● 『アルメニアの建築』のサイトで、ずうっと遅れていた解説を 現在作成中ですが、資料を読み直しながら執筆し、同時に英訳も進めているので、かなり時間がかかります。その中で、最も重要な ハグパト修道院 は、 単独で「世界建築ギャラリー」のディヴィジョンで扱うべきだと思い至りました。アルメニアで一番大きなヴァンク(修道院)であり、建物の数も多く、私は3回訪れて、撮った写真は 130枚のスライドになっています。「アルメニア北部の建築」の章では16点の写真を掲載していましたが、大幅に増大させて33点とし、詳しく紹介します。 ここをクリック すると「世界建築ギャラリー」のディヴィジョンの『ハグパト修道院』のページが 別のウィンドウに開きますので、じっくりとご覧ください。 (2021/ 02 /01)
● 私への 名誉棄損 に対する 慰謝料請求の訴訟を、1月27日に 東京簡易裁判所 に起こしました。相手(被告)は 東京都知事 と 東京都水道局長 、水道局北営業所長、北営業所員の4人です。近年は、裁判員裁判で裁判員の立場を経験された方々もいますが、大多数の市民は 裁判員どころか、民事裁判の原告にも 被告にも なったことが ないと思います。今回私は、弁護士に依頼せずに 自分で戦うことにしました(本人訴訟)。 民事訴訟 というのは 結局 金額で争うことになってしまいますが、訴額が140万円以下だと 簡易裁判所、140万円以上だと 地方裁判所に提訴することになりますので、今回は 簡易裁判所 です。 この裁判の過程を 逐一ここに公開することによって、民事裁判とはどういうものか、皆さんの参考に供したいと思います。 本人訴訟 のやり方について 丁寧に書かれた本も いくつか出版されていますので、どれか一冊と 首っ引きで進めれば、素人にも 自分で 訴訟は可能です。 ここをクリック すると、今回の「名誉棄損に対する慰謝料請求の訴訟」の内容が、別のウィンドウに出ます。 (2020/ 02 /01)
訴状の受付日は 東京簡易裁判所 令和2年1月27日 ● 第1回 口頭弁論の期日が、9月9日 11:30 に決定しました。 (2020/ 07 /13) ● ところが、突然ひっくり返されて、被告ー4武田 の名前がないという理由で、訴状棄却とされてしまいました。 (2020/ 07 /18)
● 訴状全体が棄却されて、裁判は行われないものとばかり思い込んでいましたが、9月4日になって、川上法律事務所から「答弁書」が送られてきて、裁判所からは 東京都の「補助参加申出書」というものの副本が送られてきて、驚いてしまいました。改めて 裁判所の「訴状却下命令」を読んでみると、「被告-4武田」についてのみ、その名前がないことから 訴状を却下するということで、他の被告3人については、口頭弁論を行う ということのようです。 第1回口頭弁論で提出した「準備書面-2」、「準備書面ー3」、被告から提出された「答弁書」、それへの反論としての「準備書面ー4」などを加えました。 ● 第2回口頭弁論の期日は、10月 7日です。 (2020/ 10 /01)
● 「準備書面ー2、ー3、ー4」に対して 被告側から何の反論もなく、それでも争うと言います。 ● 判決言い渡しは、11月 30日です。 (2020/ 11 /22) ● 12月2日に 裁判所から判決文が送られてきました。敗訴です。 (2020/ 12 /06)
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今年も 大晦日の夜から バッハの『マタイ受難曲』を聴きながら
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●『 尼僧物語 』1958年(米) 監督 : フレッド・ジンネマン (1907-97) 主演:オードリー・ヘプバーン、ピーター・フィンチ,原作:キャスリン・ヒュウム。 ![]()
●『 シベールの日曜日 』1962年(仏) 監督・脚本 : セルジュ・ブールギニョン (1928- ) 主演:ハーディー・クリューガー、パトリシア・ゴッジ,原作:ベルナール・エシャスリオー(『ビル・ダヴレーの日曜日』)。 ![]()
●『ローズマリーの赤ちゃん』1968年(米) 監督・脚本:ロマン・ポランスキー (1933- ) 主演:ミア・ファーロウ、ジョン・カサヴェテス,原作:アイラ・レヴィン。 ![]()
●『(ハル)』1995年(日) 監督・脚本 : 森田芳光 (1953-2011) 主演:深津絵里、内野聖陽、戸田菜穂,音楽:野力奏一。 ![]()
●『 海の沈黙 』2004年(仏) 監督・脚本 : ピエール・ブートロン (1947- ) 主演:ジュリー・ドラルム, トマ・ジュアネ, ミシェル・ガラブリュ。 ![]()
●『 フーガの技法 』Die Kunst der Fuge, BWV 1080,2007年11月 録音・録画(独) (2021 /01/ 01)
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● 今から8年前(2010年)に、新しい 椅子 を買いました。自宅と事務所をひとつに まとめた後なので、できるだけ多用途で安楽な椅子をさがし、結局 オカムラ(昔は岡村製作所といった)の、黒革の エルシオ ERCIO にしました。最後の椅子と思ったので 金を惜しまず (?)、20数万円だったと思います。重いことと、座に シワ ができてしまうこと以外は、まあ満足していましたが、今年になって重大な故障がおきました。それは、背もたれ が、前に倒れてしまうのです。「不良品」をつかまされた結果だったのですが、オカムラは その責任をとろうとしません。
● 『中東の建築』の第3章は「エジプトの建築(イスラーム期)」です。今回このサイトで扱うのは 古代エジプトではなく、中世以後のエジプト文明、つまりイスラームの建築だけです。コプトのキリスト教建築も 全て省略します。エジプトの全時代の文明、全宗教の建築を扱うと あまりに膨大な容量になってしまって、『世界のイスラーム建築』の このディヴィジョンには収まりきらなくなってしまうし、また その趣旨のサイトでもないからです。 ここをクリック すると「中東の建築」のディヴィジョンの第3章『エジプトの建築(イスラーム期)』の章が、別のウィンドウに出ますので ご覧ください。 (2020/ 12 /01)
● 「愛書家」にとって避けては通れない峠の一つは「武井武雄」峠です。1935年から 1983年に亡くなるまでの 50年近くの間に 彼が作った 139巻もの「刊本作品」を、愛書家だったら 無視できません。もともと私は古書の「コレクター」であったわけではなく、建築の古書を 研究上の必要にかられて 海外の古書店から 購入しているうちに、次第に建築書以外の古書や挿絵本にも手を出す「愛書家」になってしまったのですが、「書物芸術」を 後半生探求し続けて 実験的な小型本を作り続けた武井武雄の本も、何冊か架蔵しないわけにはいきません。そこで彼の「刊本作品」の中から 特に興味深く 私好みの本を2冊選んで、以前に入手しました。ここをクリック すると「古書の愉しみ 」の第53回、『 迅四郎の窓」と「小萩抄 』のページに とびますので、興味のある方はご覧ください。 (2020/ 11 /01)
