖者廟』と対をなす 『 王侯の廟(クッバ、グンバト ) 』です。王侯の廟は国家の記念造営物ともなり、潤沢な予算と有能な建築家の手によって、高度な建築作品 へと昇華します。本来のイスラーム建築の内向性や皮膜的建築の性向に対して、中央アジアからインドにおける 外観重視の建築 への欲求が、東方イスラーム圏における廟建築の大発展を もたらしました。ティムール朝の『グーリ・アミール廟』や ムガル朝の『フマユーン廟』、そして『タージ・マハル廟』と、幾多の傑作を生みました。これらは二重殻ドームで作られ、モニュメンタリティを いっそう強めています。
ここをクリック すると「イスラームの建築種別」の ディヴィジョンの『王侯の廟』の項が、別のウィンドウに出ます。 ( 2021 /12/ 01 ) ![]()
● 大学を出て企業に就職した若い人たちが、じきに 会社命令で、あるいは 自ら上司に迎合して、素面で嘘をつくようになる姿を見るのは、心が痛むことです。資本主義社会においては、それは避けられないことなのかもしれませんが、それを乗り越えたはずの「社会主義」あるいは「共産主義」の国が 却って、より ひどい「抑圧社会」あるいは「密告社会」になってしまうというのは、もっと やりきれないことです。
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● こういう事件が起きて、新聞やテレビで連日大きく報道されることによって、「設計事務所」のイメージが 世の中に定着していくのです。 建物施設の設計は「建築家」に依頼するものだという認識には なりません。「建築家」という言葉は 一言も出てきません。 設計をするのは「設計会社」であり「設計業者」であると。 そして「営利業者」である「設計会社」は 不正や悪事にも加担するものだと。 いったいこの国では、いつまで「建築家」という倫理的な プロフェッション の確立に反することばかりを しているのでしょうか。 いつまでも、設計事務所が 株式会社に なっているのは おかしい と 認めないのでしょうか。・・・ 詳しくは、本 HP の、『 あいまいな日本の建築家 』を お読みください。 ( 2021 /10/ 10 )
● 2018年に 丸善出版から、翌年の 2019年秋に出版する予定の『 東欧文化事典 』(編集代表:羽場久美子・青山学院大学教授)という本に、標記の原稿を依頼されました。翌年春に原稿を送りましたが(マフィアによる妨害も あったりして)、編集は遅れに遅れ、編集担当者も交替し、本の題名も『 中欧・東欧文化事典 』と変更になり、2021年9月になって、やっと本ができたようです。しかし執筆者は大勢なので、出版社としては 一人一人に本を支給することは できないと言います。「抜き刷り」さえも 送ってきません。雀の涙ほどの原稿料よりも はるかに高い値段の本を買う気はないので、私は まだ本の現物を見ていません。私の原稿の内容は、この HP上の『 東欧のイスラーム建築 』のダイジェスト版といった趣の 短文ですが、『世界のイスラーム建築』のサイトの「イスラーム建築の名作」のディヴィジョンに載せておきます。 ここをクリック すると『イスラーム建築の名作』のディヴィジョンの中の、「ブルガリアのイスラーム建築 」のページが 別のウィンドウに開きます。 ( 2021 /10/ 01 ) ![]() ● 今から8年前(2010年)に、新しい 椅子 を買いました。自宅と事務所をひとつに まとめた後なので、できるだけ多用途で安楽な椅子をさがし、結局 オカムラ(昔は岡村製作所といった)の、黒革の エルシオ ERCIO にしました。最後の椅子と思ったので 金を惜しまず (?)、20数万円だったと思います。重いことと、座に シワ ができてしまうこと以外は、まあ満足していましたが、今年になって重大な故障がおきました。それは、背もたれ が、前に倒れてしまうのです。「不良品」をつかまされた結果だったのですが、オカムラは その責任をとろうとしません。 ここをクリック すると「無責任企業・オカムラ」のページにとびます。 ( 2018 /12/ 14 )
●● とうとうオカムラの椅子「エルシオ」を処分し、新しい椅子を購入しましたので、そのことを付け加えました。 ここをクリック してください。 ( 2021 /07/ 19 )
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● 『世界のイスラーム建築』のサイトにおける、「イスラームの建築種別」のディヴィジョンの 第4回は、『 修道場(リバート、ハーンカー) 』の項です。修道場の起源と考えられるのはリバートで、イスラームの大征服時代に、征服地を統治するための 軍営都市(ミスル)が建設され、前線には 信仰の戦士が 異教徒との聖戦(ジハード)を遂行するための砦が築かれました。戦士と軍馬のための こうした砦を 北アフリカでは リバートと呼び、ローマの駐屯都市に倣って、半円形の櫓を並べる 強固な壁で囲った中庭型の建物としました。修道場が より鮮明に宗教施設となるのは、スーフィズムの発展に負っていて、それぞれの教団(タリーカ)が 修道場を設けるようになります。これをアラビア語で ザーウィヤ、ペルシア語で ハーンカー、そしてオスマン朝のトルコでは テッケと呼びました。
ここをクリック すると「イスラームの建築種別」の ディヴィジョンの『修道場』の項が、別のウィンドウに出ます。 ( 2021 /09/ 01 )
● 新型コロナが猖獗(しょうけつ)をきわめ、感染者が 連日1万人を超えるというのに、自民党・公明党政権は 国民の命よりも オリンピックのメダル獲得競争といった 愚行を重視して、世論の反対を押し切ってまで、連日 お祭り騒ぎをしています。いったい 彼らの頭は どうなっているのでしょうか? 腐りきっているのでしょうか?
