『 カルパ・スートラ 』 の彩飾古写本、1500年頃  (1B の細密画部分の拡大)
西インド流派 (グジャラート、ラージャスターン) Size= 9.5 x 7cm
すでに金が劣化していて、フラッシュ光をあてても ほとんど光らない。
細密画は 「王妃トリシャラーの胎児の移動」 を描いている。 マハーヴィーラの実の両親は、クンダプラのバラモン地区に住む リシャバダッタとデーヴァーナンダーというバラモン夫婦だった。 第 5アンガの 「バガヴァティー・ヴィヤーハパンナッティ」(聖なる解説の教え)では、マハーヴィーラの生涯と行跡が生き生きと描かれていて、実の母 デーヴァナンダーが 高僧マハーヴィーラを訪ねて対面する場面の描写もあるという。
ジャイナ教では、マハーヴィーラが属する クシャトリアの階級を最上級のものとすることから、こうした説話を生んだらしい。 胎児の移動という説話は、ヒンドゥ教のクリシュナ伝説にもあるというが、両者のあいだに影響関係があるかどうかについては、まだ定説がない。 ハリナガメシーというのは、神々の歩兵の司令官で、馬の頭部と人体が結合した神格として描かれる。