● このホームページの英訳は なかなか進みませんが、中東の建築の第2章、『 ヨルダンの建築 』 の英訳が やっとできました。ここをクリック すると「 中東の建築 」の第2章『 ヨルダンの建築 』の英語版ページに とびますので、興味のある方はご覧ください。
● 『中東の建築』の第3章として「トルコの建築」を作成していると 前に書きましたが、このたび やっと完成しました。ところが、古代やビザンティンの建築をすべて省略して、イスラーム建築だけに限定したにもかかわらず、容量が イランには及ばないものの、ウズベキスタンや ブルガリよりも ずっと大きくなってしまいました。こうなると「中東の建築」のディヴィジョンに入れておくわけにはいかず、イランと同様に 独立したサイト『トルコのイスラーム建築』としないわけにはいきません。これで「世界のイスラーム建築」のサイトは、中東地域が 充実しすぎてしまいましたが、せめてエジプトだけは「中東の建築」のディヴィジョンに入れて、シリア、ヨルダンに続く第3章にしようと思っています。 ここをクリック すると、『トルコのイスラーム建築』のサイトが 別のウィンドウに出ますので、ご覧ください。 (2020/ 09 /01)
● 今月は夏休みなので、新しい記事はありません。そのかわりに映画のDVDの紹介をします。今回は「私の好きな映画」と題して、何度も見た、娯楽性もある 古い映画を6本です。いずれもヒット作ですから、見た方も多いことでしょう。映画の制作年度順に 並べておきます。 (2020/ 08 /01) ![]()
●『 ファニーとアレクサンデル』1982年(スウェーデン) 監督・脚本 : イングマール・ベルイマン (1918-2007) 主演:グン・ヴォールグレーン, エヴァ・フレーリング。 ![]()
●『 細雪 』1983年(日) 原作 : 谷崎潤一郎 (1886-1965) 監督・脚本 : 市川崑 (1915-2008) 主演:佐久間良子, 岸恵子, 吉永小百合, 伊丹十三, 石坂浩二。 ![]()
●『 恋の秋 』1998年(仏) 監督・脚本 : エリック・ロメール (1920-2010) 主演:マリー・リヴィエール, ベアトリス・ロマン, アラン・リボル。 ![]()
●『 グッバイ・レーニン! 』2003年(独) 監督 : ヴォルフガング・ベッカー (1954- ) 主演:ダニエル・ブリュール,
カトリーン・ザース, 音楽:ヤン・ティルセン。 ![]()
●『 オーケストラ!』2009年(仏) 監督・脚本 : ラデュ・ミヘイレアニュ (1958- ) 主演:アレクセイ・グシュコヴ, ドミトリー・ナザロフ, メラニー・ロラン。 ![]()
●『 リスボンに誘われて 』2012年(独・スイス・ポルトガル) 原作 : パスカル・メルシエ 『リスボンへの夜行列車』(浅井晶子訳, 2012, 早川書房) 監督 : ビレ・アウグスト (1948- ) 主演:ジェレミー・アイアンズ, メラニー・ロラン。
● 野村胡堂の『三万両五十三次』で「大衆文学」に目覚めた私は、次は吉川英治にアタックして『宮本武蔵』や『新書・太閤記』を読み、さらには村上元三の『佐々木小次郎』などへと進んでいきました。小学生なのに、どうしてそんな 長編小説 ばかりを読んだかというと、漫画を読んでいた時からそうなのですが、最後がハッピーエンドであっても、それを疑ってしまうのですね。その後、ふたりは本当に いつまでも幸せだったのだろうか、不幸に出会わなかったのだろうか、大病になったり、交通事故に会ったり、破産したりしなかったのだろうか、本当のことを知りたい、続きが読みたい、と思うのです。そのために、なかなか終りが来ない、長編ものを好むことになるわけです。日本で一番長い小説は 中里介山の『大菩薩峠』で、2番目は白井喬二の『富士に立つ影』だと言われていました。今回の「古書の愉しみ」は、2冊目の「大衆文学」として、今回読み直した『 富士に立つ影 』を採り上げることにしました。 ここをクリック すると「古書の愉しみ」の第 52回「富士に立つ影」のページが 別のウィンドウに出ますので、興味のある方は ご覧ください。 (2020/ 07 /03)
● この春は新型コロナウィルスの蔓延下、国家から緊急事態宣言が出て、なるべく外出するな、ステイホームせよ という要請のもと、家に居ることが多く、本を読んだり DVDで映画を見たりした方が 多かったことでしょう。私も、ずっと前から読もうと、あるいは読み返そうと思って だいぶ前に買っておきながら 読む暇がなく、本棚に積んでおくままになっていた長編小説などを読みました。その一つが、『三万両五十三次』という、野村胡堂が書いた 古い長編小説です。今を去る数十年の昔の 子供時代に読んだ小説で、いつか読み直してみたいものだと 長いこと 思っていた本です。で、「古書の楽しみ」のサイトに 初めて「大衆文学小説」を採り上げることにしました。 ここをクリック すると「古書の愉しみ」の第 51回「三万両五十三次」のページが 別のウィンドウに出ますので、興味のある方は ご覧ください。 (2020/ 06 /01)
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● イスラム世界では、王侯や貴族が 民衆のための宗教・福祉施設を多く建設しましたが、とりわけトルコの オスマン朝 は大規模な 公共施設複合体 を各地に寄進し、これを キュリエ と呼びました。なかでもエディルネの郊外に建つ 15世紀の「バヤジト2世のキュリエ」では、モスク、施療院と癲狂院、医学校、そしてイマーレト(救貧食堂)が 完全な幾何学的秩序のもとに 見事な石造建築のアンサンブルを形成しています。設計したのは、シナンの師匠だったとも伝えられる宮廷建築家の ハイレッティン・アーです。あわせて、今はない エディルネの宮殿 の遺跡を 図面とともに紹介します。 ここをクリック すると「イスラーム建築の名作」のディヴィジョンの、『バヤジト2世のキュリエと宮殿』のページが 別のウィンドウに開きます。 (2020/ 05 /01)
● 先月『中東の建築』の第4章として「ウズベキスタンの建築」をアップ ロードしましたが、そこにも書いたように、ウズベキスタンは 中東ではなく中央アジアの国です。建築的にはイラン文化圏に属することから、参考的に「中東の建築」の中に 軽く入れるつもりだったのですが、作り始めてみると、シリアやヨルダンの章の 1.5倍もの大きさ(容量)になってしまいました。そうなると、これを「中東の建築」の中に置いておく違和感が、ますます大きくなります。
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「中東の建築」のディヴィジョンには、できれば 今年中に「トルコの建築」と「エジプトの建築」の章を作成するつもりですが、どちらも あまり大きなページに なりすぎないよう、歴史上の建築の全部ではなく(つまり 古代の建築は省いて)、イスラーム建築だけに限定しようかと思っています。 そして、もっと先のことを言うなら、それらが 終わったあとで、『マグリブのイスラーム建築』のディヴィジョンを 作成するつもりです。「マグリブ」とは「北アフリカ」あるいは「アラブ・アフリカ」のことで、地中海に面した チュニジア、アルジェリア、モロッコ、スペイン のイスラーム建築を扱います。
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今年も 大晦日の夜から バッハの『マタイ受難曲』を聴きながら