●● 今月は夏休みなので、新しい記事はありません。そのかわりに映画のDVDの紹介をします。今回は欧米の古い映画3本と、アフリカを舞台にした映画を3本です。映画の制作順に並べます。 ( 2021 /08/ 01 )
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●『 わが谷は緑なりき 』1941年(米)監督:ジョン・フォード (1894-1973),主演:ウォルター・ピジョン、モーリン・オハラ,原作:リチャード・レウェリン
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● 『 秘密と嘘 』1996年(英)監督:マイク・リー (1943- ) 主演:ブレンダ・ブレッシン、マリアンヌ・ジャン=バプティスト,カンヌ国際映画祭で パルム・ドール受賞。
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●『 アメリ 』1998年(仏) 監督・脚本 : ジャン=ピエール・ジュネ (1953- ) 主演:オドレイ・トトゥ, マチュー・カソヴィッツ, セルジュ・メルラン、音楽:ヤン・ティルセン。
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●『 ホテル・ルワンダ 』2004年(英・伊・南ア・米)監督・脚本:テリー・ジョージ (1952- ),主演:ドン・チードル、ソフィー・オコネドーニック・ノルティ
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●『 インビクタス・負けざる者たち 』2009年(英・伊・南ア)監督:クリント・イーストウッド (1930- ),主演:モーガン・フリーマン、マット・デイモン
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●『 女を修理する男 』2015年(ベルギー) 監督・脚本 : チエリー・ミシェル (1952- )
( 2021 /08/ 01 )
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● 『世界のイスラーム建築』のサイトにおける、「イスラームの建築種別」の ディヴィジョンの 第3回は、『 学院(マドラサ、メドレセ ) 』の項です。イスラームの教育機関には初等教育を受けもつ「クッターブ」と、高等教育を担う「マドラサ」があり、マドラサ(学院)はクルアーン諸学やハディース学の学習と研究を主としながら 種々の学問をする、ヨーロッパで発達する 大学に相当するものでした。
ここをクリック すると「イスラームの建築種別」の ディヴィジョンの『学院』の項が、別のウィンドウに出ます。 ( 2021 /07/ 01 )
![]() ● この HP の『 原術へ 』のサイトに収録した3つの論文のうち、「 文化の翻訳 ー 伊東忠太の失敗」が、韓国語に翻訳されました。 韓国のフリーランスの建築エディター、? 仲 (LEE JOONG YONG) さんが、常々私と同じように、「アーキテクチュア」に「建築」という訳語をあてはめることの不適切さについて悩んでいたので、私のサイトを見つけて「文化の翻訳」を読み、大いに共感したそうです。 そこで これを韓国語に翻訳して、韓国の建築家や建築学者に読んでもらおうと、決心したのでした。 李さんは日本への留学経験でもあるのか、実に日本語に堪能で、インターネット翻訳機も利用しながら、私の論文を1フレーズづつ、丹念に翻訳して、両者を併記したのです。 実に素晴らしい。 多少 日本語に通じた 韓国の建築関係者には、非常に便利なことと思います。 韓国の学生さんたちは、韓国語の部分だけを通読して、「アーキテクチュア」という言葉の 正しい意味を知ってくれることでしょう。 もちろん、建築に関する 韓国と日本の 制度の違い がありますから、100パーセントは理解できないかもしれませんが。 ここをクリック すると 韓国語訳のページ に とびますので、興味のある方は ご覧ください。 ( 2021 /06/ 10 )
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● 私家版『イスラーム建築』は、今でも たまに、頒布用の在庫はないかと 問い合わせをもらいますが、もうありません。しかし その内容の半分くらいは、『世界のイスラーム建築』のサイトの どこかで読めます。それでも 第4章の「イスラームの建築種別と その集合体」は、HPに載せたことがありません。まとまって見られるようにすれば、本をお持ちでない方には 便利だと思いますので、『世界のイスラーム建築』のサイトに そのディヴィジョンを作って、本の項目順に載せていくことにしました。最初は「住居(ダール、バイト)」の項です。
ここをクリック すると「イスラームの建築種別」の ディヴィジョンの『住居』の項に とびますので、興味のある方は ご覧ください。 ( 2021 /05/ 03 )
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● 『アルメニアの建築』のサイトから、前回のハグパト修道院に続いて、 ゲガルド修道院 も「世界建築ギャラリー」のディヴィジョンに単独で扱うことにしました。 ハグパト修道院 と並んで、アルメニアで最も重要な修道院建築で、ユネスコ世界遺産に登録されています。「アルメニア中部の建築」の章では12点の写真を掲載していましたが、大幅に増大させて33点にします。 ここをクリック すると「世界建築ギャラリー」のディヴィジョンの『ゲガルド修道院』のページが 別のウィンドウに開きます。 ( 2021 /03/ 01 )
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今年も 大晦日の夜から バッハの『マタイ受難曲』を聴きながら
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●『 尼僧物語 』1958年(米) 監督 : フレッド・ジンネマン (1907-97) 主演:オードリー・ヘプバーン、ピーター・フィンチ,原作:キャスリン・ヒュウム。
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●『 シベールの日曜日 』1962年(仏) 監督・脚本 : セルジュ・ブールギニョン (1928- ) 主演:ハーディー・クリューガー、パトリシア・ゴッジ,原作:ベルナール・エシャスリオー(『ビル・ダヴレーの日曜日』)。
