G. ISLAM AND ITS ARCHITECTURE

G イスラーム教と その建築

神谷武夫

Geeti Sen
"Paintings of the Babur Nama"

BACK     NEXT


ISLAMIC ARCHITECTURE OF THE INDIAN SUBCONTINENT : Bianca Maria Alfieri, 2000, Laurence King, London, A4-320pp. import 21,000yen.
インドのイスラーム建築を移入期から衰亡期までを歴史的にたどりながら個々の建築作品を詳細に解説する、内容の濃い本。 Federico Borromeo による写真 255点をオールカラーで載せる豪華本だが、図面がまったく無いのが難。 著者はローマ大学準教授。

INDIAN ARCHITECTURE, Its Psychology, Structure and History from the First Muhammadan Invasion to the Present Day : E.B. Havell, 1913, John Murray, London, B5-390pp. reprint 1972, S. Chand, New Delhi, 1,000yen.
ファーガスンの様式区分を徹底的に批判した美術史家 ハヴェルによる、イスラム侵入以後の建築史。 ただし出版の順序は逆である。

INDIAN ARCHITECTURE, Vol 2. Islamic India : Percy Brown, 1942, D.B. Taraporevala, Bombay. 29cm-260pp. 3,500yen.
カルカッタの美術館や美術学校に奉職して インドの美術と建築の研究に生涯を捧げた英国人、パーシー・ブラウンによる通史の第2巻でイスラーム時代を扱う。 写真はすべて白黒であり図面は少ないが、詳細な内容ゆえに 現在のところインド建築史の決定版となって版を重ねている。<

ISLAMIC ARCHITECTURE IN INDIA : Satish Grover, 1996, Galgotia Publishing, New Delhi, 25cm-190pp. import 9,200yen.
サティッシュ・グローヴァーが新たに書いた インド建築史のイスラム編。 前回に比べてアイソメ図が少なくなった代わりに カラー写真を多くいれた。

LIVING ARCHITECTURE, Islamic India : Andreas Volwahsen, Grosset & Dunlap, New York. 1970, 21.5 x 21.5cm-190pp.
スイスの OFFICE DU LIVRE 社を中心に国際出版された「世界の建築」 シリーズの英語版。 かつて美術出版社から邦訳の出たシリーズであるが、これは翻訳されていない。 美しいモノクロ写真、図面、本文からなるコンパクトなインド・イスラーム建築の概説書。

INDO-ISLAMIC ARCHITECTURE : Ziyaud-din Desai, 1970, Ministry of Information and Broadcasting, Government of India, B5-110pp. antique 450yen.
インドのイスラーム建築の歴史と地方様式を簡潔に概観する小冊子。 モノクロ写真 48ぺージ。

SOME ASPECRTS OF INDO-ISLAMIC ARCHITECTURE : Subhash Parihar, 1999, Abhinav Publications, New Delhi, 28.5cm-295pp. 4,200yen.
インドのイスラーム建築をめぐる論文集。モノクロ写真105ページ、粗い図面 60ページをつける。

MUSLIM ARCHITECTURE OF SOUTH INDIA, The Sultanate of Ma’bar and the Tradi-tions of the Maritime Settlers on the Malabar and Coromandel Coasts (Tamil Nadu, Kerala and Goa) : Mahrdad Shokoohy, 2003, Routledge Curzon, London, 30.5cm-340pp. import 16,000yen.
南インドのイスラームといえば カルナータカ州の華々しい建築を思い浮かべがちだが、本書はケーララ州およびタミルナードゥ州の、あまり知られないイスラーム建築を調査した浩瀚な研究書である。 写真はすべてモノクロだが、図面が豊富に挿入されている。

BHADRESVAR, the Oldest Islamic Monuments in India : Mehradad Shokoohy, 1988, E.J. Brill, Leiden, A4-130pp.
MUQARNAS の増刊 Studies in Islamic Art and Architecture, vol. 2。 インドにおける ごく初期のイスラム建築(12世紀クッチ地方の バドレーシュワル)の史跡調査報告書。 正確な実測図多数を挿図とし、モノクロ写真 50ページをつける。

THE MANARA IN INDO-MUSLIM ARCHITECTURE * [Asiatic Society of Pakistan Publication 25.]: A. B. M. Husain, 1970, The Asiatic Society of Pakistan, Dacca, B5-320pp. antique 500yen.
インドにおけるミナレットの歴史と造形を、多数の実例をたどりながら探る。

JHAROKHA, An Illustrated Glossary of Indo-Muslim Architecture : R. Nath, 1986, The Historical Research Documentation Programme, Jaipur, B5-130pp. 1,800yen.
インドのイスラーム建築に関する用語辞典。 挿図の数は十分でなく、説明も概して短いが、単独の著者による労作。 ジャロカーというのは、透かし彫りの格子細工のある、石造の出窓のこと。