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●『 野いちご 』(スウェーデン・仏・西独)1957,監督・脚本:イングマール・ベルイマン、主演:ヴィクトル・シェーストレム、イングリッド・チューリン,モノクロ・スタンダード作品。 ![]()
●『 去年マリエンバートで 』(仏・伊)1960,監督・脚本:アラン・レネ,主演:デルフィーネ・セイリグ、ジョルジョ・アルベルタッツィ,原作:アラン・ロブ・グリエ、音楽:フランシス・セイリグ,衣装:ココ・シャネル,モノクロ・ワイド作品。 ![]()
●『 5時から7時までのクレオ 』(仏・伊)1962,監督・脚本:アニェス・ヴァルダ,主演:コリーヌ・マルシャン、モノクロ・ワイド作品。 ![]()
●『 切腹 』(日)1962,松竹,監督:小林正樹,脚本:橋本忍,主演:仲代達矢、三国連太郎,音楽:武満徹,原作:滝口康彦『異聞浪人記』、モノクロ・ワイド作品。 ![]()
●『 無常 』(日)1970,監督:
実相寺昭雄、脚本:石堂淑朗,主演:田村亮、司美智子、岡田英次,音楽:冬木透、制作:ATG,モノクロ・スタンダード作品。 ![]()
●『 青幻記 』(日)1973,監督・脚本・撮影:成島東一郎,主演:賀来敦子、田村高広,音楽:武満徹,原作:一色次郎、これのみがカラー・ワイド作品。 (2020 /01/ 01)
● 8年前に始めた「古書の愉しみ」のシリーズは、ついに 50回を迎えました。この数回は 中ぐらいの古さ (?) の古書が多かったので、50回記念の今回は 古書中の古書ともいうべき、今から 180年前の古書を採りあげます。チャールズ・フェローズ著、1839年の『 小アジア紀行 』と、1841年の続編『 リュキア紀行 』です。出版社は、この「古書の愉しみ」で紹介してきた ジェイムズ・ファーガスンや A・B・ハヴェルの ほとんどの著書、そして岡倉覚三(天心)の本も出した 英国の老舗、ジョン・マリー社です。
● 今回の「古書の愉しみ」は、ジョージアの ルスダン・メピサシュヴィリとヴァフタン・ツィンツァゼという建築家と建築史家の夫妻がドイツ語で書き、写真家のロルフ・シュラーデが撮影した『ジョージアの美術と建築』の英語版です。 三段組の詳しい本文、大型のカラーおよびモノクロ写真、それに大量の図面と、ぎっしりと内容のつまった、ジョージア美術 の理想的な一巻本の概説書と言えます。 英訳版 "THE ARTS OF ANCIENT GEORGIA" は2年後の 1979年に、ロンドンの老舗出版社 テムズ・アンド・ハドスンから 同じ体裁で出版されました。 今からちょうど40年前の古書です。 ここをクリック すると「古書の愉しみ」の第 49回「ジョージアの美術と建築」の英語版のページが 別のウィンドウに出ますので、興味のある方は ご覧ください。 (2019/ 10 /01)
● 私のホームページは『神谷武夫とインドの建築』と『世界のイスラーム建築』、それに『アルメニアの建築』の3本立てとなっていて、それぞのページの英訳を 順次(少しずつ)やっています。今回、遅れ気味の『世界のイスラーム建築』の中の「中東の建築」のディヴィジョンの第1章「シリアの建築」の英訳が終って アップロードしました。まだ第2章の「ヨルダンの建築」と第3章の「イランの建築」があると思うと、まだまだ 道遠しです。それに、第4章の「ウズベキスタンの建築」も今年中に作成するつもりですしね(その英訳は来年になります)。
● 昨年、インドからユネスコ世界遺産に新しく登録されたのは、「 ムンバイのヴィクトリアン・ゴチックと アールデコ の建築遺産」というものでした。多くのインド・ファンにとっても、これは意外だったかもしれません。『インド建築案内』のボンベイ(ムンバイ)の項には2ページ半にわたって ゴチック・リバイバル様式のコロニアル建築が紹介してあるので、インドのゴチックを知らないわけではないでしょうが、その内すでに ヴィクトリア・ターミナス(チャトラパティ・シヴァージー)駅舎はユネスコ世界遺産に登録されていて、この HP でも扱っているので、まさか、さらにムンバイのゴチック様式の建物群全体が アール・デコ の建物群と一括して登録されるとは! 一体 インドに アールデコの建物などあるのか? と 疑ったかもしれません、『インド建築案内』にさえ 載っていないではないか と。
![]() ●● 今から8年前の 2011年3月1日に、この「お知らせ」欄に、次のように書きました。
その後、世の中では、人名の Ferguson や Fergusson の読みは 次第に 原音に忠実に「ファーガスン」という日本語表記が標準になってきました。そこで、このウェブサイトでも「ファーガスン」表記に切り替えることにしました。既存のページも、すべて「ジェイムズ・ファーガスン」に書き換えます。 また それに合わせて、画家 ウィリアム・シンプソンは ウィリアム・シンプスン、建築家 ウィリアム・エマーソンも ウィリアム・エマースンに書き換えます。 (2019/ 09/01)
● 今月は夏休みなので、新しい記事はありません。そのかわりに映画のDVDの紹介をします。先々月 アルヒーフ・レコードと音楽について書いたのにあわせて、音楽と関連の深い欧米の映画を3本と、アジアを舞台にした映画を3本です。 (2019/ 08 /01) ![]()
■『 めぐり逢う朝 』(仏)1991,監督:アラン・コルノー,主演:ジャン・ピエール・マリエル、ジェラール・ドパルデュー,原作:パスカル・キニャール, 音楽:ジョルディ・サヴァール ![]()
■『 25年目の弦楽四重奏 』(米)2012,監督・脚本:ヤーロン・ジルバーマン, 主演:クリストファー・ウォーケン、フィリップ・シーモア・ホフマン, 音楽:アンジェロ・パダラメンティ ![]()
■『 トリコロール/青の愛 』(仏・ポーランド・スイス)1993,監督・脚本:クシシュトフ・キェシロフスキ,主演:ジュリエット・ビノシュ, 音楽:ズビグニェフ・プレイスネル ![]()
■『 ふたり 』Dvoe(ソ連)1965,監督・脚本:ミハイル・ボーギン,主演:ヴィクトリア・フョードロワ、ヴァレンチン・スミルニッキー,35mm、モノクロ ![]()
■『 青いパパイヤの香り 』(仏・ベトナム)1993,監督・脚本:トラン・アン・ユン,主演:トラン・ヌー・イェン・ケー。カンヌ国際映画祭など、多くの受賞作。 ![]()
■『 小さな中国のお針子』(仏・中)2002、監督・脚本:戴思杰(ダイ・シージエ),主演:周迅(ジョウ・シュン),
陳坤(チェン・コン), 劉Y(リウ・イエ) ![]()
因みに、中国の著名なヴァイオリニストを紹介しておきます。1941年生まれの 盛 中国(チェン・チョンクォ)で、国家と同じ個人名があるとは意外でしょう。「中国のユーディ・メニューイン」と謳われましたが、1964年にモスクワ留学から帰国したあと、彼もまた 文革で「反革命分子の知識人」として 農村に下放され、何年も 農作業の強制労働をさせられました。解放されて 後、日本のピアニスト・瀬田裕子さんと結婚して おしどり夫婦となって活動し、昨年77歳で死去しました。彼の CD『梁祝/牧歌(盛中国/大地の旋律)』は、私の愛聴盤です。