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●『ローズマリーの赤ちゃん』1968年(米) 監督・脚本:ロマン・ポランスキー (1933- ) 主演:ミア・ファーロウ、ジョン・カサヴェテス,原作:アイラ・レヴィン。
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●『(ハル)』1995年(日) 監督・脚本 : 森田芳光 (1953-2011) 主演:深津絵里、内野聖陽、戸田菜穂,音楽:野力奏一。
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●『 海の沈黙 』2004年(仏) 監督・脚本 : ピエール・ブートロン (1947- ) 主演:ジュリー・ドラルム, トマ・ジュアネ, ミシェル・ガラブリュ。
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●『 フーガの技法 』Die Kunst der Fuge, BWV 1080,2007年11月 録音・録画(独) ( 2021 /01/ 01 )
● 私への 名誉棄損 に対する 慰謝料請求の訴訟を、1月27日に 東京簡易裁判所 に起こしました。相手(被告)は 東京都知事 と 東京都水道局長 、水道局北営業所長、北営業所員の4人です。近年は、裁判員裁判で裁判員の立場を経験された方々もいますが、大多数の市民は 裁判員どころか、民事裁判の原告にも 被告にも なったことが ないと思います。今回私は、弁護士に依頼せずに 自分で戦うことにしました(本人訴訟)。 民事訴訟 というのは 結局 金額で争うことになってしまいますが、訴額が140万円以下だと 簡易裁判所、140万円以上だと 地方裁判所に提訴することになりますので、今回は 簡易裁判所 です。 この裁判の過程を 逐一ここに公開することによって、民事裁判とはどういうものか、皆さんの参考に供したいと思います。 本人訴訟 のやり方について 丁寧に書かれた本も いくつか出版されていますので、どれか一冊と 首っ引きで進めれば、素人にも 自分で 訴訟は可能です。 ( 2020 /02/ 01 ) ● 第1回 口頭弁論の期日が、9月9日 11:30 に決定しました。 (2020 /07/ 13) ● ところが、突然ひっくり返されて、被告ー4武田 の名前がないという理由で、訴状棄却とされてしまいました。 ( 2020 /07/ 18 )
● 訴状全体が棄却されて、裁判は行われないものとばかり思い込んでいましたが、9月4日になって、川上法律事務所から「答弁書」が送られてきて、裁判所からは 東京都の「補助参加申出書」というものの副本が送られてきて、驚いてしまいました。改めて 裁判所の「訴状却下命令」を読んでみると、「被告-4武田」についてのみ、その名前がないことから 訴状を却下するということで、他の被告3人については、口頭弁論を行う ということのようです。
● 第1回口頭弁論で提出した「準備書面-2」、「準備書面ー3」、被告から提出された
● 「準備書面ー2、ー3、ー4」に対して 被告側から何の反論もなく、それでも争うと言います。 ● 判決言い渡しは、11月 30日です。 ( 2020 /11/ 22 )
● 12月2日に 裁判所から判決文が送られてきました。敗訴です。
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● 『中東の建築』の第3章は「エジプトの建築(イスラーム期)」です。今回このサイトで扱うのは 古代エジプトではなく、中世以後のエジプト文明、つまりイスラームの建築だけです。コプトのキリスト教建築も 全て省略します。エジプトの全時代の文明、全宗教の建築を扱うと あまりに膨大な容量になってしまって、『世界のイスラーム建築』の このディヴィジョンには収まりきらなくなってしまうし、また その趣旨のサイトでもないからです。 ここをクリック すると「中東の建築」のディヴィジョンの第3章『エジプトの建築(イスラーム期)』の章が、別のウィンドウに出ますので ご覧ください。 ( 2020 /12/ 01 )
● 「愛書家」にとって避けては通れない峠の一つは「武井武雄」峠です。1935年から 1983年に亡くなるまでの 50年近くの間に 彼が作った 139巻もの「刊本作品」を、愛書家だったら 無視できません。もともと私は古書の「コレクター」であったわけではなく、建築の古書を 研究上の必要にかられて 海外の古書店から 購入しているうちに、次第に建築書以外の古書や挿絵本にも手を出す「愛書家」になってしまったのですが、「書物芸術」を 後半生探求し続けて 実験的な小型本を作り続けた武井武雄の本も、何冊か架蔵しないわけにはいきません。そこで彼の「刊本作品」の中から 特に興味深く 私好みの本を2冊選んで、以前に入手しました。ここをクリック すると「古書の愉しみ 」の第53回、『 迅四郎の窓」と「小萩抄 』のページに とびますので、興味のある方はご覧ください。 ( 2020 /11/ 01 )
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● 『中東の建築』の第3章として「トルコの建築」を作成していると 前に書きましたが、このたび やっと完成しました。ところが、古代やビザンティンの建築をすべて省略して、イスラーム建築だけに限定したにもかかわらず、容量が イランには及ばないものの、ウズベキスタンや ブルガリよりも ずっと大きくなってしまいました。こうなると「中東の建築」のディヴィジョンに入れておくわけにはいかず、イランと同様に 独立したサイト『トルコのイスラーム建築』としないわけにはいきません。これで「世界のイスラーム建築」のサイトは、中東地域が 充実しすぎてしまいましたが、せめてエジプトだけは「中東の建築」のディヴィジョンに入れて、シリア、ヨルダンに続く第3章にしようと思っています。 ここをクリック すると、『トルコのイスラーム建築』のサイトが 別のウィンドウに出ますので、ご覧ください。 ( 2020 /09/ 01 )
![]() 暑中お見舞い申し上げます( ヒマラヤの山羊さんより )
● 今月は夏休みなので、新しい記事はありません。そのかわりに映画のDVDの紹介をします。今回は「私の好きな映画」と題して、何度も見た、娯楽性もある 古い映画を6本です。いずれもヒット作ですから、見た方も多いことでしょう。映画の制作年度順に 並べておきます。 ( 2020 /08/ 01 ) ![]()
●『 ファニーとアレクサンデル』1982年(スウェーデン) 監督・脚本 : イングマール・ベルイマン (1918-2007) 主演:グン・ヴォールグレーン, エヴァ・フレーリング。