ラーム神話と牝牛 (ヒンドゥー復古主義とイスラム)[これからの世界史5.]: 小谷汪之, 1993,平凡社, B6-270pp. 2,800yen.
・ 19世紀以後のヒンドゥとムスリムの対立・衝突のプロセスを、「牝牛保護問題」を軸に解明する。


MUGHALS & ITS ARCHITECTURE

THE GREAT MOGHULS* : Bamber Gascoigne, 1971, Paperback ed. 1987, Time Books International, New Delhi, B5-260pp. 1,900yen.
バーブルからアウラングゼーブまでのムガル朝の皇帝とその時代を 作家の筆で描く。 写真家である夫人の美しい写真が豊富に入れられていることもあって 版を重ねている。

BABUR-NAMA, Memoirs of Babur : Zahiru'd-din Muhammad Babur Padsha Ghazi, tr. by Annette Susannah Beveridge, 1921, London, 2vols. reprint 1989, Low Price Publications, Delhi, A5-940pp. 2,000yen.
ムガル朝の初代皇帝バーブルによるチャガタイ・トルコ語の回想録の英訳。 訳者アンネット・ベヴァリッジによる詳細な註・資料・索引をつける。

バーブル・ナーマの研究 : 間野英二, 1995 -2001, 中西印刷出版部・松香堂, 4vols. 26cm-680pp, 500pp, 780pp, 580pp. each 12,000 - 18,000yen.
・ 著者のライフワークとしての研究を文部省科研費の援助を受けて出版。 第 1巻はチャガタイ・トルコ語のアラビア文字による厳密な校訂本。 第 2巻はチャガタイ語による全文索引。 第 3巻はその和訳と訳注。 第 4巻は著者による研究論文集。「バーブル・ナーマ」が初めて日本語で読めるようになった。

PAINTINGS OF THE BABUR NAMA : M.S. Randhawa, 1983, National Museum, New Delhi, A4-160pp. 2,300yen. (sample page)
ムガル朝の初代皇帝バーブルの回想録 『バーブルナーマ』 のミニアチュールとその解説。 カラー複製画 20枚貼り付けと モノクロ図版 35ページ。

HUMÂYÛN-NÂMA, the History of Humâyûn : Gul-Badan Begam (Princess Rose-Body), tr. by Annette S. Beveridge, 1902, London, reprint 1989, Low Price Publications, Delhi, A5-440pp. 1,300yen.
バーブルの娘のグルバダンが書いた、第 2代皇帝フマユーンの伝記。 訳者による詳細な解説と、大英博物館所蔵のペルシャ語原文の複写を付す。

AKBAR-NAMA : Abu-l-Fazl, Henry Beveridge (tras. From the Persian), 1902-39, Reprint 1989, A Venture of Low Price Publications, Delhi, 3vols, 22cm-730pp. + 610pp. + 1280pp. 1set 5,200yen.
アブル・ファズルが書いた第 3代皇帝アクバルの長大な伝記。

THE A-IN-I AKBARI : Abul-Fazl Allami, tr. by H. Blochmann and H.S. Jarrett, 1873 -94, Calcutta, 3vols. reprint 1989, Low Price Publiction, Delhi, 2vols. A5-800pp, 540pp.
アクバルの伝記を書いたアブル・ファズルによる、この時代のムガル帝国の国情に関する百科全書的記録。

AKBAR, THE GREAT MOGUL, 1542-1605* : Vincent A. Smith, 1919, Oxford, reprint 1958, S. Chand & Co., Delhi, A5-410pp. antique 600yen.
V.A. スミスによる ムガル朝のアクバル帝についての詳細な伝記。

THE TÛZUK-I-JAHÂGÎRÎ, or Memoirs of Jahângîr : Alexander Rogers (tr.), Henry Beveridge (ed.), 1909-14, London, 2vols. reprint 1989, Low Price Publications, Delhi, A5-330pp. 1,650yen.
第 4代皇帝ジャハーンギールが即位した年から 第 19年目までの帝国統治の、自身による記録。

ムガル帝国誌[大航海時代叢書 II-5.]: アントニオ・モンセラーテ、清水廣一郎, 池上岑夫訳, 小谷汪之注, 1984, 岩波書店, A5-520pp. 5,800yen.
・ 16世紀の後半にインドで布教活動をしたイエズス会士による、アクバル時代のムガル帝国についての貴重な観察記。 N-36 の 「ヴィジャヤナガル王国誌」 と併冊。