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■『 望郷(サンダカン八番娼館)』(日)2002、監督:熊井啓,主演:田中絹代、栗原小巻、高橋洋子。
● 「古書の愉しみ」の第48回は、『モロッコの建築装飾』を採りあげます。今から 35年前の出版なので、それほどの古書ではありません。しか 有用な書であるにもかかわらず 入手困難になっているので、採りあげることにしました。イスラーム建築の仕上げや装飾、その技法について知りたい人には 必須の本だからです。A4判より少し大きいサイズのハードカバー2冊合わせて 1,100ページ、重さは 6.4キロにもなります。イスラーム工芸に 強い興味のある方には、古書店で入手することを お勧めします。 ここをクリック すると「古書の愉しみ」の 第48回、『 モロッコの建築装飾 』が 別のウィンドウに出ますので、興味のある方はご覧ください。 (2019/ 07 /01)
7月10日に辞任した英国のダロック駐米大使は、トランプ米政権について「無能で頼りにならない」と英首相官邸に報告していたそうです。
● このHP上の「古書の愉しみ」のサイトでは、古い本(またはシリーズ)を一点採りあげて、その内容と造本を紹介してきましたが、たまには、本と並んで 私の愛してきた 音楽レコードと そのジャケットを採りあげようと思い、私の最も思い入れの深い、アルヒーフ・レコードを紹介することにしました。大学生の時に 私が生まれて初めて買ったレコードは、バッハの『 管弦楽組曲 』、それもカール・リヒター指揮のアルヒーフ盤で、『堀辰雄全集』の装幀と同じように 私の心を捉えた、抑制のきいた美しい装幀のカートンボックスに入った2枚組です。それを毎日聴きながら レコードについて調べるうちに、アルヒーフというのは 音楽史レコードだと知り、とりわけリヒターのバッハ演奏に のめり込んでいきました。以来 100枚ぐらい買ったアルヒーフ・レコードでしたが、CD時代になって 全て処分してしまいました。私の愛聴盤だった ほとんどは CD化されたものを買い直しましたが、 CD化されなかったものも何枚か あります。 ここをクリック すると「古書の愉しみ 47.」の、『 ヨハン・セバスチャン・バッハの「管弦楽組曲」』が 別のウィンドウに出ますので、興味のある方はご覧ください。 (2019/ 06 /01)
● 『中東の建築』の第3弾は「イランの建築」です。イランは正しくは「イーラーン」でしょうが、日本の外務省はイランと呼び習わしています。イーラーンとはアーリア人の国を意味します。ペルシアというのはファールシー(ペルシア語)からきていて、それをギリシア人は「ペルシス」と呼び、ローマ人は「ペルシア」と呼びました。イラン人自身は自分たちをペルシア人とは言わなかったのですが、欧米でペルシアの呼称が広まりました。ちょうどインド人が自国をバーラタと呼ぶのに、欧米ではインダス(シンド)河に由来するギリシア語「インドス」に発して「インディア」のような呼称になったのと同様です。
● 4月15日に パリのノトル・ダーム大聖堂で火事がおこり、屋根が炎に包まれました。それについて4月18日に ここに書いた「パリのノトル・ダーム大聖堂の火災」についての記事は 「世界建築ギャラリー」のサイトに、『パリのノトル・ダーム大聖堂』として移しました。 ここをクリック すると、別のウィンドウに開きます。 (2019/ 06 /17)
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最近見て面白かった映画の DVDを紹介することにしました。今から9年前の 2010年に制作された日本映画で、『最後の忠臣蔵』というものです。当時話題になって、大きな興行成績をあげたと言いますから、見た方も多いことでしょう。しかし 私は 20年くらい前から映画館に行かなくなって以来、新作映画をチェックすることには無関心になり、情報も はいってこないことから、この映画については まったく知りませんでした。最近になって 図書館の DVDリストに見つけ、今さら『忠臣蔵』でもないな とも思いましたが、「最後の」というのが気になって 借りてみました。 ![]() とりわけ 私の心に染み入ったのは、原作には出てこない「人形浄瑠璃」(文楽)をとりこんで、要所々々に 太棹三味線と義太夫の語り、そして人形の姿が映されるのが 実に効果的で、かつて 文楽ファン だった私を、たいへん懐かしい思いに させたことでした。その狂言が 時代物ではなく、近松の世話物『曽根崎心中』であったことに 初め不調和感を覚えましたが、映画が進むにつれて、忠臣蔵の仇討物語自体は時代物であるにせよ、この「最後の忠臣蔵」の話は 世話物なのだと気付いて 納得しました。こうして すっかり文楽の世界に引き戻された私は、贔屓(ひいき)だった 竹本 越路太夫(たけもと こしじだゆう) を、あとでアマゾンで検索してみたところ、今は 舞台と語りを一緒に収めたDVDのシリーズが、国立劇場、国立文楽劇場、昔の朝日座(文楽座)、そしてNHKの協働で出されていることを知り、まずは2枚組みの『冥途の飛脚(めいどのひきゃく)』を購入して、昔の録画なので画質は悪いけれど、すっかり文楽情緒にひたりました。DVDの良いところは、義太夫の床本(ゆかほん)の詞章が 字幕となって出ることで、実に好都合です。
ところで 近年、忠臣蔵の映画やドラマが あまり作られなくなったのは、おそらく 2001年の ニューヨーク同時多発テロ の影響ではないかと思います。あれは、言わば「アラブの 忠臣蔵」だったのです。 その首謀者とされ、アメリカから 5,000万ドルの賞金を懸けられ、2011年に殺害されたイスラームの闘士、オサマ・ビン・ラディンの 全公開書簡と声明、インタビューがまとめられて『オサマ・ビン・ラディン 発言』(ブルース・ローレンス編, 鈴木主税・中島由華訳, 2006, 河出書房新社)という本になっていますが、その主張は、かつて欧米からの独立運動を戦った 植民地の闘士のそれと よく似ています。欧米列強が 中東でなした、十字軍以来 20世紀まで続いた「悪事」や「帝国主義的的支配と謀略」、それは現代にまで尾をひいていて、いつまでたっても中東和平や安定は 得られません。ニューヨークの ワールド・トレード・センター・ビル 襲撃は その仇討ち、アラブ版「吉良邸 討ち入り」であったでしょう。
● 『中東の建築』の第3章「イランの建築」の作成は、なお だいぶ時間がかかります。そして今回もその前に、「イスラーム建築の名作」のディヴィジョンに単独で扱うべき建物として、「イスファハーンの 金曜モスク」を採りあげることにしました。「モスクの分類と典型」のページで、近世のモスクを「アラブ型」、「ペルシア型」、「トルコ型」、「インド型」の四つに分類しましたが、そのペルシア型の成立に大きく寄与したのが、このイスファハーンの金曜モスクです。イラン(ペルシア)に特有の「四イーワーン型」の構成と、そしてムカルナス装飾の誕生・展開を告げる 重要なモスクです。 ここをクリック すると「イスラーム建築の名作」のディヴィジョンの『イスファハーンの 金曜モスク』のページが 別のウィンドウに開きます。十分な執筆時間がとれないので、文中『イスラーム建築』 からの引用が あちこちにあることを お許しいただきたい。 (2019/ 03 /01)