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●『 細雪 』1983年(日) 原作 : 谷崎潤一郎 (1886-1965) 監督・脚本 : 市川崑 (1915-2008) 主演:佐久間良子, 岸恵子, 吉永小百合, 伊丹十三, 石坂浩二。
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●『 恋の秋 』1998年(仏) 監督・脚本 : エリック・ロメール (1920-2010) 主演:マリー・リヴィエール, ベアトリス・ロマン, アラン・リボル。
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●『 グッバイ・レーニン! 』2003年(独) 監督 : ヴォルフガング・ベッカー (1954- ) 主演:ダニエル・ブリュール,
カトリーン・ザース, 音楽:ヤン・ティルセン。
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●『 オーケストラ!』2009年(仏) 監督・脚本 : ラデュ・ミヘイレアニュ (1958- ) 主演:アレクセイ・グシュコヴ, ドミトリー・ナザロフ, メラニー・ロラン。
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●『 リスボンに誘われて 』2012年(独・スイス・ポルトガル) 原作 : パスカル・メルシエ 『リスボンへの夜行列車』(浅井晶子訳, 2012, 早川書房) 監督 : ビレ・アウグスト (1948- ) 主演:ジェレミー・アイアンズ, メラニー・ロラン。
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● この春は新型コロナウィルスの蔓延下、国家から緊急事態宣言が出て、なるべく外出するな、ステイホームせよ という要請のもと、家に居ることが多く、本を読んだり DVDで映画を見たりした方が 多かったことでしょう。私も、ずっと前から読もうと、あるいは読み返そうと思って だいぶ前に買っておきながら 読む暇がなく、本棚に積んでおくままになっていた長編小説などを読みました。その一つが、『三万両五十三次』という、野村胡堂が書いた 古い長編小説です。今を去る数十年の昔の 子供時代に読んだ小説で、いつか読み直してみたいものだと 長いこと 思っていた本です。で、「古書の楽しみ」のサイトに 初めて「大衆文学小説」を採り上げることにしました。 ここをクリック すると「古書の愉しみ」の第 51回「三万両五十三次」のページが 別のウィンドウに出ますので、興味のある方は ご覧ください。 ( 2020 /06/ 01 )
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● イスラム世界では、王侯や貴族が 民衆のための宗教・福祉施設を多く建設しましたが、とりわけトルコの オスマン朝 は大規模な 公共施設複合体 を各地に寄進し、これを キュリエ と呼びました。なかでもエディルネの郊外に建つ 15世紀の「バヤジト2世のキュリエ」では、モスク、施療院と癲狂院、医学校、そしてイマーレト(救貧食堂)が 完全な幾何学的秩序のもとに 見事な石造建築のアンサンブルを形成しています。設計したのは、シナンの師匠だったとも伝えられる宮廷建築家の ハイレッティン・アーです。あわせて、今はない エディルネの宮殿 の遺跡を 図面とともに紹介します。 ここをクリック すると「イスラーム建築の名作」のディヴィジョンの、『バヤジト2世のキュリエと宮殿』のページが 別のウィンドウに開きます。 ( 2020 /05/ 01 )
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今年も 大晦日の夜から バッハの『マタイ受難曲』を聴きながら
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●『 野いちご 』(スウェーデン・仏・西独)1957,監督・脚本:イングマール・ベルイマン、主演:ヴィクトル・シェーストレム、イングリッド・チューリン,モノクロ・スタンダード作品。
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●『 去年マリエンバートで 』(仏・伊)1960,監督・脚本:アラン・レネ,主演:デルフィーネ・セイリグ、ジョルジョ・アルベルタッツィ,原作:アラン・ロブ・グリエ、音楽:フランシス・セイリグ,衣装:ココ・シャネル,モノクロ・ワイド作品。
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●『 5時から7時までのクレオ 』(仏・伊)1962,監督・脚本:アニェス・ヴァルダ,主演:コリーヌ・マルシャン、モノクロ・ワイド作品。
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●『 切腹 』(日)1962,松竹,監督:小林正樹,脚本:橋本忍,主演:仲代達矢、三国連太郎,音楽:武満徹,原作:滝口康彦『異聞浪人記』、モノクロ・ワイド作品。
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●『 無常 』(日)1970,監督:
実相寺昭雄、脚本:石堂淑朗,主演:田村亮、司美智子、岡田英次,音楽:冬木透、制作:ATG,モノクロ・スタンダード作品。
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●『 青幻記 』(日)1973,監督・脚本・撮影:成島東一郎,主演:賀来敦子、田村高広,音楽:武満徹,原作:一色次郎、これのみがカラー・ワイド作品。 ( 2020 /01/ 01 )
● 8年前に始めた「古書の愉しみ」のシリーズは、ついに 50回を迎えました。この数回は 中ぐらいの古さ (?) の古書が多かったので、50回記念の今回は 古書中の古書ともいうべき、今から 180年前の古書を採りあげます。チャールズ・フェローズ著、1839年の『 小アジア紀行 』と、1841年の続編『 リュキア紀行 』です。出版社は、この「古書の愉しみ」で紹介してきた ジェイムズ・ファーガスンや A・B・ハヴェルの ほとんどの著書、そして岡倉覚三(天心)の本も出した 英国の老舗、ジョン・マリー社です。