ムガル帝国誌[17・18世紀大旅行記叢書 5.]: フランソワ・ベルニエ、関美奈子, 倉田信子訳, 小名康之注, 1993, 岩波書店, A5-490pp. 5,700yen. (岩波文庫 2001, 2vols. each 760yen.)
・ 1655年から 13年間にわたってインドを旅した フランス人の医師・旅行家のベルニエが、帰国後に著した アウラングゼーブ時代のムガル帝国の政治と文化の広範な観察記。

ムガル皇帝歴代誌 : フランシス・ロビンソン, 小名康之監修, 月森左知訳, 2009, 創元社, 22cm-360pp. 4,200yen.
・ ムガル皇帝といっても インドのムガル朝だけでなく、「モンゴルの影響を受けて成立した諸王朝」の歴代の君主を一人ずつ取り上げて紹介した ヴィジュアルな本。

ムガル美術の旅 : 山田篤美, 1997, 朝日新聞社, B6-320pp. 2,900yen.
・ ムガル朝の建築と細密画を論じながら 古今東西の美術を参照する比較美術史の旅。 軽い語り口の中に旺盛な探求心と学識をみせる。

MUGHAL ARCHITECTURE, An Outline of its History and Development* (1526 -1858) : Ebba Koch, 1991, Prestel-Verlag, Munich, B5-160pp. 1,500yen.
豊富な写真と図面をいれたムガル建築史で、コンパクトながら 内容充実している。

Mughal Architecture

MUGHAL ARCHITECURE & GARDENS : George Michell & Amit pasricha, 2011, 32cm-400pp. 5,600yen.
ジョージ・ミシェルによるムガル建築の概説とアミット・パスリチャの迫力のあるカラー・パノラマ写真集。インドの美術書出版も、ついにこのレベルに到達したかと感慨深い。

ARCHITECTURE OF MUGHAL INDIA* [The New Cambridge History of India 1-4.] : Catherine B.Asher, 1992, Cambridge University Press, Cambridge, B5-400pp. 2,900yen. import 16,000yen.
ケンブリッジの新しいインド史は、ムガル時代以後を 4類 31巻で出版することになった。 このムガル建築史の本はその内の 1巻で、ミネソタ大学の女流美術史家 アッシャーが担当した。 図版はすべてモノクロ。

SHAHJAHANABAD, The Sovereign City in Mughal India 1639-1739* [Cambridge South Asian Studies 49.] : Stephen P. Blake, 1993, Paperback ed. Cambridge University Press, 21.5cm-240pp. 1,300yen
シャー・ジャハーン帝が建設した新首都 シャージャハーナーバード(現在のオールド・デリー)のフィジカルな施設配置から 都市の経済・社会的な側面まで 詳細に論じた研究書。

THE RED FORT OF SHAHJAHANABAD * : Anisha Shekhar Mukherji, Oxford Uni-versity Press, 30cm-280pp. 4,200yen.
シャージャハーナーバードとデリー城の 歴史と建築的解読の決定版。 古地図、古図面、古写真を十分に援用しながら正確に記述し、現状と保存の指針まで提示する。 写真がもっと良ければ 申し分ない出版。

SOME ASPECTS OF MUGHAL ARCHITECTURE : R. Nath, 1976, Abhinav Publications, New Delhi, A4-280pp. 750yen.
G-14 の著者のナートによる ムガル建築についての 21編の論文集。 白黒図版 48ページをつける。

HISTORY OF DECORATIVE ART IN MUGHAL ARCHITECTURE * : R. Nath, 1976, Motilal Banarsidass, Delhi, A5-260pp. import 1,200yen. import 3,300yen.
同じくナートが ムガル建築の装飾法を、個々の装飾モチーフについて検討する。

THE MAJESTY OF MUGHAL DECORATION, The Art and Architecture of Islamic India : George Michell, 2007, Thames & Hudson, London, 30cm-290pp. 4,400yen.
ムガル朝下の装飾美術パターンを建築、工芸、細密画の細部にわたって 300枚以上のカラー写真に集成し、J ・ミシェルの解説をつけた大型美術書とする。 この原本はインドの India Book House が出版した MUGHAL STYLE, 2007。

BUILDING CONSTRUCTION IN MUGHAL INDIA, The Evidence from Painting : Ahsan Jan Qaisar, 1988, Oxford University Press, Delhi, B5-90pp. 750yen.
ムガル時代の細密画に現れる建設工事風景をもとに、当時の工人・工具・材料・技術を探る。 カラーを含む図版 22葉。

MUGHAL AND RAJPUT PAINTING* [The New Cambridge History of India 1-3.] : Milo Cleveland Beach, 1992, Cambridge University Press, Cambridge, 25cm-250pp. 2,900yen. import 10,000yen.
ムガル宮廷とラージプートの細密画の歴史を描く、ケンブリッジの新しいインド史シリーズの 1冊。 カラー及びモノクロ図版多数。


BACK     NEXT

© TAKEO KAMIYA 禁無断転載