● 『中東の建築』の第3章「イランの建築」を現在作成中ですが、かなり大きいページになるので、だいぶ時間がかかります。そこに収録する建物をリストアップしていたら、ゴルガーンのゴンバデ・カーブース(カーブース廟)は「イスラーム建築の名作」のディヴィジョンに単独で扱うべきだと思い至りました。イランでは塔状の墓廟が発展し、その最初期にして最大のものが「カーブース廟」です。そして、単に塔墓の代表としてばかりでなく、イラン建築の最高傑作の一つであり、現代の建築家に最もアピールする建築作品ではないかと思います。つまり、装飾が少なく、焼成レンガという素材のみで構成した 幾何学的な純粋造形であり、そのスケール感ともども、圧倒的な魅力と迫力をもって聳えています。 ここをクリック すると「イスラーム建築の名作」のディヴィジョンの『ゴンバデ・カ−ブース』のページが 別のウィンドウに開きます。 (2019/ 02 /01)
![]() ●● 連日のニュースで、小さな娘が親に虐待されて死亡し、親が逮捕されたことが報じられています。こういうニュースを聞くのは本当に つらいことで、今から 20年前の映画『愛を乞うひと』を思い出します。当時 映画館で見て、10年前には DVDを買いました。その後も1、2度見ています。監督は平山秀幸、原作は下田治美の 同名の自伝的小説で、娘を虐待する母の姿と、その娘が大人になって 明るい娘の母となった姿の二役を 原田美枝子が演じています。見るのが 実につらい映画ですが、深く心に残る作品です。 (2019/ 02 /07)
大晦日の夜から バッハの『マタイ受難曲』を聴きながら、新年を迎えました。
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■『運動靴と赤い金魚』(イラン)1997,監督:マジッド・マジディ,主演:M・ハシェミアン。 ![]()
■『オフサイド・ガールズ』(イラン)2006,監督・制作・編集:ジャファル・パナーヒ。 ![]()
■『 別離 』(イラン)2011、監督・制作・脚本:アスガー・ファルハディ,主演:ペイマン・モアディ、レイラ・ハタミ。 ![]()
■『黄色い星の子供たち』(仏・独・ハンガリー)2010,監督・脚本:ローズ・ボッシュ。 ![]() ![]()
ユダヤ教のシンボルとされる燭台(メノーラ)と 星型図
アルメニア中部、ガヴァル の聖母聖堂(ハツァラト)の裏手の壁面と岩に 星型が刻まれているのには驚きました。いつの時代かは わかりませんが、このあたりにユダヤ人のコミュニティがあり、アルメニア教会と共存していたようです。 ![]()
■『悲しみは星影とともに』(イタリア)1965,監督:ネロ・リージ、音楽:イヴァン・ヴァンドール、 ![]() ![]()
■『最後の橋』(オーストリア・ユーゴスラヴィア)1954,監督・脚本:ヘルムート・コイトナー,主演:マリア・シェル (2019 /01/ 01)
● 「シリアの建築」と「ヨルダンの建築」は、一国の建築遺産を歴史順に展観する形でページをつくり、どちらの国もイスラーム建築の遺産が主となるにしても、古代から種々の宗教が興亡したので、『世界のイスラーム建築』のサイトではなく、『神谷武夫とインドの建築』のサイトの中の「世界建築ギャラリー」のディヴィジョンにいれてきました。しかし『世界のイスラーム建築』のサイトが その題名に比して、 収録範囲が やや手薄に感じられてきましたので、中東諸国のイスラーム建築を もっと詳しく紹介するために、「中東の建築」というディヴィジョンを作ることとし、その中に 新装版の「シリアの建築」と「ヨルダンの建築」を移して、第1章、第2章とすることにしました。「ヨルダンの建築」は、ヨルダン川西岸地域(パレスチナ国)とイェルサレム全体を含めることで、大幅に増補しました(アメリカのトランプ大統領がイェルサレムをイスラエルの首都だと宣言したことへの 抗議 の意味も込められています)。
● 他の建築文化には あまり見られない、イスラーム独自の建築装飾は カリグラフィ(書道)です。 文字をもつ言語であれば、必ず 美しい文字の書法が発達するでしょうが、それを建築の装飾に用いるということは あまりしません。イスラームでは形象美術としての絵画よりも『クルアーン』を書き表すための 書道 が発展したので、それを形象彫刻に代わるものとして、幾何学紋や唐草紋とともに 建築の壁面に大々的に用いました。 ここをクリック すると『世界のイスラーム建築』のサイトの中、「イスラーム建築入門」の『建築とカリグラフィ』のページが 別のウィンドウに出ます。「近代建築とカリグラフィ」の項も加えています。 (2018/ 11 /01)
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●今回の「古書の愉しみ」では、私の秘蔵の挿絵本の一冊を紹介します。今から約100年前に出版された詩集の革装本ですが、通常の外装はともかく、内部の全編にわたって これほど美しく装飾された詩集は、他に見たことがありません。それは19世紀フランスの「秋と黄昏(たそがれ)の詩人」と謳われる アルベール・サマン (1858〜1900) の第一詩集、『Au Jardin de l'Infante(王女の庭園にて)』という詩集で、挿絵画家 アドルフ・ジラルドン (1855−1933) が、サマンと ぴったり息の合った挿絵 および装飾全般を制作しました。前々回の「古書の愉しみ」で、「挿絵そのものよりも、その周囲の装飾、そして扉や章頭ページ、さらには各ページごとの装飾、そうしたものに より多く力を注いで成功した 稀有の挿絵画家」と評した、アール・ヌヴォの美術家 ジラルドンによる「書物芸術」です。 これは 前回と前々回のような 大きめの「無綴じ本」ではなく、通常の大きさの「仮綴じ本」の文芸書を、購入者が 革製本した本です。 ここをクリック すると、「古書の愉しみ」の第46回『王女の庭園にて』のページが 別のウィンドウに出ます。 (2018/ 10 /01)
ただし、「インドのユネスコ世界遺産」や「イスラーム建築の名作」などの扉(目次ページ)は、項目が多すぎるので、今までどおり2段組です。 (2018/ 10 /18)
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● 釈迦の没後、仏教のサンガ(僧団)は支配層と結び付いて大きく発展し、諸国に寺院や僧院を建設しました。西のガンダーラ地方と東のビハール、ベンガル地方には特に多く、なかでもラージギルから15kmの ナーランダーには 大僧院(マハー・ヴィハーラ)がつくられ、一大仏教センターとなりました。5つの大きな寺院(ストゥーパ)と10の僧院が整然と並び、インドばかりか 諸外国からも留学僧が訪れて、古代の 仏教大学 を形成したのです。三蔵法師のモデルとなった中国僧、玄奘 もここに5年間滞在して勉学にはげみ、戒賢(シーラパドラ)に師事したと言われます。その間に集めたサンスクリット語の経典 657部を はるばる長安に持ち帰って、中国語への翻訳に努めました。彼の『大唐西域記』によれば、数千人の僧がナーランダーの仏教大学に学んでいたと言います。 ここをクリック すると「インドのユネスコ世界遺産」の『ナーランダーの大僧院(仏教大学)』のページが別のウィンドウに出ますので、興味のある方はご覧ください。ユネスコ世界遺産に登録されたのは2年前の2016年です。 (2018/ 09 /01)