● 今回の「古書の愉しみ」は、ジョージアの ルスダン・メピサシュヴィリとヴァフタン・ツィンツァゼという建築家と建築史家の夫妻がドイツ語で書き、写真家のロルフ・シュラーデが撮影した『ジョージアの美術と建築』の英語版です。 三段組の詳しい本文、大型のカラーおよびモノクロ写真、それに大量の図面と、ぎっしりと内容のつまった、ジョージア美術 の理想的な一巻本の概説書と言えます。 英訳版 "THE ARTS OF ANCIENT GEORGIA" は2年後の 1979年に、ロンドンの老舗出版社 テムズ・アンド・ハドスンから 同じ体裁で出版されました。 今からちょうど40年前の古書です。 ここをクリック すると「古書の愉しみ」の第 49回「ジョージアの美術と建築」の英語版のページが 別のウィンドウに出ますので、興味のある方は ご覧ください。 ( 2019 /11/ 01 )
● 昨年、インドからユネスコ世界遺産に新しく登録されたのは、「 ムンバイのヴィクトリアン・ゴチックと アールデコ の建築遺産」というものでした。多くのインド・ファンにとっても、これは意外だったかもしれません。『インド建築案内』のボンベイ(ムンバイ)の項には2ページ半にわたって ゴチック・リバイバル様式のコロニアル建築が紹介してあるので、インドのゴチックを知らないわけではないでしょうが、その内すでに ヴィクトリア・ターミナス(チャトラパティ・シヴァージー)駅舎はユネスコ世界遺産に登録されていて、この HP でも扱っているので、まさか、さらにムンバイのゴチック様式の建物群全体が アール・デコ の建物群と一括して登録されるとは! 一体 インドに アールデコの建物などあるのか? と 疑ったかもしれません、『インド建築案内』にさえ 載っていないではないか と。
![]() ●● 今から8年前の 2011年3月1日に、この「お知らせ」欄に、次のように書きました。
その後、世の中では、人名の Ferguson や Fergusson の読みは 次第に 原音に忠実に「ファーガスン」という日本語表記が標準になってきました。そこで、このウェブサイトでも「ファーガスン」表記に切り替えることにしました。既存のページも、すべて「ジェイムズ・ファーガスン」に書き換えます。 また それに合わせて、画家 ウィリアム・シンプソンは ウィリアム・シンプスン、建築家 ウィリアム・エマーソンも ウィリアム・エマースンに書き換えます。 ( 2019 /09/ 01 )
● 今月は夏休みなので、新しい記事はありません。そのかわりに映画のDVDの紹介をします。先々月 アルヒーフ・レコードと音楽について書いたのにあわせて、音楽と関連の深い欧米の映画を3本と、アジアを舞台にした映画を3本です。 (2019 /08/ 01) ![]()
■『 めぐり逢う朝 』(仏)1991,監督:アラン・コルノー,主演:ジャン・ピエール・マリエル、ジェラール・ドパルデュー,原作:パスカル・キニャール, 音楽:ジョルディ・サヴァール
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■『 25年目の弦楽四重奏 』(米)2012,監督・脚本:ヤーロン・ジルバーマン, 主演:クリストファー・ウォーケン、フィリップ・シーモア・ホフマン, 音楽:アンジェロ・パダラメンティ
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■『 トリコロール/青の愛 』(仏・ポーランド・スイス)1993,監督・脚本:クシシュトフ・キェシロフスキ,主演:ジュリエット・ビノシュ, 音楽:ズビグニェフ・プレイスネル
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■『 ふたり 』Dvoe(ソ連)1965,監督・脚本:ミハイル・ボーギン,主演:ヴィクトリア・フョードロワ、ヴァレンチン・スミルニッキー,35mm、モノクロ
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■『 青いパパイヤの香り 』(仏・ベトナム)1993,監督・脚本:トラン・アン・ユン,主演:トラン・ヌー・イェン・ケー。カンヌ国際映画祭など、多くの受賞作。
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■『 小さな中国のお針子』(仏・中)2002、監督・脚本:戴思杰(ダイ・シージエ),主演:周迅(ジョウ・シュン),
陳坤(チェン・コン), 劉Y(リウ・イエ) ![]() 因みに、中国の著名なヴァイオリニストを紹介しておきます。1941年生まれの 盛 中国(チェン・チョンクォ)で、国家と同じ個人名があるとは意外でしょう。「中国のユーディ・メニューイン」と謳われましたが、1964年にモスクワ留学から帰国したあと、彼もまた 文革で「反革命分子の知識人」として 農村に下放され、何年も 農作業の強制労働をさせられました。解放されて 後、日本のピアニスト・瀬田裕子さんと結婚して おしどり夫婦となって活動し、昨年77歳で死去しました。彼の CD『梁祝/牧歌(盛中国/大地の旋律)』は、私の愛聴盤です。 ![]()
■『 望郷(サンダカン八番娼館)』(日)2002、監督:熊井啓,主演:田中絹代、栗原小巻、高橋洋子。
● 「古書の愉しみ」の第48回は、『モロッコの建築装飾』を採りあげます。今から 35年前の出版なので、それほどの古書ではありません。しか 有用な書であるにもかかわらず 入手困難になっているので、採りあげることにしました。イスラーム建築の仕上げや装飾、その技法について知りたい人には 必須の本だからです。A4判より少し大きいサイズのハードカバー2冊合わせて 1,100ページ、重さは 6.4キロにもなります。イスラーム工芸に 強い興味のある方には、古書店で入手することを お勧めします。 ここをクリック すると「古書の愉しみ」の 第48回、『 モロッコの建築装飾 』が 別のウィンドウに出ますので、興味のある方はご覧ください。 ( 2019 /07/ 01 )
● このHP上の「古書の愉しみ」のサイトでは、古い本(またはシリーズ)を一点採りあげて、その内容と造本を紹介してきましたが、たまには、本と並んで 私の愛してきた 音楽レコードと そのジャケットを採りあげようと思い、私の最も思い入れの深い、アルヒーフ・レコードを紹介することにしました。大学生の時に 私が生まれて初めて買ったレコードは、バッハの『 管弦楽組曲 』、それもカール・リヒター指揮のアルヒーフ盤で、『堀辰雄全集』の装幀と同じように 私の心を捉えた、抑制のきいた美しい装幀のカートンボックスに入った2枚組です。それを毎日聴きながら レコードについて調べるうちに、アルヒーフというのは 音楽史レコードだと知り、とりわけリヒターのバッハ演奏に のめり込んでいきました。以来 100枚ぐらい買ったアルヒーフ・レコードでしたが、CD時代になって 全て処分してしまいました。私の愛聴盤だった ほとんどは CD化されたものを買い直しましたが、 CD化されなかったものも何枚か あります。 ここをクリック すると「古書の愉しみ 47.」の、『 ヨハン・セバスチャン・バッハの「管弦楽組曲」』が 別のウィンドウに出ますので、興味のある方はご覧ください。 ( 2019 /06/ 01 )