● 今月は夏休みなので、新しい記事はありません。 (2018/ 08 /01)
![]() ![]() ● ついでに本を1冊。7月2日に国会で 立憲民主党の枝野幸男氏が 内閣不信任決議案の趣旨説明を 2時間 43分にわたって行った演説が、『緊急出版 ! 枝野幸男、魂の3時間大演説「安倍政権が 不信任に足る7つの理由」』という長い題名の本となって、8月9日に 扶桑社から 出版されます。つまり、まだ読んでいませんが、アマゾンに予約注文しました(745円)。
![]() ●● 沖縄県の翁長雄志(おなが たけし)知事が本日(8月8日)、ガンで亡くなりました。沖縄が太平洋戦争で受けた苦しみ、長いことアメリカに支配され続けたこと、返還後も日本における米軍基地の74%(面積)が沖縄に集中し、受難が絶えないこと、等に抗議し、その改善を求めて日本国政府と闘い続けてきた精神に、深い尊敬と哀悼の意を表します。 (2018/ 08 /08)
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● 今回の『 古書の愉しみ 』は、今から半世紀前の 1964年に出版された『 国立国際会館設計競技 応募作品集 』です。わが国の建築設計競技(コンペティション)の歴史において、最も優れた条件整備が行われ、かつ 最も充実した成果を挙げたのは、今から半世紀前に行われた 国立京都国際会館コンペ でした。そしてまた その報告書として出版された 『 国立国際会館 設計競技 応募作品集 』もまた、最も優れた コンペ報告書・応募作品集であったので、これを採りあげます。当時の代表的な建築家たちが審査員を務め、新進気鋭の建築家たちが こぞって応募したコンペの作品集は、優秀な建築家たちが まったく同じ条件から、いかに異なった 独自の、しかもハイレベルの設計をするものか、ということを学ぶことのできる、絶好の教科書であったと言えます。その審査員たちばかりでなく、入選者のほとんどが鬼籍にはいってしまった現在、半世紀前の日本の建築界を振り返る 回顧の書でもあります。 ここをクリック すると「古書の愉しみ」の第45回『 国立国際会館 設計競技 応募作品集 』のページに とびます。 (2018/ 07 /01)
● ジャイプルの英明な藩王、ジャイ・シング2世はサンスクリット語やペルシャ語に通じたばかりか、科学への情熱に燃え、とりわけ天文学と占星術にうちこみました。ペルシャやヨーロッパの書物をも集めて研究し、天文観測をより正確にするために、実験室における 天文観測儀 を建築的スケールに拡大して各地に建造し、学問の精密化をはかりました。近代になると、むしろ驚くべき 建築作品 として評価されるようにもなりました。今回は そのジャイプル、デリー、バナーラスなどの天文観測所(ジャンタル・マンタル)を採りあげます。 ここをクリック すると「インドのユネスコ世界遺産」の『天文観測所(ジャンタル・マンタル)』のページに とびますので、興味のある方はご覧ください。ユネスコ世界遺産に登録されたのは8年前ですが、書くのがだいぶ遅れてしまいました。 (2018/ 06 /01)
● 何をぐずぐず やっているのか。アベ は約束どおり、一刻も早く、 首相も 国会議員 も 辞めるべきです。 アソウ も 同様です。 (2018/ 03 /19) ●● われわれに、国民を欺く首相や 政治家や 官僚は いらない。 (2018/ 04 /11)
● 前回の『古書の愉しみ』で紹介した モーリス・ド・ゲランの『 ケンタウロス、バッカスの巫女 』は、前回のアドルフ・ジラルドンのほかに 何人もの挿絵画家が 挿絵本を制作してきました。その中で 私の最も愛するのが、ジョルジュ・バルビエ によるものです。と言うばかりでなく、これは近代フランスの挿絵本における最高傑作だと 私が考えるものです。今回はこれを採りあげますが、そのタイトルは 単に『 Poèmes en Prose(散文詩)』となっていて、それでは さまざまな詩人の散文詩を集成したもののようにもとれますので、ここでは『 モーリス・ド・ゲランの 散文詩 』と呼ぶことにします。 ここをクリック すると、「古書の愉しみ」の第44回、『モーリス・ド・ゲランの 散文詩』のページに とびます。 (2018/ 05 /01)
● 今回の「古書の愉しみ」で採りあげる『 ケンタウロス、バッカスの巫女 』という二つの長編散文詩を書いたのは、モーリス・ド・ゲラン(1810-1839) という、フランスの 夭折の詩人です。彼はわずか28歳で肺結核で世を去りました。夭折の詩人と言えば、立原道造(結核で24歳)、石川啄木(結核で26歳)、中原中也(結核性の脳膜炎で30歳)、樋口一葉(結核で24歳)などの名が すぐに思い出されますが、昔は不治の病とされた結核で死ぬ人が多かったのが、詩人たちにも反映しています。たいていの日本人はこれらの詩人の名に親しんでいますが、モーリス・ド・ゲランの名を知る人は あまり多くないでしょう。中高校の教科書に出てこないからですが、フランス人にとっては、日本の石川啄木や立原道造のような存在でしょう。それでも もしかすると、モーリスの姉の ウージェニー・ド・ゲラン (1805-48) の方が、より多く知られているかもしれません。 ここをクリック すると「古書の愉しみ」の『ケンタウロス、バッカスの巫女』のページに とびますので、興味のある方はご覧ください。 (2018/ 04 /01)
● 2017年の7月に新しいユネスコ世界遺産として、インドからは「 歴史都市 アフマダーバード 」が登録されました。インドでは初めての、ひとつの都市の遺産全体が対象となる「ユネスコ遺産都市」(UNESCO Heritage City)としてです。アフマダーバードにはル・コルビュジエ、ルイス・カーン、バルクリシュナ・ドーシらの近代建築もありますが、今回の登録内容は、それ以前の、グジャラートのイスラーム政権時代の首都としての アフマダーバードの歴史遺産です。膨大な内容なので、このサイト「インドのユネスコ世界遺産」の中では 最も長い 16ページにも なってしまいました。 ここをクリック すると「インドのユネスコ世界遺産」の『歴史都市 アフマダーバード』のページに とびます。 (2018/ 03 /01)
● 昨年ユネスコに登録された インドの世界遺産「歴史都市アフマダーバード」を現在書きつつあり、本当は昨日、2月1日にアップロードするつもりでいました。ところが、インドで初の「ユネスコ遺産都市」(UNESCO Heritage City)なので、その遺産内容は膨大であり、これを料理するのは大変です。またしても 大きなページに なってしまい、これを仕上げるには、まだ だいぶ時間がかかりそうです。
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この『サラの鍵』に 感動しました。深く感動しました。映画館に行っていた頃は洋画ばかり見ていて、邦画はめったに見ませんでしたが、公立図書館は 洋画と邦画のDVDを半数ずつにしているようなので、たくさんの邦画を見るようになりました。しかし、この『サラの鍵』(2010年、ジル・パケ=ブランネール監督)のような、内容的にも形式(映画芸術としての)の上からも、優れた邦画というのは、まず ないのではないかと思います。いったい何故なのか? なぜ日本では、バカバカしい内容を チープな映像にしてばかり いるのでしょうか?
そもそも「古書の愉しみ」というページは、2日か3日で書ける 簡単な記事のシリーズにしようと思って始めたのですが、どうしても 生まれつきの 凝り性 なので ついつい深みにはまり、あれも入れよう、これも書こうと、内容がふくれてしまい、図版 もたくさん挿入するようになってしまったので、結構、なかなかの 負担 になってしまいました。古書のシリーズといっても、本の中身ばかりでなく、 形式(造本)をも扱うという「新機軸」で、42回も続けたのですから、もう飽き飽きした人もいることでしょうし、こんなことに これほどのエネルギーを使うことに呆れた人もいるでしょうが、中には、さすがは「愛書家」だと 感心してくれた人も いるかもしれません。
その代わり というわけではありませんが、このところ毎年、新年に 年賀状 をスキャンして載せていますが、それ以前からの 40年にわたる「神谷武夫の年賀状・大回顧展」を HP上で開催することにしました。つまらないものですが、もしも興味のある方は、ここをクリック して ご覧ください。私の簡単な年代史にもなっています。 (2018/ 01 /01)
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● いよいよ 核戦争 が起きそうなケハイです。 トランプとキムは ハッスルし、アベは 扇動し続け、チンピンとプーチンは 日和見を決めこんでいます。 我々は キューブリックの映画:『 博士の異常な愛情 または 私は如何にして心配するのを止めて 水爆を愛するようになったか 』でも見て、心の準備をしているべきかもしれません。 某某のペシミスティックな心底は、これによって、もう そろそろ 悪の権化である人類が 滅亡するのも 悪くないかもしれない、と 観じているような フシがありますが、今回の「古書の愉しみ」では、あまり愉しかったとは言えないけれど、学生時代に読んで 強い衝撃を受けた『原爆体験記』を紹介 することにします。ここをクリック すると「古書の愉しみ 」の中の『原爆体験記』のページに とびますので、興味のある方はご覧ください。 (2017/ 12 /09)
● やはり高校生の時に購入した本、栗田勇の『現代の空間』は、内容もさることながら、その造本が 私の心をすっかり とらえました。それは杉浦康平のデザインで、本というのは こんなにも面白い形に作れるのかと、本の 読むだけでない、ものとしてのブック・デザインの魅力を教えられました。今から 53年前の古書です。ここをクリック すると「古書の愉しみ」の中の『現代の空間 』のページに とびますので、興味のある方はご覧ください。 (2017/ 11/ 01)
● 高校生の時に初めて読んだ二冊の本、矢代幸雄の『太陽を慕ふ者』と 中勘助の『銀の匙』は、それ以来 私の最も愛読する書となって、若い頃には どちらも 年に一度か二度は 必ず読み返したものでした。『銀の匙』は もっぱら岩波文庫で読み、廉価なので よく人に プレゼントしたものです。『太陽を慕ふ者』のほうは 初版を古書店で手に入れ、その装幀も気に入ったので、私の愛蔵本となりました。今から 92年前の本です。ここをクリック すると「古書の愉しみ」の中の『太陽を慕ふ者 』のページが 別のウィンドウに開きます。 (2017/ 10/ 01)
● もしも「世界で一番美しい民家はどこの民家か?」と尋ねられたら、私なら ためらうことなく「トラジャ族のトンコナン・ハウスだ」と答えます。インドネシアのスラウェシ島にそれを見に行ったのは、もう 30年も前のことですが、その感動は忘れられないので、「世界建築ギャラリー」のサイトに掲載しておくことにしました。ここをクリック すると『トラジャ族のトンコナン・ハウス 』のページに とびますので、興味のある方はご覧ください。 (2017/ 09/ 01)
● ユネスコ世界遺産に、ひとりの建築家の作品群が一括されて一件として登録されるという、非常に珍しいケースがあらわれました。タイトルは 「ル・コルビュジエの建築作品、近代建築運動への顕著な貢献」というもので、その構成資産は7ヵ国の17作品にわたっています。日本から東京の国立西洋美術館が含まれているので、だいぶ話題になりました。インドにはアフマダーバードにもル・コルビュジエの作品がいくつもありますが、今回の登録資産としてはチャンディーガルのみです。といってもチャンディーガルにはル・コルビュジエの建物が多数あるので、そのどこまでが含まれるのか判然とせず、様子見をしているうちに1年がたってしまいました。結局その範囲は追求しないことにして、この HP では「チャンディーガル建築案内」というのを2つ載せてあったので、”旅行人版”を「世界建築ギャラリー」のサイトから「ユネスコ世界遺産」のサイトに移して、大幅に増補することとしました。 ここをクリック すると「インドのユネスコ世界遺産」のサイトの『ル・コルビュジエの建築作品』のページに とびますので、興味のある方はご覧ください。 (2017/ 08/ 01)
● 「古書の愉しみ」のサイトは、私の蔵書の中から ある一冊の本を選んで、その内容と造本、装幀、図版などについて、関連書籍を交えながら紹介するのを基本としていますが、時には「本のシリーズ」を採りあげます。 前に紹介した『ラ・ニュイ・デ・タン叢書』と並んで 私の最も好きな叢書は、やはりフランスの "BIBLIOTHÈQUE DE LA PLÉIADE" (ビブリオテック・ド・ラ・プレイヤード)で、「プレイヤード叢書」と訳されます。 「古書」とも言いがたいこの叢書を採りあげるのは、「愛書家」として、この叢書の造本や装幀に非常に惚れこんでいるからに ほかなりません。ここをクリック すると『プレイヤード叢書 』のページに とびますので、興味のある方はご覧ください。 (2017/ 07/ 01)
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● 中国 の民主化運動のリーダーである 劉暁波(リウ・シアオポー)氏が ノーベル平和賞 を受賞することになりました。彼は 1989年の天安門事件の時に指導的役割をし、その後も中国にとどまったまま 民主化運動 を続けてきたために、普段から当局の監視がつき、何度も逮捕されました。定職に就くこともできず 収入はわずかな原稿料だけなので、生計は妻の 劉霞(リウ・シア)さんが 自作の絵を売るなどして 支えてきたといいます。 現在は、中国共産党による一党独裁の見直しや 言論・宗教の自由などを求めた「08憲章」を起草したために、「国家政権転覆扇動罪」で有罪となり、懲役 11年の実刑判決を受けて 服役中です。
●● 中国当局は 劉暁波(リウ・シアオポー)氏のノーベル賞への出席を許さず、奥さんの 劉霞(リウ・シア)さんも自宅軟禁して、その代理出席さえも 許しませんでした。