● 4月15日に パリのノトル・ダーム大聖堂で火事がおこり、屋根が炎に包まれました。それについて4月18日に ここに書いた「パリのノトル・ダーム大聖堂の火災」についての記事は 「世界建築ギャラリー」のサイトに、『パリのノトル・ダーム大聖堂』として移しました。 ここをクリック すると、別のウィンドウに開きます。 ( 2019 /06/ 17 )
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最近見て面白かった映画の DVDを紹介することにしました。今から9年前の 2010年に制作された日本映画で、『最後の忠臣蔵』というものです。当時話題になって、大きな興行成績をあげたと言いますから、見た方も多いことでしょう。しかし 私は 20年くらい前から映画館に行かなくなって以来、新作映画をチェックすることには無関心になり、情報も はいってこないことから、この映画については まったく知りませんでした。最近になって 図書館の DVDリストに見つけ、今さら『忠臣蔵』でもないな とも思いましたが、「最後の」というのが気になって 借りてみました。 ![]() とりわけ 私の心に染み入ったのは、原作には出てこない「人形浄瑠璃」(文楽)をとりこんで、要所々々に 太棹三味線と義太夫の語り、そして人形の姿が映されるのが 実に効果的で、かつて 文楽ファン だった私を、たいへん懐かしい思いに させたことでした。その狂言が 時代物ではなく、近松の世話物『曽根崎心中』であったことに 初め不調和感を覚えましたが、映画が進むにつれて、忠臣蔵の仇討物語自体は時代物であるにせよ、この「最後の忠臣蔵」の話は 世話物なのだと気付いて 納得しました。こうして すっかり文楽の世界に引き戻された私は、贔屓(ひいき)だった 竹本 越路太夫(たけもと こしじだゆう) を、あとでアマゾンで検索してみたところ、今は 舞台と語りを一緒に収めたDVDのシリーズが、国立劇場、国立文楽劇場、昔の朝日座(文楽座)、そしてNHKの協働で出されていることを知り、まずは2枚組みの『冥途の飛脚(めいどのひきゃく)』を購入して、昔の録画なので画質は悪いけれど、すっかり文楽情緒にひたりました。DVDの良いところは、義太夫の床本(ゆかほん)の詞章が 字幕となって出ることで、実に好都合です。
ところで 近年、忠臣蔵の映画やドラマが あまり作られなくなったのは、おそらく 2001年の ニューヨーク同時多発テロ の影響ではないかと思います。あれは、言わば「アラブの 忠臣蔵」だったのです。 その首謀者とされ、アメリカから 5,000万ドルの賞金を懸けられ、2011年に殺害されたイスラームの闘士、オサマ・ビン・ラディンの 全公開書簡と声明、インタビューがまとめられて『オサマ・ビン・ラディン 発言』(ブルース・ローレンス編, 鈴木主税・中島由華訳, 2006, 河出書房新社)という本になっていますが、その主張は、かつて欧米からの独立運動を戦った 植民地の闘士のそれと よく似ています。欧米列強が 中東でなした、十字軍以来 20世紀まで続いた「悪事」や「帝国主義的的支配と謀略」、それは現代にまで尾をひいていて、いつまでたっても中東和平や安定は 得られません。ニューヨークの ワールド・トレード・センター・ビル 襲撃は その仇討ち、アラブ版「吉良邸 討ち入り」であったでしょう。
● 『中東の建築』の第3章「イランの建築」の作成は、なお だいぶ時間がかかります。そして今回もその前に、「イスラーム建築の名作」のディヴィジョンに単独で扱うべき建物として、「イスファハーンの 金曜モスク」を採りあげることにしました。「モスクの分類と典型」のページで、近世のモスクを「アラブ型」、「ペルシア型」、「トルコ型」、「インド型」の四つに分類しましたが、そのペルシア型の成立に大きく寄与したのが、このイスファハーンの金曜モスクです。イラン(ペルシア)に特有の「四イーワーン型」の構成と、そしてムカルナス装飾の誕生・展開を告げる 重要なモスクです。 ここをクリック すると「イスラーム建築の名作」のディヴィジョンの『イスファハーンの 金曜モスク』のページが 別のウィンドウに開きます。十分な執筆時間がとれないので、文中『イスラーム建築』 からの引用が あちこちにあることを お許しいただきたい。 ( 2019 /03/ 01 )
● 『中東の建築』の第3章「イランの建築」を現在作成中ですが、かなり大きいページになるので、だいぶ時間がかかります。そこに収録する建物をリストアップしていたら、ゴルガーンのゴンバデ・カーブース(カーブース廟)は「イスラーム建築の名作」のディヴィジョンに単独で扱うべきだと思い至りました。イランでは塔状の墓廟が発展し、その最初期にして最大のものが「カーブース廟」です。そして、単に塔墓の代表としてばかりでなく、イラン建築の最高傑作の一つであり、現代の建築家に最もアピールする建築作品ではないかと思います。つまり、装飾が少なく、焼成レンガという素材のみで構成した 幾何学的な純粋造形であり、そのスケール感ともども、圧倒的な魅力と迫力をもって聳えています。 ここをクリック すると「イスラーム建築の名作」のディヴィジョンの『ゴンバデ・カ−ブース』のページが 別のウィンドウに開きます。 ( 2019/ 02 /01 ) ![]()
●● 連日のニュースで、小さな娘が親に虐待されて死亡し、親が逮捕されたことが報じられています。こういうニュースを聞くのは本当に つらいことで、今から 20年前の映画『愛を乞うひと』を思い出します。当時 映画館で見て、10年前には DVDを買いました。その後も1、2度見ています。監督は平山秀幸、原作は下田治美の 同名の自伝的小説で、娘を虐待する母の姿と、その娘が大人になって 明るい娘の母となった姿の二役を 原田美枝子が演じています。見るのが 実につらい映画ですが、深く心に残る作品です。 ( 2019 /02/ 07 )
大晦日の夜から バッハの『マタイ受難曲』を聴きながら、新年を迎えました。
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■『運動靴と赤い金魚』(イラン)1997,監督:マジッド・マジディ,主演:M・ハシェミアン。
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■『オフサイド・ガールズ』(イラン)2006,監督・制作・編集:ジャファル・パナーヒ。
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■『 別離 』(イラン)2011、監督・制作・脚本:アスガー・ファルハディ,主演:ペイマン・モアディ、レイラ・ハタミ。
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■『黄色い星の子供たち』(仏・独・ハンガリー)2010,監督・脚本:ローズ・ボッシュ。 ![]() ![]()
ユダヤ教のシンボルとされる燭台(メノーラ)と 星型図
アルメニア中部、ガヴァル の聖母聖堂(ハツァラト)の裏手の壁面と岩に 星型が刻まれているのには驚きました。いつの時代かは わかりませんが、このあたりにユダヤ人のコミュニティがあり、アルメニア教会と共存していたようです。
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■『悲しみは星影とともに』(イタリア)1965,監督:ネロ・リージ、音楽:イヴァン・ヴァンドール、
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■『最後の橋』(オーストリア・ユーゴスラヴィア)1954,監督・脚本:ヘルムート・コイトナー,主演:マリア・シェル ( 2019 /01/ 01 )
● 「シリアの建築」と「ヨルダンの建築」は、一国の建築遺産を歴史順に展観する形でページをつくり、どちらの国もイスラーム建築の遺産が主となるにしても、古代から種々の宗教が興亡したので、『世界のイスラーム建築』のサイトではなく、『神谷武夫とインドの建築』のサイトの中の「世界建築ギャラリー」のディヴィジョンにいれてきました。しかし『世界のイスラーム建築』のサイトが その題名に比して、 収録範囲が やや手薄に感じられてきましたので、中東諸国のイスラーム建築を もっと詳しく紹介するために、「中東の建築」というディヴィジョンを作ることとし、その中に 新装版の「シリアの建築」と「ヨルダンの建築」を移して、第1章、第2章とすることにしました。「ヨルダンの建築」は、ヨルダン川西岸地域(パレスチナ国)とイェルサレム全体を含めることで、大幅に増補しました(アメリカのトランプ大統領がイェルサレムをイスラエルの首都だと宣言したことへの 抗議 の意味も込められています)。
● 他の建築文化には あまり見られない、イスラーム独自の建築装飾は カリグラフィ(書道)です。 文字をもつ言語であれば、必ず 美しい文字の書法が発達するでしょうが、それを建築の装飾に用いるということは あまりしません。イスラームでは形象美術としての絵画よりも『クルアーン』を書き表すための 書道 が発展したので、それを形象彫刻に代わるものとして、幾何学紋や唐草紋とともに 建築の壁面に大々的に用いました。 ここをクリック すると『世界のイスラーム建築』のサイトの中、「イスラーム建築入門」の『建築とカリグラフィ』のページが 別のウィンドウに出ます。「近代建築とカリグラフィ」の項も加えています。 ( 2018 /11/ 01 )
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●今回の「古書の愉しみ」では、私の秘蔵の挿絵本の一冊を紹介します。今から約100年前に出版された詩集の革装本ですが、通常の外装はともかく、内部の全編にわたって これほど美しく装飾された詩集は、他に見たことがありません。それは19世紀フランスの「秋と黄昏(たそがれ)の詩人」と謳われる アルベール・サマン (1858〜1900) の第一詩集、『Au Jardin de l'Infante(王女の庭園にて)』という詩集で、挿絵画家 アドルフ・ジラルドン (1855−1933) が、サマンと ぴったり息の合った挿絵 および装飾全般を制作しました。前々回の「古書の愉しみ」で、「挿絵そのものよりも、その周囲の装飾、そして扉や章頭ページ、さらには各ページごとの装飾、そうしたものに より多く力を注いで成功した 稀有の挿絵画家」と評した、アール・ヌヴォの美術家 ジラルドンによる「書物芸術」です。 これは 前回と前々回のような 大きめの「無綴じ本」ではなく、通常の大きさの「仮綴じ本」の文芸書を、購入者が 革製本した本です。 ここをクリック すると、「古書の愉しみ」の第46回『王女の庭園にて』のページが 別のウィンドウに出ます。 ( 2018 /10/ 01 )
● 釈迦の没後、仏教のサンガ(僧団)は支配層と結び付いて大きく発展し、諸国に寺院や僧院を建設しました。西のガンダーラ地方と東のビハール、ベンガル地方には特に多く、なかでもラージギルから15kmの ナーランダーには 大僧院(マハー・ヴィハーラ)がつくられ、一大仏教センターとなりました。5つの大きな寺院(ストゥーパ)と10の僧院が整然と並び、インドばかりか 諸外国からも留学僧が訪れて、古代の 仏教大学 を形成したのです。三蔵法師のモデルとなった中国僧、玄奘 もここに5年間滞在して勉学にはげみ、戒賢(シーラパドラ)に師事したと言われます。その間に集めたサンスクリット語の経典 657部を はるばる長安に持ち帰って、中国語への翻訳に努めました。彼の『大唐西域記』によれば、数千人の僧がナーランダーの仏教大学に学んでいたと言います。
ここをクリック すると「インドのユネスコ世界遺産」の『ナーランダーの大僧院(仏教大学)』のページが別のウィンドウに出ますので、興味のある方はご覧ください。ユネスコ世界遺産に登録されたのは2年前の2016年です。 ( 2018 /09/ 01 )
● 今月は夏休みなので、新しい記事はありません。 (2018 /08/ 01)
![]() ![]() ● 沖縄県の翁長雄志(おなが たけし)知事が本日(8月8日)、ガンで亡くなりました。沖縄が太平洋戦争で受けた苦しみ、長いことアメリカに支配され続けたこと、返還後も日本における米軍基地の74%(面積)が沖縄に集中し、受難が絶えないこと、等に抗議し、その改善を求めて日本国政府と闘い続けてきた精神に、深い尊敬と哀悼の意を表します。 ( 2018 /08/ 08 )