● 講談社の『ユネスコ世界遺産 ー インド亜大陸編』 (1997) からの、パキスタン の第4回は、タッタとその周辺にある『タッタの歴史的建造物』です。これも「世界建築ギャラリー」ではなく「イスラーム建築の名作」のサイトに掲載しました。インド亜大陸最古のモスク跡から、カラチ〜タッタ間にあるイスラーム墓地の墓廟群、そしてタッタの金曜モスクを紹介します。 ここをクリック すると「世界のイスラーム建築」のサイトの『タッタの歴史的建造物』のページに とびますので、興味のある方はご覧ください。 (2017/ 06/ 01)
● 「古書の愉しみ」の第38回は、ジェイムズ・ファーガスンを批判したことで知られるインド美術史家、アーネスト・ビンフィールド・ハヴェル の『インド美術の理想』を採りあげます。今から 100年以上前の 1911年に、ファーガスンのほとんどの本を出した ロンドンのジョン・マリー社から出版された本で、日本のインド学者たちにも ハヴェルの代表作としてよく知られた本です。併せて ハヴェルの一連の本と、反・ファーガスンの伊東忠太が喝采を送った様子も紹介します ここをクリック すると『インド美術の理想 』のページに とびますので、興味のある方はご覧ください。 (2017/ 05/ 01)
●● 昨日、アフリカのナイジェリアからメールが届きました。 カイロに次ぐ アフリカ第二の都市 ラゴスに住むという、ウスマーンさんからです。 この HP の 英語版 を読んでくれていて、特に「マリのイスラーム建築」には西アフリカの「土のモスク」のことが書かれていますので、私に相談してみる気になったのでしょう。メールの訳と原文を 下に掲げます。
ブルキナファソから送ってきたというモスク案が どんなものか わかりませんが、中国でそうであるように、新しいモスクは 伝統的な土着のスタイルではなく、おそらく「正統的な」中東のドーム式のモスクにしたいのでしょう。モスクは、その土地の材料を使い、その土地の伝統的なスタイルで建てるのが一番良いのだとは、『世界のイスラーム建築』の中に何度も書きました。ウスマーンさんは、そのことがよく解っているようです。しかし 私はアフリカの建築家は誰も知りませんので、たいして助力もできません。私がブルキナファソに出向いて設計するわけにもいきませんし、現地を見ずに絵だけ描くようなまねも、する気はありません。どなたか、この計画に助力していただける方がいらっしゃいましたら、ご連絡ください。 (2017/ 05/ 13)
● 講談社の『ユネスコ世界遺産 ー インド亜大陸編』 (1997) からの、パキスタン の第3回は、パキスタンの第2の都、ラホールにある『ラホ−ル城と シャーラマール庭園』です。これは古代ではなく、近世のムガル朝が造営した城塞と庭園なので、「世界建築ギャラリー」ではなく「イスラーム建築の名作」のサイトに掲載することにしました。 ここをクリック すると「世界のイスラーム建築」のサイトの『ラホ−ル城と シャーラマール庭園』のページに とびますので、興味のある方はご覧ください。 (2017/ 04/ 01)
● 3月に ここに書いた「設計事務所の モラルと プロフェッション」の記事(2017/ 03/ 01)は 少々長いので、単独のページに変換しました。 ここをクリック すると、そのページが 別のウィンドウに開きます。
● 講談社の『ユネスコ世界遺産 ー インド亜大陸編』(1997) からの、パキスタン の第2回は、古代インダス文明の『モヘンジョ・ダーロの考古遺跡 』です。今から 17年前の 2000年に『世界四大文明』展というのが 各地の博物館、美術館で開催された時には大きな話題となり、たくさんの本が出版され、考古学者たちは大忙しでした。ここに載せるのは モヘンジョ・ダーロのごく簡単な紹介にすぎませんが、A.S.I.の報告書など からの 地図・図面も 何枚か転載しました。
ここをクリック すると「世界建築ギャラリー」の『モヘンジョ・ダーロの考古遺跡』のページに とびますので、興味のある方はご覧ください。 (2017/ 02/ 01)
● 昨年の「謹賀新年 2016」で、「アルメニアの建築」のサイトの 個々の聖堂の解説については、今年こそ 全部を書き終えたいものと思っている と書きましたが、そういうわけには いきませんでした。というのは、昨年の春に、グーグルで 私の3つのホームページ(インドと イスラームと アルメニア)を検索すると、いずれにも「モバイル・フレンドリーではありません」と表示されるようになったのです。私はもっぱらデスクトップのパソコン(23インチ・モニター)で HPを作り、見てきましたので、ノート・パソコンやモバイル機器での閲覧の便宜は 無視してきました。ところが 世の中では、コンピュータの小型化が 急速な勢いで進み、今やインターネットは、スマートフォン や ケイタイ や タブレット端末 で接続する人のほうが 多くなってしまったようです。
● 講談社の『ユネスコ世界遺産』、「インド亜大陸編」(1997) からの、パキスタンの第1回は、ガンダーラ美術の『 タクシラの 都市遺跡 』です。古くは 40年近く前に撮影した写真群とともに、最も優れた案内書である ジョン・マーシャルの "A Guide to Taxila" (4th ed. 1960) からの 地図・図面も 何枚か転載しました。
ここをクリック すると「世界建築ギャラリー」の『タクシラの 都市遺跡』のページが 別のウィンドウに開きます。 (2017/ 01/ 01)
![]() ●● 前から読もうと思っていた『帝国の慰安婦、植民地支配と記憶の闘い』(朝日新聞出版)を、この正月にやっと読みました。読む時間が取れずにいた間に、この著作が 韓国の検察庁から起訴されてしまい、これは まずいと思っていたら、突如、昨年末に 日韓両政府が 慰安婦問題を終結させる合意に達したというので、たいへん驚きました。それが本当に うまくいくのかどうか 予断をゆるしませんが、その成り行きを見守るためにも、この優れた本を読んでおくことは大切なことだと思います。日韓関係 を ここまで悪化させた最大の要因は「慰安婦問題」にあり、その解決は ほとんど絶望的かと思われましたが、朴 裕河 (パク・ユハ) さんは その歴史的経過を追いながら、日韓双方の主張や思い込みの誤りを正しつつ、あるべき解決の道筋を さぐっていきます。非常に筋の通った論理構造を、外国人が書いたとは思われない 正確で端正な日本語で説いていることにも感心しましたが、その高潔な精神にも 感銘を受けました。 (2016/01/06)
●● 2017年1月25日、ソウル東部地裁で「帝国の慰安婦」を書いた朴教授に無罪判決が出されましたので、ひとまずは、ホッとしました。しかし、韓国では、在釜山日本総領事館前に慰安婦像が設置されて、日韓関係は再び険悪化しています。日本政府は韓国を非難していますが、相変わらず日本政府の大臣が韓国侵略の戦犯を合祀する靖国神社を参拝して、韓国 国民の神経を逆なでしているのですから、問題解決が進捗するわけがありません。 (2017/ 01/ 25) |