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● 今回の『 古書の愉しみ 』は、今から半世紀前の 1964年に出版された『 国立国際会館設計競技 応募作品集 』です。わが国の建築設計競技(コンペティション)の歴史において、最も優れた条件整備が行われ、かつ 最も充実した成果を挙げたのは、今から半世紀前に行われた 国立京都国際会館コンペ でした。そしてまた その報告書として出版された 『 国立国際会館 設計競技 応募作品集 』もまた、最も優れた コンペ報告書・応募作品集であったので、これを採りあげます。当時の代表的な建築家たちが審査員を務め、新進気鋭の建築家たちが こぞって応募したコンペの作品集は、優秀な建築家たちが まったく同じ条件から、いかに異なった 独自の、しかもハイレベルの設計をするものか、ということを学ぶことのできる、絶好の教科書であったと言えます。その審査員たちばかりでなく、入選者のほとんどが鬼籍にはいってしまった現在、半世紀前の日本の建築界を振り返る 回顧の書でもあります。 ここをクリック すると「古書の愉しみ」の第45回『 国立国際会館 設計競技 応募作品集 』のページに とびます。 ( 2018 /07/ 01 )
● ジャイプルの英明な藩王、ジャイ・シング2世はサンスクリット語やペルシャ語に通じたばかりか、科学への情熱に燃え、とりわけ天文学と占星術にうちこみました。ペルシャやヨーロッパの書物をも集めて研究し、天文観測をより正確にするために、実験室における 天文観測儀 を建築的スケールに拡大して各地に建造し、学問の精密化をはかりました。近代になると、むしろ驚くべき 建築作品 として評価されるようにもなりました。今回は そのジャイプル、デリー、バナーラスなどの天文観測所(ジャンタル・マンタル)を採りあげます。 ここをクリック すると「インドのユネスコ世界遺産」の『天文観測所(ジャンタル・マンタル)』のページに とびますので、興味のある方はご覧ください。ユネスコ世界遺産に登録されたのは8年前ですが、書くのがだいぶ遅れてしまいました。 ( 2018 /06/ 01 )
● 何をぐずぐず やっているのか。アベ は約束どおり、一刻も早く、 首相も 国会議員 も 辞めるべきです。 アソウ も 同様です。 (2018/ 03 /19) ●● われわれに、国民を欺く首相や 政治家や 官僚は いらない。 (2018 /04/ 11)
● 前回の『古書の愉しみ』で紹介した モーリス・ド・ゲランの『 ケンタウロス、バッカスの巫女 』は、前回のアドルフ・ジラルドンのほかに 何人もの挿絵画家が 挿絵本を制作してきました。その中で 私の最も愛するのが、ジョルジュ・バルビエ によるものです。と言うばかりでなく、これは近代フランスの挿絵本における最高傑作だと 私が考えるものです。今回はこれを採りあげますが、そのタイトルは 単に『 Poèmes en Prose(散文詩)』となっていて、それでは さまざまな詩人の散文詩を集成したもののようにもとれますので、ここでは『 モーリス・ド・ゲランの 散文詩 』と呼ぶことにします。 ここをクリック すると、「古書の愉しみ」の第44回、『モーリス・ド・ゲランの 散文詩』のページに とびます。 ( 2018 /05/ 01 )
● 今回の「古書の愉しみ」で採りあげる『 ケンタウロス、バッカスの巫女 』という二つの長編散文詩を書いたのは、モーリス・ド・ゲラン(1810-1839) という、フランスの 夭折の詩人です。彼はわずか28歳で肺結核で世を去りました。夭折の詩人と言えば、立原道造(結核で24歳)、石川啄木(結核で26歳)、中原中也(結核性の脳膜炎で30歳)、樋口一葉(結核で24歳)などの名が すぐに思い出されますが、昔は不治の病とされた結核で死ぬ人が多かったのが、詩人たちにも反映しています。たいていの日本人はこれらの詩人の名に親しんでいますが、モーリス・ド・ゲランの名を知る人は あまり多くないでしょう。中高校の教科書に出てこないからですが、フランス人にとっては、日本の石川啄木や立原道造のような存在でしょう。それでも もしかすると、モーリスの姉の ウージェニー・ド・ゲラン (1805-48) の方が、より多く知られているかもしれません。 ここをクリック すると「古書の愉しみ」の『ケンタウロス、バッカスの巫女』のページに とびますので、興味のある方はご覧ください。 ( 2018 /04/ 01 )
● 2017年の7月に新しいユネスコ世界遺産として、インドからは「 歴史都市 アフマダーバード 」が登録されました。インドでは初めての、ひとつの都市の遺産全体が対象となる「ユネスコ遺産都市」(UNESCO Heritage City)としてです。アフマダーバードにはル・コルビュジエ、ルイス・カーン、バルクリシュナ・ドーシらの近代建築もありますが、今回の登録内容は、それ以前の、グジャラートのイスラーム政権時代の首都としての アフマダーバードの歴史遺産です。膨大な内容なので、このサイト「インドのユネスコ世界遺産」の中では 最も長い 16ページにも なってしまいました。 ここをクリック すると「インドのユネスコ世界遺産」の『歴史都市 アフマダーバード』のページに とびます。 ( 2018 /03/ 01 )
● 昨年ユネスコに登録された インドの世界遺産「歴史都市アフマダーバード」を現在書きつつあり、本当は昨日、2月1日にアップロードするつもりでいました。ところが、インドで初の「ユネスコ遺産都市」(UNESCO Heritage City)なので、その遺産内容は膨大であり、これを料理するのは大変です。またしても 大きなページに なってしまい、これを仕上げるには、まだ だいぶ時間がかかりそうです。
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この『サラの鍵』に 感動しました。深く感動しました。映画館に行っていた頃は洋画ばかり見ていて、邦画はめったに見ませんでしたが、公立図書館は 洋画と邦画のDVDを半数ずつにしているようなので、たくさんの邦画を見るようになりました。しかし、この『サラの鍵』(2010年、ジル・パケ=ブランネール監督)のような、内容的にも形式(映画芸術としての)の上からも、優れた邦画というのは、まず ないのではないかと思います。いったい何故なのか? なぜ日本では、バカバカしい内容を チープな映像にしてばかり いるのでしょうか?
そもそも「古書の愉しみ」というページは、2日か3日で書ける 簡単な記事のシリーズにしようと思って始めたのですが、どうしても 生まれつきの 凝り性 なので ついつい深みにはまり、あれも入れよう、これも書こうと、内容がふくれてしまい、図版 もたくさん挿入するようになってしまったので、結構、なかなかの 負担 になってしまいました。古書のシリーズといっても、本の中身ばかりでなく、 形式(造本)をも扱うという「新機軸」で、42回も続けたのですから、もう飽き飽きした人もいることでしょうし、こんなことに これほどのエネルギーを使うことに呆れた人もいるでしょうが、中には、さすがは「愛書家」だと 感心してくれた人も いるかもしれません。 ( 2018 /01/ 01 )
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